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南極のことを考えると寒くなってきた。

         南極大陸

 

今年の夏は、例年に比べて暑いと思い
ます。

そんな時は、頭の中を涼しくするに限り
ます。

寒いと言えば南極と北極。

南極は氷の大陸。
北極は南極とは違い、北極大陸というの
はありません。

北極圏は3分の2が海。

北極の平均気温はマイナス18℃、南極は
マイナス50℃。

こんなことを昔、地理で学んだ覚えが
ある。

ところで、何で南極の方が圧倒的に寒い
のかというと、一つは標高の違いデス。

北極は大部分が海で、海に浮かぶ。
海氷は最大で厚さ10メートルしかない。

でも南極は、大部分を占める部分を氷床
が覆っています。

氷床の厚さは平均1850メートル、最大で
4776メートルというから、富士山よりも
厚いのだ。

            北極圏

 

だから南極の標高は高く、気温も北極よ
りもぐっと低くなる。

しかも、南極の氷は地球上の90%を占め
る量。

南極が寒いもう一つの理由ってのがあっ
て、それが海流。

北極は赤道からの暖かい海流が流れ込む
のに、南極はそのまわりに南極還流とい
う海流があって、これがまわりの暖かい
海流を跳ね返してしまうんです。

不思議なもので、頭の中をちょっと変え
てやるだけで、暑いものも寒く感じてき
ます。

歯ぐきの中も腸の中も、酸素のなかった原始地球と似た環境。


           マグマの海

 

地球上で細菌がいない場所はありません。

植物から、空気中、水中どこにでもいっ
ぱいいます。
雨粒の中にもイル。

それもそのハズ。
そもそも生命は、細菌からスタートした
のですから。

今から46億年前、誕生直後の地球はマグ
マの海に覆われ、大気中には窒素と二酸
化炭素が満ちあふれて、残念ながら酸素
はありませんでした。

数億年経ち、ようやく誕生した生命、そ
れが実は細菌でした。

ところが、その後27億年前、地球環境が
大きく変わり、後に植物になり光合成を
行うシアノバリテリアが誕生。

ついに地球上に酸素が増え始めたのです。

すると細菌たちは、主に2つのグループ
に分かれて進化してきました。

その2つが、酸素を好む好気性菌と酸素
に触れると死んでしまう嫌気性菌。

好気性菌たちは、酸素の豊富にある地上
にバァーッと広がった。

一方、嫌気性菌たちは酸素の届かない場
所で地味に生き延びていた。

どこかというと、海の底や岩石の中、さ
らに海底火山の火口付近。

ところが、嫌気性菌たちはある時、もう
一つ絶妙な場所を見つけたんです。

それが、動物の大腸の中。

ここは酸素が届かなくて、おまけに頼ま
なくてもいつでもエサが入ってくる。

もう、ホント楽。
引っ越ししなくていい。

嫌気性菌たちは原始地球と同じ環境を
見つけ、そこの住民になったのデス。

口の中でもムシ歯菌は酸素を好むので、
酸素のたくさんある歯の表面を見つけた
し、歯周病菌は酸素があるとイヤなので
酸素の比較的届かない歯ぐきの中を選ん
だ。

だから歯周病菌をある程度弱くするには
、歯ぐきの中に歯ブラシの毛先を入れて
酸素を送り込んでやることが必要なんで
す。

学会はパーティーみたいなもの?

学会パーティー

 

どこの世界でもあるように、歯科の世界
にも学会・懇親会と言うものがあります。

ワタクシ、若い頃は学会って、研究から
遠のいたワレワレ開業医が新しい知識・
技術や、今、最先端ではどんなことをや
っているのかを知るものだと思っていま
した。

でも年を重ねるにつれて、考えがだんだ
ん変わってきて、学会はパーティーみた
いなものなんじゃねぇの、と考えるよう
になりました。

パーティーは普段会わない人と会ったり
、話ができるチャンスです。

話すきっかけは積極的に自分でつくる。
パーティーに、誰とも話したくないと
思ってくる人はいません。

誰が誰に話しかけてもいいってのが、パ
ーティーのルール。

そうです。
学会という名前のもとに、主催者が同じ
目的をもった人を集めてくれるのです。

そこに行けば、会いたかった人に会え、
聞きたかったことも聞ける。

ところで、ある専門学会では毎年、ハワ
イで学会をするらしいんです。
それも年末~お正月にかけて。

その学会はいつも超満員。
空きが出ません。

それもそのハズ。

お正月前の学会は、先生たちも診療は
お休み。

ハワイの学会が終わった後、「さぁ、海
だ、観光だ、ゴルフだ!楽しむぞ!」と
みんな張り切る。

それに、なんたってその参加費が医院の
経費になりますもの。

学会と遊び、どっちがメインかわかった
もんじゃありません。

何で「美術」って必要なんだろうと思ったことがあった。

頭の中にある

 

昔、小さい頃、何で「美術」って必要な
んだろう、「音楽」って何で習うんだろ
うと思っていました。

算数や国語は生きていくために必要なの
は何となくわかる。
でも美術って、何で必要なんだろう。

それが最近何となくわかってきた。

「キレイだ」と思うことも大事だって
コト。

実は、ネアンデルタール人っていうのは
お肉、つまり「実なもの」が好きでした。

でも「実」だけ好きな者は結局、滅びま
した。

ワタクシたちホモサピエンスは、5万年
くらい前から明らかに「美」が好きで、
ビーズをものすごくたくさん作っていた
といいます。

こんな厳しいカンキョウの中でビーズを
たくさん作っても、何の役にも立たない
んじゃないか、そんなん、死んじゃうだ
ろうと思うものですが、ところが実際は
違った。

お肉が好きなネアンデルタール人の方が
先に滅んで、ビーズが好きなホモサピエ
ンスの方が生き残って、月まで行っちゃ
った。

これは何かというと、おそらく、ビーズ
に代表されるようなものを好む人間が、
生き残るために頭の中でいろいろ思いつ
き、まわりにまわって神とか国とかお金
とか他の動物たちが持ってないものを頭
の中で考え始めた。

そして作っちゃった。

キレイだとか不思議だとか、何かと交換
できるトカ。

これを持ったら強い。

集団の生き物ですから、これがアッとい
う間に地球上を支配したのだと考えると
、ネアンデルタール人のように「実」だ
けが大好きというんじゃなくて、「実の
ないもの」「ウソのもの」も必要なワケ
です。

教会や劇場があんなに立派な建物なのは
、「その中にいる神様や、お芝居はウソ
じゃないんですよ。信じて下さい。いる
んですよ。たとえいなくても必要なんで
すよ」と思わせているのだ。

 

教会や神社はストレスを消す装置?

教会の中

 

先日うちの奥さんが、卒業したカトリッ
ク系大学のチャペルコンサートに行って
きた。同級生と一緒に。

礼拝堂でクラッシクコンサートが行われ
たらしい。

教会とか神社って、フツーにしている
生活の「ウラ」みたいな気がします。

文化は解毒剤だとよく言われるけど、
都市が発達するといろんなストレスが
かかって、いろんなマイナス面が出て
きます。

たぶん、教会や神社はそれを消す装置。

文化って、ゴミ箱みたいな面もあるから
、都市生活の面倒なものを全部その中に
放り込んじゃう。

それが音楽や絵画なんかの催し物になっ
たりする。

脳ミソって面白くて、長い時間そのこと
を考えたり感じたりしていると、なぜか
どんどん現実感が強くなってきて、知ら
ないうちにそういう世界を作ってしまう。

ユーレイのことばかり考えていると、
ユーレイはその人の中に住みついちゃう
し、宇宙のことばかり考えていると、頭
の中も見る物全てが宇宙になってしまう。

神様のことばかり考えていると、その人
の中を神様が占領してしまう。

そして、変な現実が頭の中を占領してし
まうと、脳の中のバランスが悪くなって
しまう。

じゃあ、どうする?

仕方がないので、修正する方法は頭の中
に入ってくる全てのモノを変える。

たまにコンサートに行くのもいい。
木や山や空を見るのもイイ。

花鳥風月を見たら、ビルやアスファルト
や人間だけが全てじゃないよ、っていう
ことに気づくハズ。

ウイルスに限らず、いろんなものは変異するんです。

2本鎖のようなファスナー

 

もうワタクシの年では、同期や後輩たち
も出世して、教授になっていろんな大学
で活躍されている方々が多いんです。

今回、大学同窓会の記事に目を通してい
たら、後輩でうちの口腔微生物学教室の
教授になった先生が、ウイルスの変異に
ついてこう語っていました。

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ウイルスは変異しやすいと言いますが、
あらゆる生き物の核酸(DNAやRNA)は
化学的には同じモノなので、ウイルスの
核酸だけが変異するってワケではありま
せん。

では何で変異が起こるの?

答えは、ウイルスでは変異が生じた時に
そのままそれが修正されないことが多い
から、変異が起こるんです。

**************************************

ヒトや動物・植物・細菌はみな、2本鎖
のDNAをゲノム遺伝子として持っていま
す。

「ゲノム」って、親から子に生物学的な
特徴を伝える遺伝情報のこと。

でもウイルスの場合、1本鎖のDNAや
1本鎖のRNAがゲノム遺伝子になってい
る場合がある。

まぁ、仮にヒトの場合、2本鎖のうちの
1本のある部分の配列が何かの理由で失
われても、もう一方の鎖の情報をもとに
修復されます。

まぁ、チャックのファスナーのような
もの。
一方が壊れても、使っているうちに直る。

でもウイルスのようにゲノム遺伝子が1
本鎖の時、その遺伝子の一部が失われた
としたら、元の正しい配列がわからない
ので、適当な配列にされたり、離れたと
ころをただつないだりするということに
なる。

だから「修正されない」ため、変異が
起こる。

特に1本鎖のRNAウイルスは、変異が
起こりやすいのデス。

ちなみに、新型コロナウイルスはその
1本鎖RNAウイルス。

この変異はランダムに起こるので、実際
ウイルス自身が生き残れないこともあり
ますし、病原性が強くなるかもしれない
し、ワクチンが効かない変異かもしれま
せん。

今のところ問題になっているのが、新型
コロナウイルスの変異株のトゲの部分に
せっかくできた抗体が合わないかもしれ
ないということ。

まぁ、幸いにも、これまでの変異株につ
いては抗体が無効になるようなことはあ
まり起こってないようですが。

 

よみぃさん、コンサート中、突然ケイタイの音。「シですかね?」そして神対応。

 

あるピアノコンサート中に起こったハプ
ニングの話です。
ピアニストっていいなと思いました。

ピアノのクラシックコンサート演奏中、
ケイタイの着信音が突然鳴り始めた。

場内から突然「ピピッ」という音。

ピアニスト「(着信音?)」

楽譜を閉じた。

「(注意するかな?)」
音が止むか確認したが、中々鳴りやまな
い。

こちらからはごく小さな音に聞こえるけ
ど、このまま次の曲を弾いてしまうと
会場が不穏な空気包まれてしまう。
「(どうしよう・・・)」

 

ケイタイの着信音をメロディに取り入れたらどうだろう?

 

作曲家兼ピアニストなら、ピンチをチャ
ンスに変えられるか?と考えた末、
「シですかね?」
の一言。

携帯の音をピアノで再現。
この音を使って即興で作曲を始める。

随所に携帯の音をメロディとして入れる。
ケイタイの着信音を模倣したメロディ。

「もしもし」

その呼び出しに「もしもし」と応じるよ
うな情景を想像しながら曲を紡いでゆく。

ケイタイの音から作曲、大成功。

凍り付いた会場の空気を一変させる、お
見事な神対応。

演奏後は、発信音源のお客さんに「気に
しなくて大丈夫ですから」と、笑顔で優
しくフォロー。

ピアニスト「ありがとうございました」。

会場は大拍手の渦が客席に貼りついて、
いつまでもはがれない。

まぁ、こういうアドリブを活かすのがプ
ロですかね。

どんな場面でもピンチをチャンスに変え
る。それこそ才能、人柄デス。

ちなみにこのピアニストの名前は、ユー
チューバーのよみぃさんデス。

体の中でアセトアルデヒドという毒が病原体やウイルスを制しているという妄想。

     アセトアルデヒド前後

 

肝臓のことを調べていたら、「もしかし
て・・・?」という妄想が浮かびました。

お酒の強い体質には地域差があります。

アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ人は
お酒に強い人たちです。

逆に中国、日本、韓国などの東アジア人
はお酒に弱い。

高温多湿の地域での感染症で、そういう
体質になった。

だから欧米の人たちって、誰でも飲める
んです。

確かに彼らはワインを水のように飲んで
います。

アルコールは、まず①肝臓で分解されて
アセトアルデヒド(毒)になります。そ
してさらに②そのアセトアルデヒドは
分解されて、酢酸になります。

酢酸って、お酢のことです。これは無毒。

このように、肝臓は二段階処理をしてい
ます。

で、お酒に強いとは、この2番目の処置
をすばやく行い、その結果すぐにアセト
アルデヒドを酢酸に変えることができる
ということ。

まぁ、すぐ毒が消えるということ。

     アルコール
       ↓
   アセトアルデヒド(毒)
       ↓
     酢酸(無毒)

逆に、お酒に弱い人はこの2番目の処理
が遅く、その結果全身に回ったアセトア
ルデヒドという毒に長い時間さらされる
ことになる。

アセトアルデヒドはあえてすぐ分解しな
ければ、長い間体内に留まることができ
ます。

アセトアルデヒドというのは人にとって
毒なだけじゃなくて、病原体がカラダの
中で増えるのを抑えているんじゃないか。

カラダの中でアルコールから生じた毒を
もって、病原体という毒を制す。

新型コロナウイルスで欧米人の死亡数が
多いのに対して日本人の死亡数が少ない
のは、カラダの中ですばやく分解できな
いアセトアルデヒドという毒が、もしか
して何か役に立っているのかなぁと思い
ました。

血中にアセトアルデヒドが溜まりやすい
人が生き残ってきた。

まぁ、人類の長い歴史の中で何が自分た
ちに有利に働いたのかと考えたら、感染
症と戦ったことくらいしか思い浮かびま
せんもの。

将棋コンピューターのポナンザも最初は弱かった。

ポナンザ

 

昔、父親に将棋を教えてもらった時、
取った駒を自分のものにして再び使える
なんて、聞いたことがないすごいゲーム
だと思いました。

で、今でも「これをやっている人たちの
頭の中ってどうなってるんだろう」と
時々思う。

頭の中に宇宙が入ってるんじゃないかな。

将棋ロボット・ポナンザというのがあり
ます。

ある将棋部の大学生が作りました。

開発当初のポナンザは、とても弱かった。
コンピューターは頭が固いのですが、言
われたことはちゃんとやる、イイ子。

そのうち自分自身で知識を獲得していく
「機械学習」を教えると、ちゃんと自分
で学習するようになった。

キカイって、まぁ、人間の行動の一部を
マネできるので、「これは歯ブラシであ
る」というラベルを付けてやると、それ
をきちんと学習します。

その大学生、将棋プログラムを最初は
プロ棋士の一手ごとを記載したスコアの
ようなものから勉強させた。

指した理由はわからないけど、「プロが
指したのだからきっと最善手に違いない。
だから学習しなさい」という方法。

これが始まり。

その学生は、ポナンザにどうやって学習
したらいいのかプログラムにして教えた
だけでした。

ポナンザはやがて、人間では物理学的に
は指せないほどの試合をこなしました。

これは、圧倒的な経験値。
いわばデータの暴力。

コンピューターは一手を0.1秒で指すこと
もできるし、一試合、0.1秒で指すことも
できます。

そして、一気にトッププロのレベルを追
い抜きました。

強いのは十分わかった。
あとは人のサポートにまわってね。

ところで、将棋が強くなるかどうかは、
負けることの受け止め方次第です。

あの羽生さんでさえ、公式戦で3割は負
けます。

強くなったということは、たくさん負け
てきたということ。

これを勉強に例えれば、模擬テスト、中
間・期末テストをたくさん受けて、間違
ったところをやりっぱなしで逃げるんじ
ゃなくて、「わからないところがわかっ
た。本番でなくてよかった」と、何度も
理解できるまで繰り返すことです。

まぁ、穴のあいたバケツにいくら水を
入れても、ふさがない限り水は溜まりま
せんからねぇ。

 

銀歯をSet時に寝ちゃうのは、ノンレム睡眠です。

レム睡眠・ノンレム睡眠

 

銀歯をSetする時、7分ぐらい咬んでもら
っています。

疲れているのか、たまに眠られる患者さ
んもいます。気持ちよさそうに。

起こすの気の毒だなぁと思いながらも、
声をかける。

「口を開けて下さい」と言うと、口を
開ける。
でも、眠っていることは見ればわかる。

ヒトの睡眠には、ノンレム睡眠とレム
睡眠があります。

ノンレム睡眠は、「脳は眠っている状態
に近いけど、カラダはまだ起きている」。
まぁ、深い眠り。

レム睡眠は「脳は起きている状態に近い
けど、カラダは深く休んでいる」。
まぁ、浅い眠り。

だいたい、ノンレム→レム→ノンレム→
レム→ノンレム→レム→ノンレム→レム
を一晩に4~5回繰り返して、レムで朝
が来る。

オガワメモ

 

よく言われる“金縛り”は、間違ってレム
から入っちゃった。

レム睡眠中に起こる。

つまり、「脳は起きているけどカラダが
深く眠っているので、カラダは思うよう
に動かない」。

最初にドンと深い眠りに入ってしまう
(ノンレム睡眠)。

他の動物もみな一緒。

レムにいきなり行っちゃうと、これが
危険なんです。

カラダが動かないレムにいきなり行っち
ゃうと、突然襲われても動けない。

だから先に脳を休ませて、カラダは動け
る状態にしておかないと反射的に動かな
い。

で、大丈夫だなと思ったら、安心して
カラダが動かないレム睡眠に入る。

ですから、「口を開けて下さい」」とい
うと口を開けるのは、正しいノンレム睡
眠だ、とそんな理屈を考えながら、銀歯
のハミ出したセメントを取るんです。

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