人類はウイルスと取り引きして胎盤を得た。

胎盤と赤ちゃん

 

新型コロナは人類にとって困ったヤツで
すが、役に立つウイルスもいるんです。

赤ちゃんが育つというのは、母親からの
栄養が必要。

その橋渡しをするのが、胎盤。

どうやらこの胎盤こそがウイルスと取り
引きした結果だというのデス。

今から1億6000万年前のまだ恐竜が地
上を支配していた時、ワレワレの祖先は
まだネズミのような小さい動物。

恐竜におびえて暮らす日々。

まだ胎盤は持っておらず、どうやら卵を
産んでいたらしい。

敵に襲われると、大切な卵を置き去りに
して逃げないと生き延びれない。

そんな祖先がある日、ひとつのウイルス
に感染した。

それが、胎盤をつくるための遺伝子。

あるウイルスの遺伝子を調べたら、胎盤
の遺伝子とほぼ同じでした。

この遺伝子がずっと受け継がれる中で、
ミスコピーを重ねて胎盤を進化させた。

感染した1匹の子孫が胎盤を進化させた
一方、感染しなかった方からは現在の
カモノハシの祖先が現れた。

カモノハシって、子供を母乳で育てるけ
ど、ちゃんとした胎盤はなくて、卵を産
む胎盤を進化させた動物です。

そして最初に感染して胎盤を進化させた
方にも、その後分かれ道がやってきた。

別のウイルスに感染した方は胎盤の働き
を高めて、ワレワレのような真獣類(高
度な胎盤をもつホ乳類)に、感染しなか
った方はカンガルーのような有袋類にな
った。

(オガワメモ)

 

この胎盤の能力の低い有袋類は、赤ちゃ
んを大きく育てられないため、小さく産
んで袋の中で育てる。

まぁ、今のところ未完成だ。

今、最も繁栄している生物が、ワレワレ
真獣類。

というわけで、どうやらその原動力はウ
イルスが胎盤を獲得した結果なんだろう。

御前会議の「そうせい!」

 

磯田道史氏の「日本史の内幕」を読んで
いたら、おもしろい話が書いてありまし
た。

御前会議の話なのですが・・・。

偉い人が出席する「御前会議」というも
のは、大半の藩ではほとんど開かれませ
んでした。

でも、幕末の長州藩では開かれていて、
藩主がその場にいて物事をさっと決める
のです。

だいたい、こんな感じになる。

最初に家老が「皆さん、今日はジョウイ
の決行についてどうするか議論して下さ
い」と言う。

すると、一段低い所に座っている官僚の
間でギロンが始まる。

大声で怒鳴る、そして泣きあり。

その間、上の段にいる藩主と家老たちは
無言。
3時間でも4時間でも待つ。

そして下座・末席の者たちがいよいよ疲
労してくると、月番の家老がまとめには
いる。

「だいたい皆さんの意見は出つくしたよ
うですね」

家老たちは下の者たちの空気を読んで、
どっちが多数派であるか考えながらまと
めはじめる。

「では皆さん、多数はこちらのようです
から、この場の結論としては、ジョウイ
することに致します。非常に厳しい戦い
になるでしょうが、やることにしましょ
う。」

そして、次の瞬間が重要。

藩主毛利公の声が飛ぶワケです。
一言、「そうせい!」(そのようにしな
さい!)

藩主のツルの一声が出た瞬間、反対派も
賛成派も一斉に平伏して、決定に服する
のです。

確か、テレビで見た幕末の孝明天皇の
御前会議でもそういう場面があった。

最後に天皇が「そうせい!」と言って、
全員平伏で、決定。

やはり現場にトップがいると、決定から
実行までのスピードが速い。

ワタクシも、スタッフの間で議論しても
らって、「そうせい!」と言ってみたい。

科学の世界では、マネから始まることもありました。

蒸気機関車

 

蒸気キカンで産業革命を起こしたワット
は、誰もがご存知でしょう。

彼は英グラスゴー大学の前で修繕屋を開
く職人でした。

そこにある時、ニューコメンが開発した
蒸気キカンが持ち込まれました。

彼は修繕しながら仕組みを学び、効率化
に思いを巡らせるうちに新しいキコウを
考えついたのでした。

それがワットの蒸気機関。

で、彼は産業革命の父と呼ばれるように
なった。

歯周病の世界の研究史をたどっても、
同じです。

ラットの口に歯周病菌を入れて、いろい
ろ試す。
次にネコの口、そしてサルの口を使う。

最終的には人間の口の方にベクトルは
向きます。
マネを重ねていく。

ところでそのワットによる悪戦苦闘の
工夫をフランスで見ていたのが、若い
学者のカルノー。

まぁ、カルノーサイクルの発見者で、
そこから熱力学という物理学の分野が
スタートしました。

必ずしも最初にキソがあるのではありま
せん。

ワットおじさんがニューコメンをマネし
て工夫するから、カルノーの基礎物理学
が出てきたのだ。

科学技術というのは全て過去のマネから
成り立っています。

マネは基本で、それが満足にできないメ
ーカーや技術者からは新しい発見は生ま
れない。

世界的グローバル企業のパナソニックは
昔、松下電器と呼ばれていましたが、私
の小さい頃、口の悪い人は‘マネシタ電器
’と言ってたのを覚えています。

「勉強量は時間ではなくて、ページ」だと言っていた。

 
      あかもん

 

もう9月なので、だいぶ肌寒くなって
きました。

お笑い芸人の‘あかもんさん’という方が
います。

この人、受験生向きの教育系YouTuber
なんですが、勉強についていろんな事を
述べています。

その中に、「勉強量は時間ではなくて
ページ」だよ、ってのがあります。

そもそも1日=24時間は固定なので、
時間を今より増やすのは難しい。

勉強を量で捉えると質が下がってしまう。

例えば16時から18時まで青チャート(数
学定番の問題集デス)を2時間やると決
めた場合、分量のノルマが漠然としてい
るから、モチベーションがついてこない。

2時間やれば終わりだよ、なので、2時
間の密度はあまり気にしない。

最後の15分くらいになると「もうええか
」とゆっくり着陸態勢に入る。

こんな感じだと、問題集の進みも遅く、
どんどんしわ寄せがいく。

ここで逆に勉強量をページで捉えている
とどうなるか。

青チャートを20ページ終わらすとした場
合、この場合は20ページを早く終わらせ
ると自由時間がゲットできるので、ガン
バれるし、ペースも上がる。

そうすると脳もフル回転するから効率も
上がるし、脳も鍛えられる。

もし晩ご飯前になって終わっていなけれ
ば、何とか終わらそうとハッスルする。

最後はフードファイター(早食い・大食
いを競技として大会に出る人)みたいに
問題集をほおばるようになる。

と、まぁ、そんなことを言っておりまし
た。

まるほど、皆さんいろいろ工夫をこらし
て試練を乗り越えているんだなぁと思い
ました。

まぁ、『Aさん式』の恐竜でいくか!


「Aさん式」恐竜で「がおー!」

 

ある小学校の学習発表会、その年の劇は
恐竜が登場するストーリー。

主人公の恐竜役は、子ども達に大人気。

役者はジャンケンで決めたそうなのです
が、選ばれたのはおとなしい女の子、A
さん。

「がおー!」と登場するシーンでも、
どうしても声がうまく出ません。

そこで先生、「もっと声を出せ!」と
言いたいところですが、そうはせずに
「まぁ、『Aさん式』の恐竜でいくか!」
とおっしゃる。

劇の完成度を優先するのではなく、
「Aさん式」を考えてあげる。

その子なりの頑張りを見ようとする姿勢
が徹底されているのです。

確かに「誰々式」で考えると、こどもは
とても楽になります。

声の出にくいAさんもとても楽しそうに
「がおー、がおー!」と演じていたよう
デス。

これがホントの教育の姿なのかなぁと
思いました。

林先生の「現代文で行こう!」

「今でしょ!」で一世を風靡した林先生
のお話です。

彼は東進ハイスクールに、英語の学習ア
ドバイザーとしてバイトで入りました。

でも一番好きなのは、数学。

そこで、数学のテストを受けて、数学の
講師として正式に授業をすることに決ま
った。

でもここで立ち止まって考えた。

「数学で勝負していくのがホントにベス
トなのか?」

彼は法学部出身の文系。

大学の数学科で無限の深淵を秘めた数学
という世界を専門的に研究してきた連中
と戦って、本当に勝ち目があるのかと
考えた。

そっと周りを見回してみると、他にも
科目はあるのです。

英語、日本史、化学、古文、現代文・・。

現代文?
これは好きではないにしても、得意な
科目。

そこで、当時爆発的な人気を誇っていた
現代文の先生の授業を、こっそりのぞい
た。

「相手が軽い!これなら楽に勝てる!」

そこで数学の講師として採用してくれた
上の人に、「現代文で行きます!」と
宣言。

「お前はバカか!」と一喝されたものの、
とりあえず1回公開授業をすることにな
りました。

生徒には申し訳ないのですが、明らかに
モニター越しの別室で見ているアノ人の
ための授業でした。

公開授業が終わって、「いかがでしたか
?」と言う前に、アノ人は「現代文で
行こう!」と早速返事をくれました。

こうして林先生、「勝ち易きに勝つ」道
を選んだのです。

今、林先生、テレビで忙しそうですが、
東進ハイスクールでは現代文を教えてい
るそうです。

布ぞうりを3年も履いています。

うちの奥さんが作った布ぞうり

 

室内履きと言えばスリッパをイメージす
る方が多いと思いますが、何のなんの、
布ぞうりもスリッパ同様、室内履きです。

ぞうりやゲタと同じように、鼻緒を足の
指でつまんで履く。

材料は、「布」なら何でもイイ。

我が家では最近、うちの奥さん、布ぞう
り製作にハマっておる。

これは以前地方に住んでいた時、近くの
おバアにやり方を教えてもらい、それを
しっかりノートに記録して時々作ってい
ました。

彼女流の布ぞうりの材料は、古いふとん
のシーツやふとんカバー、もう着なくな
ったハンテンや丹前など。

うちは江戸時代じゃ。

「いったいいくつぐらい作ったの?」と
聞いたら、「数えたら12個も作っちゃっ
た」と。

その辺にあるキレで作るもんだから、形
や大きさ、色あい等は自由自在、天真爛
漫。

ワタクシも10年くらいスリッパの代わり
に履いているのですが、履いていると
暖かくて気持ちがいいし、何より丸洗い
できて手入れが簡単なんです。

モップみたいな材料なので、歩くだけで
掃除にも貢献できる。

そして、意外と長持ちなんです。
今の布ぞうりも3年位履いているかな。

ヒトとサルは脳の使う場所が違うんデス。

オガワメモ(線条体と前頭葉)

 

生物には共通の部分というのがあって、
それが呼吸であったり、栄養をとること
であったり、排せつだったりします。

生きていくということはそういうことを
することで、人間も他の動物でもその辺
は大して変わりません。

でも、脳の発達っていうのはすごく面白
いところがあって、例えばフツーの自動
車のエンジンの開発で新しいエンジンが
できると、古いエンジンを全部捨てて
新しいのを載せますが、脳の場合は古い
モノは残しておく。

そして、残した上に進化するにつれて新
しい脳をどんどん重ねていく。

具体的に言えば、古い脳の大脳基底核
(線条体が中にあります)の上に新しい
脳の大脳皮質(前の方に前頭葉がある)
を重ねていく。

大脳基底核(の入り口にある線条体)は
快楽を感じるところ。

それに対して、大脳皮質は未来を予想す
るところ。

ドーパミンという快楽物質が神経を通し
て中脳から出て線条体に行き、あるいは
中脳から直接前頭葉に行く。

「今日1個あげるけど、ガマンしたら3
個あげる」という話になると、原子脳の
線条体は「3個あっても今日の1個の方
がいいや。今、食べたいんだよう!」と
なる。

まぁ、人間以外の動物は脳が発達してい
ないので、ヘソ曲がり以外はだいだいこ
んな風になる。

でも人間のように脳が発達して前頭葉の
ところに刺激が行くと、「ちょっと待て
よ。3個もらえるんだったら、待った方
がいいな」と考える。

太古の昔は原子脳の線条体しかなかった
ので、それが働いて目の前のモノを追い
かけるダケでよかった。

でもエサが足りなくなることもある。

これじゃあエサが足りなくなるぞという
ことで、ヒトは新しい脳、つまり大脳皮
質を獲得して、その中にある前頭葉を使
って、長期的にこうすれば食料を獲得で
きるぞという風に考えるようになった。

それで他の動物なら考えもしない農耕を
するようになったのだ。

ヒトとサルは脳の使う場所が違うんデス。

 

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