京都大学のある教授が言っていた、面白
い話があります。
その方、そばで有名な兵庫県の出石(い
ずし)に出かけられたそうで、そこの古
い旅館でまず女将さんが出てきてアイサ
ツしてくれた。
そのうち、女将さんのお母さんというお
ばあさんまで出てきた。
何しろ田舎なもんで、京大の偉い先生が
来たというのは、大事件。
そこでおばあさんは何と言ったか。
「先の大戦でうちの殿様がえらいご迷惑
をおかけしたそうで」と詫びる。
出石の殿様というのは、山名宗全。
応仁の乱の西軍の総大将です。
それで謝ったという話。
応仁の乱といったら、室町時代の1467年
に始まって、11年間も京都を戦乱の渦
に巻き込んだ戦い。
京都は第二次世界大戦の被害がほとんど
なかったので、街の大半が焼失した応仁
の乱こそが「先の大戦」なんでしょう。
古い土地に生きている地元の人たちは、
古い記憶をずっと持ち続けているのかな
ぁと思うのです。
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