
中東のサウジアラビア・UAE
【続きです】
私はサウジアラビアとUAEの政府系フ
ァンドの投資戦略に目を通しました。
表面には「オイル時代後の生存戦略」
と書かれていました。最初のページを開
くと、中東諸国の悩みが赤裸々に綴られ
ていました。「石油はいつか尽きる。そ
の次を準備しなければワレワレは砂漠に
戻ることになる!」と。

サウジアラビアとUAEの政府系ファンドの投資戦略に目を通した。
次のページには投資パートナーの名前が
挙げられていました。アメリカ、ヨーロ
ッパ、中国そして日本。各国ごとに評価
が付けられていました。
「アメリカは技術は最高だが、プロジェ
クトの失敗が多い。政治的変数による契
約破棄のリスクあり。」

アメリカは技術は最高だが、プロジェクトの失敗が多い。契約破棄のリスクあり。
「ヨーロッパは高い人件費、遅い進行速
度、環境規則による遅延が頻発、中東の
特性への理解不足。」

ヨーロッパは高い人件費、遅い進行速度、中東の特異性への理解不足。
「中国は安価なコスト、早いスピード、
しかし品質問題が続発、アフタサービス
の不在、10年以内に再工事が必要。」

中国は安価なコスト、早いスピード、品質問題あり、アフターサービスの不在、10年以内に再工事が必要。
どの国も満足の行くものではなかったの
です。そして、日本の項目を読みました
。
「日本は完成率99%、納期遵守率96%、
砂漠・海岸・山岳の地形での施行経験保
有、50年にわたる中東プロジェクトでの
無事故・完成記録」その下に赤い字でこ
う書かれていました。「日本は技術では
なく、完成させた経験を売っている。」

日本は完成率99%、納期遵守率96%、砂漠・海岸・山岳の地形での施行経験保有、50年の中東プロジェクトでの無事故・完成記録。
完成させた経験、それは正確な表現でし
た。中東が日本から買っていたのは建物
や工場ではありませんでした。最後まで
やり遂げるという信頼でした。砂漠の真
ん中に都市を築き、海の上に人工島を造
り、何もない場所に空港を完成させた
経験、それを中東は買おうとしていたの
です。

中東は日本の「信頼」を買おうとしたのです。
次のページには具体的な項目が並べられ
ていました。サウジアラビアの未来都市
プロジェクト、バカラ原子力発電所、カ
タールのワールドカップスタジアムまで
全ての核心プロジェクトに日本が関わっ
ていました。

サウジアラビアの未来都市プロジェクト・バカラ原子力発電所などの核心プロジェクトに日本が関わっていました。
「ワレワレは日本を下請け業者ではなく
、生存のためのパートナーとして見てい
る。」王族たちは愚かではありません。
オイルマネーで数十年、世界を経験して
きました。彼らが日本を選んだ理由は明
確でした。

ワレワレは日本を下請け業者ではなくて、生存のためのパートナーとして見ている。
「アメリカとヨーロッパは約束をし、中
国は早く終わらせるが、日本は《きちん
》と終わらせる。石油で稼いだ金を未来
に変えることが出来るのは日本だけだ!
」中東は日本無しでは、石油後の時代を
準備できなかったのです。彼らの未来全
体が日本というパートナーにかかってい
ました。

日本はきちんと終わらせる。石油で稼いだ金を未来に変えることが出来るのは日本だけだ!
日本はモノを売っているのではありませ
ん。未来を創り出していたのです。それ
も他の国が失敗した場所で成功しながら
。中東が日本に託したのは工事ではなく
て、国家の運命でした。この国にどうや
って圧力を掛けることが出来るでしょう
か?できるはずがありません。

中東が日本に託したのは工事ではなくて、国家の運命でした。
【続く】