
先日、ある御高齢の男性の方(91歳)が
突然来院されました。「この辺で歯医者
さんを探しているのだが、むかし通って
いて確かこの辺だったんだが・・・。」

(うちのスタッフ)
「何て言う歯医者さんでした?」「何っ
て言ったかなあ?確かこの辺の1階にあ
って、その先生、最近亡くなったんだよ
。」ああでもない、こうでもない、とス
タッフが心当たりのある近くの歯医者さ
んを探したのですが、全部違うと言う。
困って「どこかお口の中、調子悪いんで
すか?」と尋ねると、「上下の総入れ歯
がちょっと合わないんだよ。痛くはない
んだが・・・。」

「もし困っていらっしゃるのなら、うち
で良かったらで診ましょうか?」と言う
と、「保険証を持って来ていない。」と言
う。「じゃあ、申し訳ありませんが、こ
の問診票に記入して頂いて、明日のお昼
の12時に保険証を持っていらして下さい
。」ということになって、その日はうち
の診察券を持って帰られました。

1時間くらいして、受付に1本の電話があ
りました。「先程、そちらに伺った○○の
家の者です。うちのおじいちゃんがそち
らにかかったと思うんですが、変なこと
を言いませんでした?実は認知症なんで
す。《ちょっと髪を切って来る!》と言
って外出したんですが、髪は切らずに歯
医者さんの診察券を持って帰って来たん
です。それでお電話致しました。申し訳
ありませんが、明日の予約をキャンセル
して頂けませんか?」というものでした
。

何か話がかちあわないと思っていたけど
、なるほどそういうことだったのか。つ
まり、こういうことだ。

真相はこうだ!
おじいちゃんが髪を切りに行って来ると
言って外出したんだけど、歩いているう
ちに「いったい、わしは何しにどこへ行
くんだろう?」と忘れちゃって、歩いて
いるうちに目の前にうちの歯医者さんが
目に留まりで「あっ、そうか!わしは入
れ歯を調整しに行くのだ!」ということ
になり、うちの歯科医院に来たわけだ。
本来、髪を切るハズだったのが、どこか
で記憶の糸が、歯の治療に置きかわった
のだ。

そういえば、7,8年前にまるやまファミ
リー歯科の2件隣側に床屋さんがあった
なあ。その床屋さん、御高齢で亡くなっ
ちゃって店を畳んじゃった。そこに髪を
切りに行こうとしたら床屋さんが見つか
らなくて、代わりにうちの歯医者さんが
目に留まったってわけだ。

2軒隣の床屋さんは御高齢で亡くなっちゃった
そこで「いったい、わしは何しに来たん
だろう?そうか、歯医者さんで入れ歯を
治しに来たのだ!」と記憶の糸が置き換
わっちゃった。
何とも微笑ましい出来事でした。