2020年 10月 の投稿一覧

村上夏樹(仮名)の本のコト

ノルウェイの森

 

今年も村上夏樹(仮名)さんはノーベル
文学賞を取れませんでした。

今年もダメだった、というのが恒例行事
になっています。

彼は昔、ジャズバーを経営していたので
すが、何となく彼のやっていたバーがど
ういう感じか想像がつきます。

トイレはきちんと掃除してあって、使い
やすいように手を出したところにペーパ
ーホルダーがあるとか、スペアもしっか
り補充してあるとか、乾いたタオルが
ちゃんとかけてあるとか。

お客さんが不愉快な思いをしないように
、できることは全部きちんとやってある。

そういう気配りが村上さんの本にはあり
ます。

だからページを開いた瞬間に、「いらっ
しゃいませ」っていう声が聞こえる感じ
がする。

と、誰かが言っていました。

彼の本にはまぁ、常連客に対する目配せ
みたいなものが全くなくて、基本的には
初めての客でも同じサービスを提供して
くれそうな雰囲気を感じます。

ところで、本を読むのって、部屋のドア
を開ける感じに似ています。

ドアを開けた時に部屋の中は見えるけど
「その先」が見えないドアと、部屋の
向こうに別のドアが開いてて、その先に
広々と青空が見えるドアがあると思うん
ですけど。

ドアを開けると「その先」に続いている
次のドアが見える本だと、「ああ、この
本を読むとあっちへ抜けられるのだな」
ということがワカル。

論文を読んでいてつらいのは、部屋が
真っ暗でどこまで行っても先が見えず、
そのうちゴンと壁に突き当たって、「い
ったいオレはどこに向かっているのだ?
どこに出るのだ?」と出口がわからない
ことです。

「村上夏樹氏の本は、ドアを開けると
ドアの向こう側にドアがきちんと5㎝
くらい薄く開いていて、スキマから緑や
青空がチョット見える。『あっちへ行け
ばいいんだな』と出口がわかっているか
ら、寄り道して部屋の中でぐるぐる壁を
見たり書棚を眺めたり音楽を聴いたり、
必死に出口に行かなくてもいい」って、
これも誰かが言っていた。

とにかく彼の書く本は至れり尽くせりで
、親切なのだ。

でも親切だけじゃあ、ノーベル賞をもら
えないんだろうなぁ。

マニュアルどおりだと言葉が響かない。

 

ワタクシは歯医者をやっているので、
よく〇〇省とかから毎年毎月、同じ頃に
官僚の書いた文章が送られてきます。

それがいつもマニュアル通りの同じ文章。

アレは表層に留めて、逆に深く入っちゃ
あいけないように書いてアル。

だから読む気にならない。

問題の核心には触れないで、ひたすらカ
ニ歩きで横に歩く。

言葉だけは美辞麗句が並んでいるんだけ
ど、カンジンの問題にはたいして触れな
いという必殺技。

まぁ、能率や効率を考えたら同じにした
方がいいわけで、官僚的文体というのを
あれだけ多くの人が使っていることから
、たぶん着脱自由で使い勝手のいいツー
ルなのだろう。

ワタクシも気がついたら使っていた。

いくら丁寧な物言いでも、本人のカラダ
が話している内容に納得していないと、
必ずフラットな文章になる。
そして眠たくなる。

時々、歯医者の診療時間が終わって間も
なく、電話が鳴ります。

患者さんかなと思って受話器を取ると、
「もしもし、ナントカ不動産の〇〇と申
します。いつもお世話になっております。
今日は投資のご案内でお電話致しました。
お時間を5分少々いただけないでしょう
か。実は東京のナントカという駅に歩い
て5分の場所にナンチャラマンションが
できまして、いえそれが二度と出ないだ
ろうといわれる場所でありまして・・」
と、まだまだ続く。

あの口調は完全にフラット。

しゃべっている本人が自分の声を聞きた
くないし自分の話の内容に納得できてい
ないから、マニュアル通りには喋ってい
るんだけど、カラダの他の部分が共振し
ない。

いい声、響く声ってのは自分の言葉に
カラダが「おお、なかなかイイことを
言うではないか、オガワ君に一票。」と
後押ししてくれる。

そうなると声が割れて響いてくれる。
すると、じゃあ、何か聞いてみようかな
という気になるのだ。

適度の「笑顔」と「ゆるさ」が必要デス。

「澪つくし」

 

最近BSで、朝ドラ「澪つくし」の再放送
をやっています。

女優沢口靖子の伝説の朝ドラ。

「澪つくし」って、船が往来する時の
目印にするもので、多分「身を尽くし」
にかけているんでしょう。

千葉の銚子を舞台に、「入兆」という醤
油屋の旧家の娘と漁師の網元の長男との
純愛物語。

そこに根岸季衣演じる「ハマ」がいて、
この人がキツイ。

「入兆」の女中頭。

で、入兆には献身的に仕えているのです
が、それ以外の人々には無愛想ですごく
冷たい。

まぁ、この人がいないと入兆が引き締ま
らないのではありますが。

でも、歯科医院でこんなに無愛想でそば
にいるだけでもう空気の凍るような人が
いると、大変なことになってしまう。

みんな疲弊します。
それに、チームワークもバラバラになる
し。

逆に、気持ちのいい人は適度の「ゆるさ
」と「笑顔」を持っています。

まぁ、最近では誰もが仕事で「スキを
見せないようにしよう」とか「完璧にし
よう」とガンバル傾向がありますが、そ
れだけだと人間関係が息苦しくなっちゃ
う。

適度の「ゆるさ」が必要。
もうひとつ、「笑顔」も。

単純なことですが、仏頂面をしている人
には話しかけにくいけど、いつも笑顔の
人には話しかけやすい。

まぁ笑顔は人間関係の潤滑油で、時に
伝染しますしネ。

多少忙しくたって、笑顔のある職場は
ストレスもなくて、それに雰囲気もいい
のだ。

正直な人はかなり得しています。

正直者

 

数年おきに転勤している患者さんが
います。

その方は、転勤先に行くとまず、歯医者
さんを探すという。
歯のメンテナンスをするため。

この歯医者さんを探すというのが、どう
も難しいらしい。

どこへ行っても「あなたの歯は黄色味が
かかっているから、ホワイトニングをし
たらどうですか?」とか、「歯ぎしりが
強いので歯ぎしり防止装置をつけたらど
うですか?」とススメられる。

調子はたいして悪くないのに、必ずスス
メられる。

「もう嫌になっちゃう。正直に私にとっ
てのメリット・デメリットを言ってほし
い」トカ。

まぁ、先生の頭の中のマニュアルには
そう書いてあるのでしょう。

正直といえば、西洋のことわざにこうい
うのがあります。

「1日だけ幸せでいたいなら、床屋に
行け。1ヶ月だけ幸せでいたいなら、
結婚しろ。一生幸せでいたいなら、正直
でいることだ」。

正直な人は良好な人間関係だけでなく、
平穏な心も手に入れられます。

そして、正直な人は一瞬は損をすること
があっても、長い人生を通してはかなり
得をしています。

なぜなら、正直な人なら信頼できるため
安心して一緒にいられますから。

ヒトって、無イシキにこの人は危険なの
か安心できるのかを感じ取りますもの。

マスク掛けを付けた。

歯科ユニット

拡大写真

 

先日うちの奥さんに、「いい考えが
ある!」と言われました。

今はコロナ禍で、皆さん、マスクをして
おられます。

患者の皆さんは歯科ユニット(診療台)
に上がる直前までマスクをされています。

で、診療が始まる。

患者さん、マスクをどこに置こう?と
あたりをキョロキョロ見渡す。

置くところがないので、ポケットに
しまい込む。
あるいは、その辺に置く。

そこでうちの奥さん、考えた。

「歯科ユニットにマスク掛けを作ったら
どうかな?例えばマグネット付きフック
を使うトカ。」

それはいいアイデアだ。

早速、東友(仮称)のセリア(仮称)に
行き、マグネット付きフックを3つ買っ
てきて、ユニットに取り付けました。
(写真)

みんな気づいてくれるかなぁ。

患者さんはいろんな話を持ってきてくれる。

患者さん(イメージ)

 

歯医者をやっていると、いとんな人達と
関われます。

フツーの治療であればそうでもないんで
すけど、リコール、定期検診ともなれば
チョットだけ世間話ができる。

小・中学校くらいまでは1つのクラスの
中に様々なタイプの人間がいました。

でも、高校は学力別にバラバラとなり、
その途中から文系・理系に分かれ、大学
では学科別に専門がより細分化されます。

一人一人の個性に従って、生活のテリト
リーが分かれてゆくのデス。

自分が歯医者になってから、さらに世界
が狭くなりました。

周囲にいるのは同業の先生たち、スタッ
フ、技工士関係、薬屋、材料屋、修理屋
、保険屋、税理士、銀行等。

この中で話す内容と言えば、歯科に関係
するモノがほとんど。

でも患者さんは千差万別。

アリガタイことに、いろんな話を持って
きてくれます。

趣味の話、仕事の話、子育ての話、クラ
シックの話、60~70年代のアメリカン
ポップスの話、歴史、スポーツ、病気、
旅行の話。

最近では、新型コロナウイルスの話。
そして、一番多いのが昔話。

時々、そんな話の中に歯がおかしくなっ
た原因も見つかるんです。
問診しているワケじゃないんですケド。

「学びのスイッチ」が入ったら・・・

 

先日、犬に詳しい方がこんな話をして
いました。

「犬は自分よりも小さくて動いている
動物を見れば、今までご主人様にシッポ
を振ってたのが、あるいはダラダラして
いたのが、突然オフになって、そして
『ワン!ワン!』と吠えて追いかけ始め
る。」

本能の「捕食のスイッチ」が入ったの
デス。

それを訊いてワタクシ、ハハーン、それ
って『学びのスイッチ』と同じじゃない
?と思いました。

何かがキカッケで学びのスイッチが入れ
ば、たとえ今までグウタラしていても寝
てても、どんどん学びのモードに入り、
吸収し始めます。

きっと何かに気づいたのです。

最初の1回だけでイイ。

人生のある時点でこんな人に会ったとか
ちょっとスゴイ言葉を聞いたとか、それ
で学びのスイッチがONになれば、もう
止まることはないのデス。

「ネアンデルタール人の後だ。」

ネアンデルタール人

 

ある人が、「バカの壁」の本で有名な
「日本の知能」、養〇先生に聞きました。

「先生は何度も『我々は』と言っていま
すが、先生のいう『我々』とはいったい
何を指しているんですか?」

「ここにいる人達なのですか?それとも
日本人全体なのですか?」

養〇先生曰く、「ネアンデルタール人の
後の全てだ。」

「えっ?」

フツー『我々』といえば、どんなに広く
解釈しても、この世界に生きている人類
全体だろう。

ネアンデルタール人といえば、約40万
年前にヨーロッパに出現し、約2万数千
年前に絶滅した、いわば化石人類の一つ
で、一応ヒト属の呼び名です。

ヒトなのかサルなのか議論が分かれてい
ます。

ヒトがサルと違う特徴の一つは、葬式を
するかどうか。

で、ヒトはするけどサルはしない。

だからネアンデルタール人の人骨の近く
に葬式に関係するものが見つかれば、ネ
アンデルタール人はヒトだとういうこと
になる。

まぁ、そんな話は『我々』にはどうでも
いいことで、養〇先生が『我々』という
時は「ネアンデルタール人の後」からが
『我々』だと思っておけばイイ。

ブログ一覧