ウイルスとワレワレは将棋をしているようなもの。

将棋は駒を奪い合うゲーム。そして、奪い取った駒を戦力として使う。

 

健康なヒトの人体には、少なくとも39種
類のウイルスが共存していることがわか
っています。

脳に8種、肺に9種、心臓に9種・・・。

そのほとんどが、ヘルペスウイルス。
まぁ、口の中によくできる、あの口内炎
のウイルス。
困ったヤツです。

ここでおもしろいのが、健康なヒトの中
から見つかっているということ。

ヘルペスウイルスってのはDNAウイルス
なので、実際カラダの中でタンパク質を
作っていることをイミします。

そして、カラダの中でウイルスは悪さを
するだけじゃなく、いい役割をしている
こともわかっています。

だから、もしかしたら今話題の新型コロ
ナウイルスも、何万年か後には新しいウ
イルス感染からワレワレを守ってくれる
かもしれないし、何か役に立つものを与
えてくれるかもしれません。

実際、1億6600年前、まだ恐竜が地上
を支配していた時代に、ワレワレの祖先
はまだ胎盤を持ってなくて、卵を産んで
たらしいのですが、そんな祖先がある日
一つのウイルスに感染しました。

それが、胎盤をつくるウイルス由来の
遺伝子(PEG10=ペグテンといいます)。

そこから祖先は卵を産まずにカラダの中
で子孫を育てるようになったらしい。

まぁ、胎盤の獲得。
ホ乳類の始まりです。

だからワレワレとウイルスは、一緒に
将棋をしているようなもの。

将棋って、相手の駒と自分の駒を奪い合
いながら王様を追い詰めるゲーム。

自分の陣地に進入した相手の駒を奪い取
ってしまえば、自分のコマとして使うこ
とができる。

まぁ、この奪い取ったコマがPEG10。

ホ乳類の祖先はウイルスが送り込んでき
た遺伝子を自分の子孫づくりに使うよう
になったのだ。

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