2019年 3月 の投稿一覧

医療はもともと一種の呪術

 

歯医者さんとこではないんですけど、小麦
粉にサトウをまぶしただけのプラセボ(偽
薬)を飲んでもらっても、患者さんの何割か
は治ってしまいます。

暗示にかけられただけでカラダ中の化学的な
ソシキまで変わってしまう。

まぁ、自己治癒力です。

その気になっただけで治る能力が人間には
備わっています。

小さい頃を思い出すと、ワタクシの地元では
医者は白衣や聴診器という小道具を使って、
大きい肘掛け椅子に座っていました。

患者さんは丸くて小さいイスに座って、服を
まくり上げて震えていた。

医者はなかなか患者の方を見向きもしないで、
ワレワレには理解できない外国語でカルテに
何か書き込んでイル。

診療室に入った瞬間にそうやって患者さんは
そんな関係の中に放り込まれてしまう。

医者はワレワレから見ると、「謎の知者」な
ワケです。

新米でも治療歴半世紀の名手でも、それは
同じこと。

医者の実際の技術や見立ての確かさよりも、
病院という何か得体の知れない舞台装置の
ようなものの中に患者さんが放り込まれて、
先生の言うことをだまって聞いている。

医療って、もともと一種の呪術から始まった
ワケですから、まぁそれもアリなのかなぁと
思う。

保育園歯科検診に行ってきた。


   アンパンマンシリーズの枕

 

3月26日(火)は、保育園の歯科検診に
行ってきました。
午前中は東区、午後は白石区。

この日は午前中から雨。
スタッフと一緒にクルマ1台で出発。

滅菌したデンタルミラーと探針を用意し、
西川産業のアンパンマンシリーズの抱き枕を
5体風呂敷に包んで、検診場所へ。

保育園の先生方の協力もあって、スムーズに
検診が進みました。

1才に満たない子供で、怖がって口を開けて
くれない場合、一瞬で口の中の歯の状態を
見極めなければなりません。

3才、2才、1才の順番に診ていく。
年下の園児は、年上の先輩たちの姿を見なが
ら学んでいく。

とはいっても、3才くらいまではまだ自己中
なので、まだまだ難しいのです。

保育園の先生たち、エライなぁと思う。

ところで、今回の検診で、30センチ位の
台に園児をゴロンと横に寝かせてもらったら
検診がスムーズにいくことがわかりました。

生きながらえるのは生殖細胞だけ。

 

 

養老孔子さん(仮名)は解剖学の大先生。
彼の書いた本を読んでいたら、おもしろい
考え方だなぁと思うのがありました。

以下、文。

「男女はほんとうは生殖細胞の奴隷である。
脳はそれが気に入らない。だからいろいろ
反抗するが、つぎの世代を作って脳は終わり
である。作らなくたっていずれ終わり。生き
ながらえるのは受精した生殖細胞だけで、あ
との細胞はいずれ寿命が尽きて必ず死んでし
まう。あなたも私も、子どもが育て終われば
あとは不要。不要な証拠に生殖年齢を過ぎれ
ば誰であれ、必ず老化して死んでしまう。個
人の生活では脳はいばっているが、百年もも
たずに死んでしまう。生殖細胞はその前にさ
っさと逃げ出し、新しい個体を作って次の生
殖細胞の準備をしている。生物学的には生殖
年齢が過ぎたらあとは余生。孫の面倒をみる
というのは生物としてはかなり高級で、多く
の生物は子どもの面倒すらみない。今生きて
いる生物は数十億年の歴史を持っている。そ
の間滅びずにきたわけだから、生き残る秘訣は
今生きている生物にきけばイイ。滅びそうにな
ってもそこをすり抜けてきたはずだから。」

深い考え方だなぁと思いました。

アイサツをするということは評価が上がる?

 

 

アイサツは大切です。

ワタクシが歯周病の医局にいた頃、うちの
教授、どんな人にもアイサツしていました。
たとえ、掃除のオバサンにでも。

アイサツを誰にするかと言えば、もちろん
声をかける相手。

でも、アイサツはその人だけじゃなくて、
世間がアイサツする人を見る機会でもある
んです。

ワタクシもしっかり見ていました。

掃除のオバちゃんに頭下げて何になるんだよ
・・・そう考える方がいるかもしれませんが、
でもよく考えてみたら、コストはゼロ、”ただ”
なんです。

1円も使うことなく評価を上げることができる。
そんなのは、この世の中にめったにありません。

ちゃんと「わかっている」人たちは実践してい
るのデス。

素朴なギモン「ハトはどうしてみな同じ向きにとまっているの?」

     
                         マリリン・モンロー

 

空を見上げると、電線によくハトがとまって
います。

よく見れば、みんな同じ向き。

今まで特に何も考えていなかったのですが、
先日、Eテレのピタゴラスイッチを見ていた
時、「ハトはどうしてみな同じ向きにとまって
いるの?」という歌がありました。

それによりますと、どうやら風の向きが関係
しているそうで、自分に向かって風の吹いて
くる方向に頭を向けるのです。

順方向です。

これが逆なら、羽根の中に風が入ってきて
羽根がバサバサになって、寒くて寒くてのん
びりとまっているわけには参りません。

昔ハリウッド映画でマリリン・モンローが
地上を歩いていた時、地下鉄の排気口から
突然風が起こってモンローのスカートが
舞い上がったシーンがありましたが、風向き
を間違えたらハトもあんな感じです。

「まえがき」「あとがき」を読んでみた。

   
      「まえがき」              「あとがき」

 

本屋さんでブラブラしていたら、ある本が
目に留まりました。

教育学者の斉藤孝著『10分あれば書店に
行きなさい』という本。

そこにこんなことが書いてありました。

  ***********

「まえがき」では、たいていその本の趣旨
が熱く語られている。肩に力が入っている
場合も多いから、なかなか読み応えがある。

「あとがき」には著者の個人的な感想や
身辺雑記的なことがやや気楽に書かれてい
ることが多い。一見すると「おまけ」。
「おまけ」だからない場合もアル。

  ***********

まぁ、著者が持てるエネルギー全てを注ぎ
込んだような本もあれば、残念ながらそれ
ほどでもない本もあるワケで、著者が全身
全霊を注いだ本なら本文を書き終わった後も
興奮していて、その“余熱”で何か書きたく
なる。

たぶんアレ、映画のDVDによくついている
「メイキング」のようなものじゃないかな。
手の内をさらしたくなるアレ。

で、いろんな本の「あとがき」を読んで
みた。

確かに人柄がよくにじみ出ていると思い
ました。

強気で自画自賛する人もいれば、遠慮がちに
感謝とも謝意ともつかない言葉を並べている
ヒトも。
まぁ、人それぞれ。

わざわざ「ハワイの別荘にて」とか、「マン
ハッタンの夜景を眺めながら」など書いて
締める人もイル。

温かい読者なら、1冊を書き上げた労に免じ
てこれくらいの自慢は〇〇してあげてネ。

礼儀正しくすることは、「生き延びるためのいちばんいい知恵」


  礼儀正しくするといいことばかり

 

まるやまファミリー歯科では、フッ素塗布を
しています。

就学前のチビッコたちは、フッ素塗布をして
もらったら、一目散に待合室に向かおうと
します。

するとお母さんに呼び止められ、「ホラ、
先生にちゃんと”ありがとうございました”と
言うんだよ。」と注意を促されます。

母親は子どもに「礼儀正しくすること」を
教えているのです。

これは、言うなれば、生き延びるための知恵。

子どもがまず「礼儀正しく」ということを
教え込まれるのは、子どもからすると世の
中のほとんどの人間が権力を持っている人間。

子どもであるというのは、まわりのほとんど
全ての人間によって傷つけられる可能性が
あるということ。

それくらい、「子どもである」というのは
リスキーな状況。

母親は、「あなたはすごく無力なのだから、
まずきっちりディフェンスを固めておきな
さい」という思いを伝えているのです。

なんたって、初めて会った人から最大限の
情報と支援を引き出すために一番有効な
方法は、「礼儀正しく友好的な口調で語り
かけること」ですから。

それに、スキを狙う輩たちは、礼儀正しく
されるとそれ以上入ってゆけない。
まぁ、ドラキュラが嫌がる十字架みたいな
もんです。

子どもがピッチャーで、親がキャッチャー。

 

 

ワタクシ、週末は運動不足を解消する
ために、近くの小学校の体育館で仲間と
テニスをしています。

雪のまだ積もらない頃、校庭ではよく
小さな男の子とお父さんがキャッチボー
ルをしているのを見かけます。

男の子はまだボールの投げ方を覚え始め
たばかり。
ボールがあっちに飛んだり、こっちに行っ
たり。

それを見てて、「親子の関係はキャッチ
ボールだ」という話を思い出しました。

もちろん、子どもがピッチャーで親が
キャッチャー。

優れたキャッチャーは、ピッチャーの持ち
味を理解し、それを引き出す。

毎回全力投球させるのではもたないので、
うまく緩急を織り交ぜる。

ピッチャーの身に何か異変があればすぐに
気づき、声をかける。

時々ピッチャーが暴投しても、身を挺して
受け止める。

そして何より、そこにいるだけでピッチャ
ーに安心感を与えることができる。

親と子の関係はこうでなくちゃという話。
何ともまぁ、ホントに見習いたいものデス。

口の中の天井、鼻の下の床。

 

ワレワレ歯医者は治療する時、口の中の
天井が必ず見えます。

だいたい皆さん、天井を持っている。

この天井を口蓋というのですが、実はコレ、
同時に鼻腔の床でもあるんです。

この天井が抜けると、モノが鼻の中に入っ
てしまう。

生まれつきそういう状態が生じることが
あって、それを口蓋裂というのですが、
こうした先天異常は実は大変なことをイミ
しています。

それは、口の天井が抜けるという状態は
ホ乳類以前はあたり前だったということ。

口蓋裂は、言ってみれば一種の先祖返り。

この天井が抜けるといろいろ具合の悪い
ことが起こります。

子どもがお乳を吸おうとすると鼻から
空気が入ってしまうのでうまくお乳が吸え
ないし、逆も起こる。

口に吸い込んだお乳も鼻に抜けてしまう。

ホ乳類はお乳を吸って大きくなるので、
この天井ができました。

お乳を吸わない魚や両生類、ハ虫類はこの
天井はいらないのです。

でもなぜかハ虫類のワニでは例外的に天井
がアル。

ワタクシ、子供の頃、家でニワトリを
飼っていました。

ニワトリが水を飲むのを見ていたら、口に
水を含んだ様子で頭を上げる。

おそらくああいう飲み方でないと、水が
鼻に入ってしまうのでしょう。
天井がないですから。

まぁ、この天井がなければ、お口のトラブ
ルがあった時、耳鼻咽喉科に行こうか歯医
者に行こうか迷ってしまう。

鼻の穴から管を入れたらその先には歯とか
ベロとかあったということになっちまう。

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