2023年 10月 の投稿一覧

師匠と弟子のモノサシは違うのデス。


弟子(藤井八冠)と師匠(杉本八段)

 

大学医局に入った頃は、師匠の後をつい
てまわって臨床を学びます。

しかし、ワタクシの師匠は口数が少なく
、何も教えてくれません。
ただ、質問した時だけ答えてくれました。
そして、「オガワ、この文献を探して
読め!」たったその一言で終わり。

師匠のカルテを舐めるように書写した

教えてくれないもんだから、カルテばか
りなめるように読んで書写していました。

その時はわからなかったのですが、
師匠はきっと「教えてもらうんじゃなく
て、自分で学べ!」と言いたかったので
しょう。

『しっかり見て、頭ん中で考えろ!』

ところで、「キミ、キミ、いいことを
教えてあげるよ」という人にいい師匠が
いたためしはありません。

「先生、一手、ご指南ください!」

「めんどくさいなぁ。僕は忙しいから、
あっちで遊んでいなさい」というような
のが大抵の場合、いい師匠。

この判定がなかなか難しい。

意外とイイ師匠

手取り足取り教えてくれる優しい師匠と
いうのは、自分自身が学ぶことよりも
教えることの方に軸足がチョットいって
いて、自身はブレイクスルーから遠ざか
っていることがあります。

「先生、ちょっとボクに冷たすぎない?
」というぐらいの先生がちょうどイイの
です。

まぁ、だいだいの師匠の使っているモノ
サシってのは、こっちのとは全然目盛り
の打ち方が違うはず。

弟子の求めるものと必ず違うものが、
師匠から返ってくる。

『ハナをほじくるコトに何か意味があるハズ』

「先生、ビートルズとストーンズでは
どちらがよいのでしょうか?」と聞くと、
「そうだね、松田聖子かな。」とまぁ、
トンチンカンな答えが返ってくる。

ローリングストーンズ(上) ビートルズ(下)

松田聖子

先生は先生なりの基準で弟子に「はいよ。
」と贈り物をくれているんです。

師匠とはそういうものなんですよ。

自分が世界と一緒になってしまうっていう、世にも奇妙な感覚


              奇跡の脳

 

「奇跡の脳」という本があります。
これは、アメリカの脳神経解剖を研究し
ている女性の学者、ティラーさんが書い
た本。彼女が37歳の時、脳卒中を起こし
て、左脳のキノウを破損。

そして、「あぁ、これは脳の出血か何か
を起こしたな」ということがすぐわかり
、これから自分の身に何が起こるかを記
録した本です。

そこには、脳の空間を担当する分野がコ
ワれたらどうなるかが、見事に書かれて
います。最終的に脳はリハビリの結果、
回復したんですけれど。

まず何が起こったか。
彼女は、自分が液体になったようだと書
いています。

脳神経のネットワーク

「カラダは浴室の壁で支えられていまし
たが、どこで自分が始まって終わってい
るのかというカラダの境界すらはっきり
わからない、なんとも奇妙な感覚。
カラダが固体ではなく液体であるかのよ
うな感じ。周りの空間や空気の流れに溶
け込んでしまい、もうカラダと他のもの
の区別がつかない」

ティラーさんは、自分が世界と一緒にな
ってしまうような感じになったと言って
おります。

ところで、臨死体験ってのがありまして
、ワタクシは経験したことはございませ
んが、そこではお花畑が見えたとか、
三途の川があったとか、いろんなパター
ンがあるようデ、共通しているのはとて
も気持ちが良かったという感覚。

自分が世界と一体化して気持ちイイ

一種の至福の状態だといいます。
なぜそうなるかというと、自分という固
体が消えて世界と一体化しているからら
しいのデス。

臨死体験って、左の脳のキノウと何か関
係しているのかなぁと思いました。

寄り道・脱線・遠周り

寄り道

自宅と学校、塾、職場などを往復するだ
けの毎日ではチョット息が詰まってしま
う。最近、『道草』という言葉をめっき
り使わなくなりましたが、ワタクシの子
供の頃は学校が終わったら、寄り道して
帰るなんてことは当たり前。でも、この
辺の子供たちを見ていると時間に追われ
ているせいか、スケジュールが詰まって
いるから、まっすぐ家に帰るようにと、
家人に言われていたりする。

道草

まあ、各家庭の教育方針がありますから
ね。道草ばかりじゃ困るでしょうし、
事故に巻き込まれることもある。誘拐さ
れることもある。昔はよくあった。
チョット大きな話になりますが、人生も
同じかも。決められたレールに沿って効
果的に生きるだけでは、何か先が見えて
、息苦しさを感じることがあります。

時には立ち止まって考えるのもイイ

そういう時には立ち止まって、ゆっくり
考えるとイイ。脱線するのもイイ。日常
を忘れて寄り道すると、何か、ひらめく
こともある。
兵庫県のある中高一貫校では伝説の国語
教師がある一冊の本を3年間かけて通読
したそうだ。

伝説の国語教師、橋本武

ただ読むだけでなく、例えば、その本文
の中に『産業革命』という言葉が出てく
れば、そこで各駅停車して、まあ、脱線
ですな、『産業革命』を生徒に調べさせ
て、お互い議論させて、頭の中に残す。
まあ、勉強っちゅうもんは、頭ん中にど
れだけ残っているかが大切ですからね。

ボードゲームで生物の『ホルモン』を学ぶ

そういう脱線、いや、各駅停車を3年間
に300回くらいやれば、嫌でも頭ん中
で考える材料が溜まって来る。こうなっ
てくるとしめたものだ。面白い。
話っていうのは頭の中に考える材料が
あるからこそ、次から次へと降ってわい
て出てくるのだ。

 

 

生体電気の電気量は一般電球の2億分の1(下)

送電線(水が流れるように速い)

      【続きです】

家の外にある電線ならホースの中を水が
サーっと通るイメージですが、生体の中
だとバケツリレーのように順繰り、順繰
り。まあ、ホースとバケツの違いだ。

電線の中の電気の伝わる速度は秒速30万
キロ。これは例えば、1秒間に地球を7周
半できる速さ。
それに対してワレワレの生体電気は人体
の中でも一番速いとされるものでも秒速
120メートル。まあ、電線を流れる電
気の250万分の1の速さに過ぎません。

生体電気はバケツリレー(のろのろ遅い)

いちばん速いのは瞬発力に関わる神経。
まあ、足とかに関わる神経。襲われち
ゃったらスグ逃げなくっちゃ、食われ
てしまいますもんね。

遅いのでは、歩くのと変わらない秒速2
メートル程度の神経もあります。例えば
内臓のジンジンするような痛みを届ける
神経。少々遅くても命には関係ありませ
ん。遅くても許せるのだ。

遅くても構わない神経。腹が痛てぇ!

送電線の電気は遠くに行くと、だんだん
少なくなってしまうんです。いわゆる送
電ロス。電線の電気はロスが生じてドン
ドン少なくなってしまう。だから、高電
圧にしてたくさん流す。

でも、ワレワレの持つ生体電気はそんな
高電圧を流すシステムがないんです。
だから、『少ない電気を減らさないよう
にゆっくり伝える』

38億年前、生命はナトリウムの海で誕生した

まあ、38億年前に海で誕生したと言われ
る原始生命です。その周りは塩水ですか
ら、ナトリウムをはじめ、いろんな物質
が漂っていたのでしょう。
電気を帯びた物質(イオン)が移動すると
ちっちゃい電気が発生しますからねぇ。
初期の生命は、周りにたくさんあるもの
をしょうがないから工夫して使ったんじ
ゃないかな?

生体電気の電気量は一般電球の2億分の1(上)

昔、イタリアのガルバーニっていう研究
者がカエルの足が電気で動くっていうの
を偶然発見して、そこから生体電気の研
究がどんどん進化しました。

口の中でも銀歯と成分の違う金属が接触
すると、ビビッと電流が流れるのを感じ
ることがあります。これを、歯科用語で
ガルバーニ電流と言います。

カエルの足に電流を流すと筋肉が収縮する

目で見たり、耳で聞いたり、匂いを嗅い
だりするのは、実は全部、私たちのカラ
ダの中を流れている電気のおかげなんで
す。生体電気と言うんですが、その仕組
みはと言うと、

ナトリウムイオンが外から中へ入る

神経細胞にイオンが取り抜ける為の特殊
な扉があって、この扉が開くと、まず
ナトリウムが外側から一気に内側に流入
し、微弱な電流が発生します。

微弱な電気が生まれることで、感じる

それに続いて、今度は中から外へカリウ
ムが移動する。やはり、ここでも微弱な
電気が流れる。このワンセットで1つの
信号となる。すると、それがすぐ隣の扉
にエイキョウを与えて、同じコトが起こ
る。それがリレーのように隣から隣へと
続いていくのが生体の電気信号の伝わる
仕組み。

生体の電気信号の伝わる仕組み(オガワメモ)

同じことがリレーのように続いていく

一般電球が1個が20wだとすると、生体電
気はその2億分の1の電気量。省エネなの
で、光も熱もほとんど出ません。出てた
ら,カラダが焼け焦げてしまう。

       【続く】

 

道内勢、高校生将棋、大躍進!

左端は高校竜王、札幌南2年生の斉藤駿汰君

道内の高校生将棋が大躍進と言うニュー
スが飛び込んで来ました。今年の8月、
第36回全国高校将棋竜王戦がありました
。北海道の代表は札幌南2年生の斉藤
駿汰君。全国の強豪を次々と破り、決勝
までコマをすすめました。お相手は千葉
県代表の女鹿紘喜君。で、北海道代表の
斉藤君が見事優勝。竜王戦決勝ともなる
と、御存知、羽生九段と藤井聡太竜王の
立ち合いのもと、別室にて行われます。
(写真上)

羽生九段と藤井聡太竜王によるダブル解説

そして、その中盤戦は羽生九段と藤井聡
太竜王によるダブル解説。終局後、対局
者を交え、感想戦も。将棋のプロの先生
方にとっては、ほんの仕事の一部なんで
しょうけど、アマチュアの高校生にとっ
ては、一生忘れられない出来事。そう思
うと、プロの先生たちも一瞬たりとも気
を抜くことは出来ません。

最近の高校将棋の道内勢のレベルは、
間違いなく上がっています。言わば、
将棋戦国時代。
今年は全国高校将棋選手権では札幌光星
3年の竹田健人君が男子個人で準優勝。
男子団体で札幌西が第3位。
女子団体で立命館慶祥が準優勝。
そして、第36回全国高校将棋竜王戦では
札幌南2年の斉藤駿汰君が見事、全国
優勝。おめでとうございます。

全国高校将棋女子団体準優勝 立命館慶
祥     高橋夏蓮 石原萌 水島莉理

全国高校将棋男子団体第3位 札幌西
  小西楓稀 湯川琥太朗 石井尚輝

全国高校将棋竜王戦 優勝 札幌南 
        斉藤駿汰(前列中央) 

全国高校将棋個人戦準優勝 札幌光星
        竹田健人(前列右端)  

 

道内勢大躍進の理由は、高校の枠を超え
て教え合い、学び合っているせい?いや
いや、高校生の日本代表レベルの生徒が
突然、前後の学年に現れると、おのずか
ら鬼のように全体がレベルアップする
んですよ。
それに、まだ若い札幌の会社員、横山大
樹さんの存在。彼、全国アマ名人戦で4
度優勝するなど、社会人の活躍も若い高
校生のイイ刺激になってるんじゃないか
な?

うちのチビスケも昨年、全国高校将棋個
人戦で東京の全国大会に行かせてもらい
ましたが、レベルアップした今年あたり
だと、北海道予選突破もどうだったかな

親は子どもに見られています。間違いありません。

 

犬やネコは、子どもの時の育て方による
違いはたいしてありませんが、人間の子
どもは、育て方によって大きな違いが出
てくるようです。

上手な親が育てれば上手に育ち、そうで
ない親が育てれば、それなりにしか育ち
ません。

親はまだ子育ての運転を教習中で、最も
下手な時に最も大事な子育てのクライマ
ックスを担当するのです。
クライマックスは、だいたい小学校6年生
くらいまで。

最近よく思うのですが、子どもは親の言
うとおりに育つんじゃなくて、親のやっ
ているのをマネて育つのではないかと。
自分のことは棚に上げて子どもだけはよ
くしようとしても、そうはいかないわけ
で、子どもにだけ勉強させて賢くしよう
としても、なかなかそうはいきません。

反対に、親が勉強して賢くなろうとすれ
ば、子どもはそれをマネて、親以上に勉
強して親以上に賢くなるのでは?

だいたい、親は学びの旬は過ぎているの
で、10の努力をしてもまぁ、2つぐらい
しか身につきませんが、子どもは旬の盛
りのため、8つ位はしっかり取り込んで
しまう。

親は子どもに見られています。
間違いありません。

チョウチンアンコウのちょうちん

チョウチンアンコウ

 

世の中には不思議な動物がいます。

以前から、何でこうなっちゃったの?と
ワケわからなかった。

それが、チョウチンアンコウ。

彼らは頭のてっぺんに提灯(ちょうちん
)をぶら下げて、それを使って狩りをす
るんです。光の届かない海のずっと底で。

どうやらあのチョウチンは、背びれの先
頭のトゲが変形したらしい。
で、先っぽが光る。

何で光るかというと、その中に発光バク
テリアがいて、まぁそこはバクテリアの
培養室。

バクテリアもアンコウも共生しています。
お互いにメリットがありますからねぇ。

ワレワレの祖先がかつて魚だった頃、耳
はありませんでした。

でも陸上に上がって生活するようになる
と、音を聞き分ける能力がないと生きて
いけない。

で、昔、魚のエラだったところが変化し
て耳になりました。

彼らチョウチンアンコウは、陸へ上がら
ずに深海を生きる場所に選んだ。

で、あんな変な形に進化した。

チョウチンアンコウに言わせると、オマ
エたちこそ変な形じゃねぇ?と言うかも
しれませんけれど。

まぁそれはイイとして、真っ黒い深海で
ピカッと光るものがあれば、小魚たちは
『いったいアレ、何だろう?』と寄って
くる。

そこにチョウチンアンコウの怖いお口が
あるとも知らずに。

あぁ、恐ろしい。

”信長の池”

石山(大坂)本願寺

 

春頃、大阪国際女子マラソンをテレビで
放映していますが、大阪城が映った時、
「あぁ、この場所って、秀吉が大坂城を
築城する前までは石山(大坂)本願寺だ
ったんだよなぁ。」と思いました。

大坂って場所は、昔から交通・経済・防
御で優れた土地。

で、上洛して京都を手に入れた信長は
この大坂の地が欲しかった。

でもそこには強力な勢力、石山本願寺が
あった。

石山本願寺

そこで信長、この本願寺を完全に封鎖す
るために、大阪湾を“信長の池”にしよう
と考えた。

何とかして本願寺に出ていってもらいた
い。

で、何度もチョッカイを出して、とうと
う11年後に追い出した。

その頃、信長の家来の秀吉が上手に中国
地方の陸上を、向こうの方まで行っちゃ
った。

これはいけるぞ。

大阪湾どころか、瀬戸内海全体も“信長の
池”にできると思い始めた。

そして、四国を“信長の島”にしちゃえば
イイわけだ。

大阪湾・瀬戸内海(信長の池)、四国(信長の島)

そんな時、えらく四国の長宗我部に肩入
れするヤツが自分の家来に約1名いるわ
けですよ。

明智光秀です。

「光秀、オマエ何やってんだよ。秀吉を
見てみろ。あんなに遠くまで前線を伸ば
してこっちの味方にして、岡山、香川の
方まで行っちゃってよ。アイツ、すごい
ぞ!オマエの友達かなんか知らんが、
四国の長宗我部というヤツなんか討っち
まいな。」

光秀、「まずい!友人を討つわけにはい
かない。このまま行ったら、なんやかん
やでオレも信長に殺されるかもしれん!
」。

そう思った光秀が信長を本能寺で殺しち
ゃった。

これが本能寺の変。
諸説あります。

本能寺の変

石山本願寺は信長と戦い、大坂の地から
退いたことで、信長が殺される最後のト
リガー(引き金)を引いたのだ。

だから石山本願寺って、歴史的には大坂
退去して信長に負けたように見えますけ
ど、現実には最後は勝っちゃったワケで
す。

信長は死んでも本願寺は今でも生き残っ
ていますからね。

富山には「な~んもない」けど、富山の方がイイ!

富山の立山連峰(イナガキヤスト撮影)

 

うちのスタッフのダンナさんが富山に
単身赴任している。

そんなわけで、富山に行ったことがある
彼女に、チョット聞いてみた。

「富山の第一印象は?」

―「な~んもない!」

「えっ、何もなかったの?何かあるで
しょ。」

―「な~んもナイ!」

「家とかはあるでしょ?」

―「そりゃあ、まぁ家とかはありますケ
 ド、スーパーなんて遠くに行かないと
 ナイ。コンビニも少ない」

「富山の第二印象は?」

―「ずっと曇り空。有名な立山連峰は
 あるけれど、いつも見えるわけじゃ
 ないし・・・。」

そういえば、昔、東京に住んでいて、今
富山にUターンしているローカルタレン
トのさだありささんがこんな受け答えを
していた。

富山のローカルタレント・さだありさ

「富山のデートスポットってどこです
 か?」

―「ありません。」(早っ)

「学生時代どこに行っていました?」

―「イオン!」

「他は?」

―「ファボーレ」

「他にないの?」

―「マック!大体、デートせんよ。」

「東京と富山って何が違う?」

―「まず東京は人が多い。人の多さが
 全然違う。東京は毎日が山王祭(富山
 の祭りデス)。満員電車は押し詰め状
 態。」

富山の山王祭 ワッショイ、ワッショイ!

「じゃあ東京はもう毎日祭りみたいな
感じ?」

―「そうだ!ワッショイ、ワッショイ!
 富山の人はちょ っとしんどいかもしれ
 ませんね。疲れちゃうかも。祭りの後
 の脱力感。東京の人、強いんじゃない
 ですか。祭りの後に仕事しとるみたい
 な感じですよ、チャチャチャと。」

クルマでゆったり、ゆったり

 「富山の人たちはクルマでゆったり、
 ゆったり。一人1台、ゆったり、ゆっ
 たり。音楽聞きながらね。やっぱり富
 山の方がいいね。富山がイイ!」

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