不活性ワクチンは、似たようなトゲを作って免疫細胞をトレーニングさせる。

抗体がトゲに働いている(Yが抗体)

 

ワクチンには、生ワクチン、不活性ワク
チン、トキソイドの3つがあります。

生ワクチンは、生きたウイルスの毒性を
症状が出ないように抑えて、免疫が作れ
るギリギリまで弱めた製剤。

不活性ワクチンは、ウイルスの毒性を完
全になくして、免疫をつくるのに必要な
成分だけを製剤にしたもの。

トキソイドは知りません。

今度ワレワレ医療従事者が接種するワク
チンは、アメリカのファイザー社製の
不活性ワクチン。

mRNAワクチンです。

mRNAはメッセンジャーRNAを読む、
まぁ、設計図です。

新型コロナウイルスと同じトゲを作るた
めのこの設計図(mRNA)を脂質の膜で
包んで、細胞の中に入れる。

脂質の膜に包まれなかったら溶けてしま
いますからねぇ。
不安定なんです。

そして、リボソームというタンパク製造
工場に直接この設計図を渡して、そこで
トゲを作り出すという仕組み。

そのトゲで免疫細胞をトレーニングする
ことで、実際に本物の新型コロナウイル
スが来ても、練習通り効果的に戦えるっ
てわけだ。

このmRNAとてもは不安定で、細胞内に
入った後に数日以内に細胞の処理システ
ムの中で解体されてしまいます。

やはり脂質の膜で包むなどの工夫をしな
くちゃね。

でないと、カラダの中ですぐになくなっ
てしまう。

ふつう遺伝情報が記録されているDNAは
細胞の中の核の中に納められているので
すが、このmRNAは核の中に入れない。

まぁ、mRNAは核の中に入れないので、
遺伝子をいじることができません。

だから仕事を終えたらすぐ分解されちゃ
う。

だから、安全だと考えられています。

じゃあ副反応はどうなの?って話ですが
、どんなクスリでもワクチンでもアナフ
ィラキシーは起こりうるということ。

新型コロナのワクチンだけが特別なわけ
じゃあ、ありません。

でも体制をきちんと整えれば、死亡につ
ながるといった深刻な事態は防げる。

まぁ、ワクチンに関して言えば、打つこ
とで起こる極めて稀なリスクばかりに目
が行ってしまい、打たないことのリスク
を見過ごしがちじゃあないかな。

多分、現時点で人類が持つことのできる
最大の武器がワクチン。

というワケで、わたくし、ワクチンを
打つ日が待ち遠しい。

あまり考えることのないヒフ感覚の話

アイソレーション・タンク

 

右手の皮フ感覚が無くなれば、自分の
手は動くものの、その手がどういう状態
なのかわからなくなってしまう。

脳の中に視床という部分がありますけど
、そこに何か障害が起きると、感覚だけ
が抜けてしまう。

だから動かすことはできるけど、感じる
ことができない。

自分の手じゃないと感じる。

ある患者なんですけど、右手の皮フ感覚
がなくなった。

それで歯のブラッシングがうまくできな
くなった。

そこで自分の目で自分の右手を確認する
ようにして、なおかつ左手で右手を触る
ようにした。

すると、右手の存在を左手と目が教えて
くれた。

右手で失ったものをその2つがカバーし
てくれたのだ。

フツーの人にはフツーにブラッシングし
ているように見えるけど、実は苦労して
いる。

ところで、健康なヒトでもそのヒフ感覚
をかなり減らすという実験があるんです。

アイソレーションタンクといって、脳生
理学者が発明したんですけど、まぁ、感
覚を遮断する装置。

まずお風呂の湯船に密度の高い、塩水の
ような比重の重い水を入れておいて、湯
の温度をヒト肌くらいにしておく。

そしてそこに、真っ裸であおむけに浮く。
最後に、音も光も遮断する。

すると物理的にヒフ感覚、つまり「自分
」と「自分でない」ところの境界がなく
なってしまう。

そして、自分のカラダから自我が消えて
しまうらしい。

自分と自分でないももの境目がわからな
くなると、自分がいるかどうかも危うく
なる。

だから自分がここにいるよ、っておしえ
てくれるのがヒフ感覚なのだ。

「超高周波音が何やらヒフに働きかけています」

アナログレコードプレーヤー

 

まるやまファミリー歯科では、B.G.Mの
音源はCD。

音楽の世界では、音質の話題はいつの
時代も尽きないのですが、ワタクシは
アナログレコードに比べて、CDの方が
高音質だと思っていました。

たぶんそれが世間の常識。

何しろ、CDだとプチプチいうスクラッチ
ノイズも無いし、無音はどこまでも無音
だし、溝の劣化もありません。

でもいくら高音質だといっても、所詮
歯医者さんの診療室。

ユニットを寝かせる音は「ウィーン」と
鳴るし、ポットのお湯は「ピーッ、ピー
ッ」早く来いと催促するし、突然「プル
ルーン、プルルーン」と電話はかかって
くるし、スタッフの足音はドタドタする
し、歯を削る音は子どもイヤな「ウィー
ン」だし、滅菌装置も“止めてくれ~”と
ピイピイ鳴るし、おまけに待合室ではア
ンパンマンの遊具がピコピコ物音を立て
ておる。

CDがいくら高性能だといっても、うち
ではその力がちっとも生かしきれており
ません。

ところで、CDは超高周波音をカットし
てありますが、レコードは超高周波音も
入っています。

超高周波音(高音成分)は自然界に多く
あって、川のせせらぎや鳥のさえずり、
草木のざわめきなどに含まれています。

レコードを聴いたらぽっかぽか暖かくな
ってきたとか、気持ちよくなってきたと
かよく言いますが、どうやらアレ、耳で
音をとらえているだけではないらしい。

先日BSの「ヒューマニズム」っていう
番組を見ていたら、皮フも音を聴いてい
ると言っていた。

例えば軽く身体をマッサージをする。
すると血行が促進される。

それは皮フの細胞が血管を広げて、一酸
化炭素を合成して出しているからだ。

超高周波音を出すと、マッサージと同じ
ように皮フに働きかけて、一酸化炭素を
作り出して血管が広がり、血流がよくな
る。

その結果、何かポカポカ暖かい気分にな
ってくるトカ。

もうひとつおまけがあって、超高周波音
は快楽ホルモンのオキシトシンをつくっ
ていい気分にしてくれるらしい。

つまり、レコードのような超高周波音の
入っている装置を使ってモーツァルトの
ようないい音をパンツ一丁のハダカで聴
けば、皮フに一酸化炭素がビュンビュン
できて、それが血管を広げてくれるから
カラダがポッカポカになり、おまけに快
楽ホルモンのオキシトシンがつくられる
から、いい気持ちになるっていうワケだ。

コロナ禍、1年後の学校歯科検診。

(学校HPから無断拝借しました。)

 

昨日はR小学校の歯科検診でした。

うちのスタッフ2名と、北大歯周病科の
大学院生の先生とワタクシの計4名で、
朝8時半からスタート。

ノンストップで一気に終えました。

コロナ禍になって2回目の歯科検診。

昨年はバタバタしながらやりましたが、
1年も経つと何となく検診の方向性が
見えてきて、マニュアルみたいなものが
漠然と浮かび上がってくる。

学校側の協力もあり、スムーズに終了
しました。

マスク、ソーシャルディスタンス、フェ
イスシールド、アルコール、換気。

できることは、全部やる。

で、今回思ったのが、児童たちの口の中
は昨年、一昨年に比べてムシバがずい分
増えていて、歯肉炎もまたしかり。

マスク生活を1年以上続けていると、口
の中の換気もままならないのか、口の中
はどうせ見えないので後回しになるのか
、このご時世なので不要不急ということ
で歯医者さんとこに足が向かないのか、
まぁいろんな要因があると思いますが、
何とかしないとなぁ。

小学生にはワクチンを打たないという国
の方針なので、小学校の先生たちはこれ
からも、あれもこれもワァーっといろん
なことに気をつけなくてはなりません。

とても大変そうでした。

早くマスクを外せる生活に戻れたらいい
なぁと思います。

修学旅行のお約束の風景。

京都の五重塔

 

2020年は、コロナ禍で中学生・高校生
の修学旅行はどこも中止になりました。

今年もどうかなって感じです。

これだけいろんなイベントがなくなる
コロナ禍。

きっと歴史の1ページに刻まれること
でしょう。

先日、うちのスタッフに修学旅行どこへ
行った?と訊いてみたら、「京都だった
。」「東京でした。」という返事。

どこを見学して、何見たの?と聞いたら
、何も覚えていない。
行ったことしか覚えていないとか。

中・高校生頃の修学旅行って、そんな
もんです。

ワタクシも振り返ってみれば、自分が
写真に写っているのを見て、「へぇー、
清水寺へ行ったんだぁ」。

それよりも、バスの中で酔って始終具合
悪かったのを強烈に覚えています。

あんなに長い間バスに揺られるってこと
ありませんでしたから。

で、旅行の初日って、だいたい生徒は
とにかく寝ない。

深夜どの部屋からもクスクス、ごそごそ
、合間に爆笑や床を叩く音も聞こえる。

見回りの先生が戸を開けると、あわてて
布団をかぶる気配。

先生たちも生徒たちの気持ちがわかるか
ら、見て見ぬふり。
「早よう、寝えよ!」

でも数秒もたたず誰かがこらえきれずに
笑い出し、つられて部屋中大爆笑。

睡眠不足としゃべりすぎで翌朝みんなの
声が変わっている。

修学旅行って、見学した国会議事堂のこ
となんか忘れても、夜の打ち明け話のコ
トは忘れないんじゃないかな。

 

トーネット14番のイスが「私を連れていって下さい」と・・・

トーネット14番のイス

 

ヨーロッパのカフェの映像や写真では
必ずと言っていいほど、「トーネット
14番のイス」を目にします。

このイスって、6個のブナ材のパーツ
と、10個のネジだけで構成されていて、
低コストで簡単に組み立てられて、頑丈
で軽く、分解も可能なので輸送も便利。

箱にパーツを詰めて出荷し、販売店で
組み立てる。

一辺が1メートルの箱でも36脚分、
送れる。

まるやまファミリー歯科内の所々に置い
てあります。

先日、リサイクルのお店、オフィス・ア
クティブの店内をブラブラしていたら、
ホコリをかぶったイスが隅っこの方に
置いてありました。

他の商品は目に入らなかったのですが、
この古ぼけたイスだけが猛烈にワタクシ
にアピールしてきた。

「私を連れていって下さい」って。

近くに行ってよく見たら、「トーネット
14番のイス」。

近くにいた店員さんに値段を聞くと、
「100円に消費税、締めて110円。」

「えっ?」

ワタクシ、6~7000円くらいを想定して
いたのですが・・・。

ワタクシにとってはアンティークのイス
で、価値ある商品なのですが、値をつけ
た人にとってはただのポンコツのガラク
タに見えたのかな?

それとも、バナナの叩き売りのように
「持っていけ価格」だったのか。

 

「動物の寿命は子どもがつくれる期間と関係アル」。

動物の寿命

 

いつだったか、どこかの動物園の園長
さんが言っていました。

「歯の寿命が動物の寿命」。

動物はそうかもしれないけれど、でも
ヒトは総入れ歯でも長生きするしなぁ。

歯が1本もなくても歯ぐきで食べてる
長寿の人もいるし。

さて、寿命について面白い資料がありま
す。

「寿命は生殖。子どもがつくれる期間と
相関がアル」というもの。

動物はほとんど、子孫を残したら生き物
としての役目は終わります。

サケみたいに、卵産んだらいつ死んでし
まってもいい。

多くの生き物は、生殖期間を終えた後す
ぐに寿命が尽きてしまいます。

ゾウもライオンもリスもトドも、生殖期
を終えた後1~2年で寿命が尽きる。

それは、ヒトとほとんど遺伝子が同じチ
ンパンジーでもそう。

実はゴリラもチンパンジーも、死ぬ直前
まで生理があるんです。
つまり、子供が産める状態。

そして、生殖可能な期間が終わるとつい
に寿命も尽きる。

でもヒトだけが生殖期を終えた後もまだ
まだ長い余生があります。

よく考えてみれば、ヒト独自の文化の継
承にも時間がかかるし、そんな時、そこ
で長生きのおバァちゃんがいると楽。

ジィさんはどうか知らないケド。

バァちゃんは、残った能力を子孫の世話
に向けることができるし、他人の子供や
孫まで面倒みるようになった。

人が長寿になったのは社会的役割も関係
しているんじゃないだろうか。

まぁ、こういうのをどこかの誰かが
「おばあちゃん仮説」と言っていた。

筋肉注射と皮下注射。そして歯医者の出番。

筋注と皮下注

 

日本では、1970年代に小児へ抗生物質や
解熱剤などを筋肉注射したら、ヒザが
曲がらなくなるなどの大腿血頭筋短縮症
が発生したんです。

で、これが大きな社会問題になって、
それ以来日本ではほとんど皮下注射に。

ワクチンを皮下注射している日本のよう
な国は実は少数派で、大半の国は筋肉注
射。

今回輸入されるワクチンも、筋肉注射す
るという条件で臨床試験が行われて、緊
急承認。

だから皮下注射でなくて筋注。

皮下注か筋注かどちらがワクチンの効果
があるかを検証した研究は、残念ながら
ありません。

理屈でいえば免疫cellがたくさんある皮
下注の方が効果高そう。

でも今回ファイザー社のRNAワクチン
は、体内の細胞の中のリボゾームという
タンパク質生産工場でウイルスのトゲを
つくらないと免疫反応が始まりません。

だとしたら、タンパク質をつくる筋肉細
胞のたくさんある筋注の方が、効果があ
りそう。

まぁ、どっちでもいいからとにかく早く
作れ、ということでつくったもんですか
ら、筋注しか資料がないんです。

どころで、巷では歯医者がワクチンを
うてばいいという議論が出てきました。

やっとワタクシたち歯医者の出番がまわ
ってきたか。

医療従事者として皆さんのお役に立てれ
ばイイと思う。

 

「自分たちの発見が自分の直接会わない世界中の人々にエイキョウを与える」素晴らしさ。

研究者 藤田恭之さん

 

ついこの間まで北大で癌の研究をしてい
た藤田恭之先生が、こんなことを言って
いました。研究者について。

**************************************

考えていた仮説と一致しないデータの時
もあるし、全く予期しなかったデータの
時もある。

「なんじゃこりゃあ?」と首をひねる時
もある。

「これはすごい!大発見だ!」と叫びな
がら踊りたくなることもある。

データとの出会いは一期一会。
心ときめかす瞬間。
それがサイエンスの醍醐味。

ベッドの上で、またはトイレの中で、あ
るいは満員電車に揺られながらふとアイ
デアがひらめく時がある。

“世界で今、自分だけがこのアイデアを
持っている”という興奮。

これは、サイエンティストの特権。

「発見」が世界で初めてのものでなけれ
ば、イミを持たない。

そう、世界で一番目のものだけが大きな
評価を受ける。

データが出た時、「これを見つけたのは
ボクが世界で初めてかもしれない」とい
う優越感。

いやあ、もうたまりません。
毎日がオリンピック。

自分たちの発見が自分の直接会わない人
々にエイキョウを与えることができる。

コレがサイエンスのすばらしい点。

でもそれには、一流の頭脳と一流の技術
を身に付けなければならない。

学生といえどもそれは同じ。
「プロ」にならなければならない。

*************************************

この話とはたいして関係ないけど、この
藤田先生、ついこの間まで北大の教授を
していたのに、昨年、京大の教授になっ
た。

新型コロナウイルスで“8割オジサン”と
呼ばれていた北大の西浦博さんも、北大
教授から気がついたら京大の教授になっ
ていた。

こう続くと、北大と京大の間には、何か
そういう同じような土壌があるのか、あ
るいは出世ルートでもあるのかなぁと
勝手に思ふ。

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