死体は武器になる。

(イメージ)解剖の先生の養老孔子(仮名)さんが言っていました。

「死体は武器になる」と。

ある時、教室にヤクザが乗り込んできました。

ヤクザはなかなか帰ろうとしない。

養老先生、しょうがないから別の部屋に行って何やら持ってきた。

そして机の上に「ドン!!」と放り出した。

それは、解剖中の人体標本の手。

ヤクザはビックリして退散しました。

ああいうのを出されると、人間というのはガクッときて対応できなくなります。

突然身体の一部が目の前に出されるという状態は、彼らの行動パターンに入っていませんからねぇ。

世間の文脈というのは、生きた人間にあるのです。

そこに死んだ人間のモノが出てきたら、文脈がガラリと変わって違うものになってしまう。

「ボクはねぇ、ヤクザの弱点は経験的にわかっている。だから死体というのは武器になるんです。」

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