日本の企業は屈服するのではなく、静かに去るのです(後半)

トヨタは「信用」と「共生」を大切にする

      【続きです】

工場をすべて閉鎖して立ち去ってしまえ
ば、ベトナムはもっと大きな打撃を受け
たでしょう。しかしトヨタはそうしませ
んでした。労働者のことを考え、罪のな
い人たちのことを考えました。

工場をすべて閉鎖して立ち去ってしまえば、ベトナムはもっと大きな打撃を受けたでしょう。

「ありがとうございます。」
「15年間私たちのパートナーだったじゃ
ないですか、大変な時にはいつも助けて
頂きました。その思いは私たちは忘れま
せん。」

「ベトナムは15年間、私たち日本のパートナーだったじゃないですか。」

「一つ聞いていいですか?ベトナム政府
はどうなさるつもりですか?」

「私たちは復讐をしません。復讐したと
ころで誰が勝ちますか?みんな負けるん
です。ただ一つ教えてあげるだけです。
信頼を裏切ればどうなるか、パートナー
を脅迫すればどんな結果を招くのか、今
回のことでベトナム政府が学んでくれれ
ばいいと思います。」トヨタが去れば他
の企業も去ります。

「信頼を裏切ればどうなるか、パートナーを脅迫すればどんな結果を招くのか、今回のことでベトナム政府が学んでくれればいい。」

ベトナム中央政府の官僚たちは、トヨタ
が4兆円も投資したので去れないだろう
、と考えました。トヨタを人質に取った
と考えたのです。でも間違っていました
。トヨタは去ることができた。実際40%
をタイに移転しました。

ベトナム中央政府の官僚たちは間違った。そこから学んで欲しい。

日本企業は脅迫されれば、屈服するので
はなく、静かに去るのです。復讐もしま
せん。ただ去るのみです。それが最も恐
ろしいのです。

「何も言わずに、ただ静かに去ります」映画《ローマの休日》より。

その後どうなったか?ベトナム政府は
300億円を余分に取ろうとしましたが、
凍りつきました。他の外国企業が投資を
保留しました。全体の被害額を計算して
みると、30兆円を超えていました。300
億円を欲張って、30兆円を吹き飛ばした
のです。トヨタは復讐しませんでした。
そのかわりに教訓を与えました。信頼を
裏切ればこうなると。その教訓の重さが
30兆円でした。

ベトナム政府は間違いました。

こんなベトナムの田舎町にトヨタが来て
道路を舗装し、工場を建て、学校を造り
仕事を作りました。私たちの町全体がト
ヨタのおかげで生きて来ました。そのト
ヨタをベトナム政府が裏切りました。

ベトナムの田舎町にトヨタが来てくれた。そんなトヨタをベトナム政府が裏切った。

トヨタが完全に去ったわけではありませ
ん。既存の工場は維持されます。18万人
の仕事は守られます。労働者たちには罪
がないからです。日本は物作りという哲
学を持ち、復讐よりも共生とパートナー
シップを考えました。それが戦後、日本
が成功した秘訣なのだと思います。

日本は復讐よりも共生とパートナーシップを考える。それが戦後、日本が成功した秘訣なのだと思います。

トヨタだけでなく、ホンダ、パナソニッ
ク、すべて素晴らしいです。お金を稼ぐ
だけでなく、町を発展させ、雇用をつく
り、人間を考える企業たちです。そうい
う企業のある日本が羨ましいです。ベト
ナムもいつかそういう企業を育てたいと
思います。

トヨタだけではなく、ホンダ、パナソニック等日本の企業はすべてすばらしい。

人間を考える企業、信用を守る企業、復
讐よりも共生・パートナーシップを選ぶ
企業、それが日本なのです。

 

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