
毒
世の中には咬まれて死ぬ毒、咬んで死ぬ
毒ってのがあるんです。咬まれて死ぬ毒
は、牙や針で相手のカラダに直接注入す
る。咬んで死ぬ毒は逆で、コッチが食べ
たり、触ったりして初めて効く。相手は
ただそこにいるだけでイイ。食べたコッ
チが死ぬダだけ。同じ毒でも届け方がま
るで違います。

咬まれて死ぬ毒は、牙や針で相手のカラダに直接注入する。

咬んで死ぬ毒は、コッチが食べたり、触ったりして初めて効く。
①毒を持つ1つの目的は獲物を狩るため
だ。つまり攻撃のための毒。注入する
タイプがコレだ。狩りの道具として毒
を使う。

①毒ヘビのように攻撃のための毒。
どうして狩りに毒が役に立つかと言う
と、自分より力の強い獲物や、足の速
い獲物を真正面から捕まえるのは大変
。逃げられたり、反撃されたりするも
んね。だから一突きで相手を麻痺させ
てしまえば、追いかける手間も省ける
。刺してもすぐに効かなかったら逃げ
られちゃうから、刺した瞬間に神経を
狂わせて、その場で動きを止める様に
デキている。

咬んだり刺した瞬間に神経を狂わせ、その場で動きを止める。
毒は力の弱い者が強い獲物を仕留める
ためのいわば飛び道具だ。だから遅く
効くのでは困る。速さが命。ヘビの毒
がまさにソレ。しかもこの毒、1種類じ
ゃない。何十種もの毒素の混合物。あ
る成分は神経を麻痺させる。別の成分
は血液を固まらせなくする。

毒は、力の弱い者が強い獲物を仕留める為の、いわば飛び道具だ。
日本の海にスゴい狩人がいます。ヒョ
ウモンダコだ。小さくてカワイイ見た
目ですが、咬みついて猛毒を送り込む
。カラダの小ささを毒で補っている。

ヒョウモンダコは咬みついて猛毒を送り込む
②毒を持つ2つ目の目的は食べられな
い為だ。まあ、守るための毒。食べら
れたら効く毒。一匹が食べられて、敵
をひどい目にあわせれば、その敵は二
度と同じ見た目の獲物に手を出さなく
なる。つまり、残りの仲間が助かる。
一匹の犠牲で群れ全体が助かる。

②食べられないための毒。1匹が食べられて、敵をひどい目にあわせれば、その敵は二度と同じ見た目の獲物に手を出さなくなる。写真はヤドクガエル。
口に入れた瞬間に痛みを感じたり、敵
が途中で吐き出すこともある。一口で
こりゃあダメだワ!と気ずかせる。だ
からこの毒は速効性は要らない。相手
に自分たちを食べさせるのを止めさせ
れば、それで目的は果たせる。即死さ
せる必要はない。

一口で「何だ、こりゃあ、ダメだわ。ゲボッ!」と気ずかせる
日本で守る毒の代表と言えばフグだ。
自分から襲うことは絶対にしない。ただ
食べられた時にだけ相手を道連れにする
。まあ旅は道連れ、世は情けだ。フグの
は完全な受け身の毒。動かずにただ待っ
ているだけで身を守るっていうスゴいヤ
ツだ。

フグは自分から襲うことを絶対にしない。ただ食べられた時にだけ、相手を道連れにする。
【続く】