将棋編『6月に用事が出来て、東京へ行くんだけど、旅費出してくんない?』

2025年春季・全道大学将棋対抗戦優勝のH大

一人暮らしをしているうちのチビスケが
、春季の全道大学対抗将棋大会で団体戦
と個人戦で、どうやら2冠を取ったらし
い。本人からは何~んにも聞いていない
んだけど、わかったんですよ。
何でわかったかと言うと、

突然、『6月に東京へ行って来る!』と言う

『6月に用事が出来て、東京に行くんだ
けど、旅費出してくんない?』と言うメ
ールが、突然届いたんです。
『何しに行くの?』と訊くと
『将棋。』
『行かなきゃいけないの?』
『ああ、まあ、うん。』
と相変わらず煮え切らない返事。

『6月に東京に行く用事ができた!』

もっと詳しく話を聞いてみると、どうや
ら全国大学将棋名人戦の北海道地区の代
表に選ばれたらしいんです。
更にもっと突っ込んで話を聞いてみると
ゴールデンウィーク中にあった春の全道
大学対抗将棋大会で、うちのチビスケ、
団体戦と個人戦で2冠を取ったって言う
じゃありませんか。

2冠とったらしい

『何?それ?すごいじゃない!』
『何でそんな大切なことを、もっと先に
言わないの?そんなめでたい話なら、い
くらでも旅費出してやるよ!お祝いもし
なくちゃ!』とまあ、こんな調子です。

『お祝いもしないくちゃ!』

個人戦は2025年の6月東京で、団体戦は
9月にこちらも東京であるんだトカ。

彼が面白いことを言っていた。『オレは
対戦相手のことは何も知らないのに、相
手はオレのことをよく知ってんだよなあ
。対戦前、みんなオレに、’お手柔らかに
お願いします’って言うんだ!何でだ?』

有名人

『そりゃあ、オマエはその世界では有名
人なんだよ。高校生の時、全国大会に行
ってんだろ!16歳の時、道新にもシリー
ズでオマエの将棋が1週間、掲載された
じゃん!

実は、2021年の9月、チビスケが16歳の時、全道将棋選手権で、ベスト4決定戦の様子を道新の将棋記者に実況中継してもらった。

それに去年の全国大学王座決定戦で3勝
もあげたし、オマエ、マークされてんだ
よ。みんなに知られているというこは、
オマエに価値があるってことなんだ。
スゴイことなんだぜ。』

2025年春季・個人戦トーナメント表・結果

ところで、今度6月に東京である全国学
生将棋名人戦ってのは、北海道地区はう
ちのチビスケと後輩の小西君をいれて
3人、関東6人、関西5人、九州3人、北信
越、中四国、中部、東北、全部で計32人
のツワモノ達が学生日本一をかけて闘う
、大学生将棋士のトップ争い。関東・関
西地区のレベルが相当高いので、北海道
地区を含む地方勢がその中に割って入れ
るかが焦点。うちのチビスケもツワモノ
どもに揉まれて、いい将棋を指してくれ
ばいい。

後輩の小西君(左)とうちのチビスケ(右)が全国学生将棋名人戦にでるコトになった。

ところで、どうやら高校時代、札幌で腕
を競い合った連中が少なくとも3人は出
るらしい。
行った先は違うけど、みんな置かれた場
所で頑張っています。高校生の時、腕を
競い合った昔の仲間たちが、全国大会で
また出会えるなんて、そうそうないもん
です。これが青春。濃いけど短い。振り
返った時に初めて気ずく。近況を報告し
合うといい。

高校生の時に腕を競い合った仲間に全国大会でまた会える。また、うれしからずや。

 (まあ多少、話を盛ってあります)

2025全国大学将棋名人戦の地方予選を勝ち抜いた32人のツワモノの皆さん、おめでとうございます。

ホモ・サピエンスは、火を使って武器・防具・土地・時間を手に入れた(下)

 

     【続きです】

火を使う前の人類は毎日5時間くらい獲
物を探して、次に咬んで咀嚼するのに
5時間、次に消化する為に5時間ダラダ
ラしてなきゃいけなかった。食うだけ
で1日15時間かかる、じゃあ残りの10時
間、もう寝る時間ですから、動物園で
モノを食ったサルがダラダラしているの
は、まああの通りなんですよ。だからメ
スを獲るために戦うっていうのは、1日、
1時間か2時間くらいしか使えないんです
よ。それくらい腸ってのはエネルギーを
必要とするんですよ。

火を使う前の人類は、1日中ダラダラして過ごす

ある日、火を使うようになった。すると
行動範囲が広がる。火を使えば、肉食獣
、まあボクらを襲うような捕食専門な肉
食獣もボクらには近ずかないんですよ。

火を使えばライオンから身を守ることがデキル

おまけにそれまで食べれなかった高カロ
リーな食材が簡単に食えるようになる。
森を焼いてカンキョウも変化させること
もデキル。まあ、カンキョウをコントロ
ールする力を持ってしまったということ
です。

森を焼いて、カンキョウをコントロールできる

さらに咬む時間と消化する時間、合計10
時間の必要もなくなった。ヒトは火を使
うことで、武器と防具、土地と時間とい
うものを全部手に入れた。

ヒトは火を使うことで、咬む時間、消化する時間、武器、防具、土地、時間などすべてを手に入れた。

30万年くらい前に火が使えるようになっ
て、20万年くらいやってたら、進化とい
うものは人類にいろんな方向性を与え出
した。

モ・ネアンデルタール人、彼らはホモ
・サピエンスより大きな脳とかスゴイ運
動機能とか体力が与えられたので、単体
で勝負したら、ボクらは勝てないんです
よ。

ネアンデルタール人はホモ・サピエンスよりも大きな脳とかスゴイ運動機能、体力を持っていた。

あとインドネシアのジャワ島辺りにいた
ホモ・フローレシエンシス、こいつら体
長1メートルくらいしかないので、体重
25㎏で小型化の方向に進化しました。

ジャワ島付近にいたホモ・フローレシエンシスは体長1メートル・体重25㎏で、小型化の方向に進化した。

だいたい30万年前に人類が火を得てから
大まかな別れが始まりました。
何でホモ・サピエンスだけが残ったのか
と言うと、実はホモ・サピエンス種には
特徴があって、臭いに敏感なんですよ。

ホモ・サピエンスは自分たちの種族と違う臭いを極端に嫌った。

自分たちの種族と違う臭いを極端に嫌う
というのがボクたちホモ・サピエンスの
特徴で、だからネアンデルタール人とか
エレクトスは10万年前に既に違う臭いを
持っていたので『敵として、排除せよ!
』っていう信号がどうやらボクたちの中
で生まれたらしいんですよ。その話は今
度また。

       おしまい

 

ホモ・サピエンスは、火を使うことで行動範囲を広げた(中)

 

      【続きです】

チンパンジーって人類と祖先を同じにし
ているヤツらなんですが、あいつらは動
物園で見ていると、1日中ダラダラして
います。動物園に閉じ込められていれば
何もすることが無いからダラダラしてる
んじゃねえ?と思っちゃうんですが、違
うんですよ。

動物園のチンパンジーはダラダラしている

彼らは昔から森の中にいても、1日中ダラ
ダラしてるんですよ。なぜかと言うと、
チンパンジーは生の食材を食べる。生の
ドングリとか生の肉とか。1日24時間で
彼らは5時間咬まなければなりません。
消化する為に1日5時間咬む。そのため腸
が物凄く長くなる。

チンパンジーは森の中にいてもダラダラしている。

ところが、食材に火を通せば食事の時間
が極端に短くなる。ホモ・サピエンスの
主食となる穀類も火で調理すれば、短時
間で消化できるようになる。それに火で
調理すると食材の中に入っている寄生虫
や病原菌も一応退治できるわけですよ。
スゴイんですよ、火ってヤツは。

火で調理すると食材の中に入っている寄生虫や病原体も一応退治できる。

火で調理した食材を食べるとどうなるか
?消化が早いんですよ。なので、長い腸
はいらない。腸がだんだん短くなってい
くんですよ。火を使うと、腸がだんだん
短くなっていく。

火を使っているとだんだん腸が短くなっていく

人類の巨大な脳はエネルギーを物凄く使
うし、腸も消化するためにエネルギーを
物凄く使う。だから腸が短くなるだけで
、その分、脳にエネルギーがプラスされ
て、人類は行動範囲が物凄く広がっちゃ
った。

腸の消化するエネルギーが少なくなるので、脳の使えるエネルギーが増え、人類は行動範囲が広がっちゃった

    【またまた、続きます】

ホモ・サピエンスは、道具の次に火を発見した(上)

ホモ・サピエンス

人類は600万年くらい前にサルから枝
分かれして類人猿になりました。そし
て250万年位前に人類に進化しました。
人類って言うのは、ホモ・何チャラと
いう奴らで、そういうのがバババッ!
と出て来た。

ホモ・ネアンデルタール人

大きな事件としては、そのうちかなり
の数、ホモ・サピエンスだけじゃない
んですけど、ホモ・ネアンデルタール
人もホモ・エレクトスも石器みたいな
道具が使えました。そのうち、火を発
見して使うようになった。だから火を
使えたのはホモ・サピエンスだけじゃ
!とか言っているのはアレ、間違でし
た。

昔から教科書に載っている上の絵・図はどうも間違いらしい。

250万年前になると、いろんな人類が
いっせいにバアッ!と出て来たんだけど
、全て脳が大きかったし、石器文明をみ
んな持っていたので、道具も使えた。火
の発見は170~20万年前。

250万年前になると、ホモ・何チャラというのがバババッ!と出て来た。

じゃあ火が発見されるまで人類は一体何
をしていたかと言うと、何もしていませ
んでした。脳が大きくて石器が使えてそ
れでもみんなでダラダラと生きていた。
狩りで捕まえると言っても、主に虫とか
そんなのばっか。あとは動物の死骸とか
木の実、キノコなんかも食っていた。食
物連鎖で言えば、中の下か真ん中あたり
の地味な生物でした。

火が発見されるまで、脳が大きいだけで、石器を使って、ダラダラ生きていた。

ところが、火が使えるようになった。こ
れが大きな変化なんですよ。火を使った
のが170~20万年前だと何でわかるのか
と言うと、火を使う種族はドンドン腸が
短くなっていく傾向があるんですよ。

火を使うと、腸の消化が早くなり、長い腸は必要なくなった。だから腸がだんだん短くなった

火はスゴイんですよ。火は発明じゃなく
て、発見なんですけど、まずライオンな
んかの捕食獣。人類はこれに対しては殆
ど対抗策がなかったんですが、火を使え
ば追っ払うことが出来ることを知った。

火を使えば、ライオンなんかの捕食獣も追っ払うことが出来た。

あと、森とか茂みを焼き払うことができ
る。焼け払った森の中には焼けたドング
リとかいろんな食べられるものが落ちて
いるんですよ。おまけに茂みとか通れな
かった部分を近道にして通ることができ
る。

火を使えば、森や茂みを焼き払うことが出来て、焼けたドングリも食べるコトができ、土地も手に入った。

火を使うというのは、今でこそ当たり前
のことですが、当時は画期的な出来事だ
ったんですよ。何よりも大きかったのが
、食べれなかったものが食べれるように
なったこと。大きくて食べにくかったも
のが食べれるようになったんですよ。

火を使えば、大きいものでも食べれるようになり、腐ったものでも何とかなり、寄生虫・病原菌も死滅して腹を壊さなくなった。

 

        【続く】

1に国語、2に国語、3,4がなくて5に国語(後半)

 

福沢諭吉

   【続きです】

『学問のすすめ』にも書いてあります
が、その人が充実したイイ人生を歩める
かどうかは、勉強するかしないかにかか
っていると、と福沢諭吉先生はおっしゃ
ってオル。勉強する人間は必ずイイ人生
を歩むのだと。

『いい人生だった!』

どんなに裕福でどんなに金があって、ど
んなに地頭が良くても、勉強をおろそか
にしていたら、イイ人生を送れないと。
だから、親がどうだとか、生まれた場所
がどうでとか、自分のカラダがどうのこ
うのとか関係ない。勉強するかしないか
で決まる。

吉田松陰

吉田松陰先生もおっしゃってオル。
『1に国語、2に国語、3,4がなくて
5に国語』
この本欲しいと言ったら、必ず買ってあ
げる。どんな本でもイイ。エロ本でもい
い。そのうち飽きる。でも買うからには
必ず読みなさいと。そして読んだ本がど
んな本だったか教えてねって言うんです

どんな本でも欲しければ買ってあげる

そうすると、お父さん、お母さんに教え
なきゃと思うと、読み方が変わるわけで
すよ。自分が理解するだけの読み方だっ
たら、軽い読み方でいいんですけど、誰
かに説明するつもりで読むと、しっかり
読むんですよ。

まあ、本を読んでる時は打ち切らない。
『ご飯が醒めるよ!』と、親の都合もあ
るから本を中断させてでも食え!と言い
たいところですが、読み終わるまでは、
ここはグッとこらえる。せっかく読んで
くれているんだから。

数学の問題、読んでも意味わかんねぇ!

昔、数学のセンセが言っておったんです
が、数学を教えてても教科書読まない子
が多い。彼らに言わせると『読んでもわ
からないらしいんです。つまり、学年相
当の国語力が身についていないというコ
ト。

どこでも見かける『公文』の空色の看板

そう言われてみると、やはり国語力か。
小さい頃から英語塾に行かせるよりも、
その辺にある空色の看板の『公文』で
国語力を磨いたほうがいいんじゃない
かな。

1に国語、2に国語、3,4がなくて5に国語(前半)

 まるやまファミリー歯科の待合室の本棚

うちの歯医者に来ている子ども達を小さ
い頃から見ていると、待合室で『桃太
郎』とか『浦島太郎』といった昔話の
絵本を、お母さんの膝の中で読んで貰っ
ています。1歳とか2歳の頃。イイことし
てんなあと思う。この辺りの子供たちは
結構、学力が高い。お母さん達の学力が
高いのか。

『桃太郎』の本を読んでもらう

ワタクシが思うに子供たちが勉強できる
ようになる為に親がヤルベキことは本好
きにさせるコト。本を読むようになると
自然に勉強できるようになります。

まあ、いろんな世の中の先生達が言って
ますけど、『勉強できる子とできない子
の違いは、基本、日本語能力。日本語能
力を高めると、すべての科目の力が上が
るって言うんです。

日本語学習の時間が削られる

話によると、小学校では英語を教えます
、プログラミングを教えます、という。
その分、どこを削ったかというのはあま
り話題にならないんですよ。実は日本語
の学習時間を削ってるんです。日本人だ
から日本語できるでしょ!国語チョット
くらい減らしても大丈夫でしょ!って。

でも、ちょっとその辺が心配。
どうしたら国語能力が高まる?って話で
すが、本を読んで、読んで、読みまくる
んですよ。本を好きになることです。
本を読むことの面白さを知ってもらうこ
とです。

子供って面白いことが大好き!

子供って面白いことが大好きでしょう。
もう寝なさい、っと言っても、ちょっと
待って!読み終わるまで待って!
プチっと照明を落とすと観念したのか、
何やら、布団の中に懐中電灯を入れて読
んでオル。なんでワカルのかって言うと
、布団の中から何やらクスクス笑い声が
聞こえますもん!

耳を澄ますとクスクス笑い声が聞こえる

楽しいーんだろうなと思う。

        【続く】

京都をピカピカに光らせておく。

京都

明治時代になるまでは、ほとんど天皇は
京都におられました。
というか、天皇のおられる所が中心部。
地方に行く役人や領主は、だいたいが都
落ちした人たちなので、まぁ彼らは教養
もあって、京都に憧れている人たち。
だから、機会があればいつかはまた京都
へと機会を伺ってオル。

『いつか、京の都に帰って来るからな。待ってろよ!』

で、朝廷や天皇が彼らに「京都に戻って
来ないか」と一声かければ、京都にすぐ
来る。いわば朝廷の傭兵。
だから常備軍とたいして変わらない。
この常備軍のいいところは、コストがほ
とんどかからないコトです。人件費は地
方の上りで何とか賄えますからねぇ。

京の都に帰りたい傭兵にはコストがかからない

まぁ、天皇のおられる京都をピカピカに
光らせておけば、文化でも経済でも軍事
でもすべてが京都に集まるようになる。
今はそれが東京ですが。
天皇もおられることですし。

京都をピカピカに光らせておけば、人が集まって来る。

「太平記」に書いてあったんだけど、
室町時代、新田義貞、この人鎌倉幕府を
滅ぼしたことで有名なんですが、この人
が後醍醐天皇に仕える女たちの一人(勾
当内侍)をチラつかされて、腑抜けにな
ってしまった。

新田義貞は鎌倉幕府を滅ぼしたんだけど、後醍醐天皇に女で腑抜けにされた。

そして惚れ抜いた彼女を下げ渡されて、
京都に住む後醍醐天皇の忠実な家来に。
ゴダイゴさん、ほんとにひどいなぁと
思う。美女の姿をエサにして武力を味方
につけてしまうんだもの。この女の人、
ピカピカに光っていたんだろうな。

後醍醐天皇は女で新田義貞を腑抜けにし、コストをかけずに忠実な家臣にした。

これと似たような話が中世ヨーロッパに
もあって、コレ、騎士が領主の奥さんに
実らぬ思いを寄せるってヤツ。まぁ恋愛
文学の王道。でもよく考えてみれば、妻
は領主が騎士たちを引き付けるエサ。

シルバーランドの王妃様(『リボンの騎士』より)

それではまさに、あのチョウチンアンコ
ウのチョウチンではないか。であれば、
スゴイ高等戦術。

チョウチンアンコウはチョウチンの先っぽをピカピカに光らせておいて、獲物を集める。

領主たちは武力を高めるためには美人の
妻をもらわないといけないということだ
。やはり妻はピカピカに光らせておかな
ければなりません。

領主たちは武力を高める為に美人の妻を貰わなければなりません。妻はピカピカに光らせておくに限ります。

 

アクアポリン・細胞は自分が動く時に水を使う(下)

アクアポリンは水の門番。その穴を使い水を取り込む事によって、いろんな仕事をするんです

    【またまた、続きです】

人間ではそんなフィルター構造は絶対に
作れません。細胞ってのは積極的にその
穴を使って水を取り込むことで、いろん
な仕事をしていたんです。周りにいっぱ
い水がありましたからねえ。で、ほとん
ど全ての細胞にアクアポリンが存在して
いることがわかったんですよ。

ほとんど全ての細胞にアクアポリンが存在する

水だけ?って言われるとそうじゃなくて
、水以外のグリセロールとか過酸化水素
などを通すアクアポリンも見つかってい
ます。

細胞が動くということですが、どういう
局面かと言うと、例えば、皮膚のキズっ
てのが1つあります。あとカラダの中で一
番動くのは免疫細胞。その免疫細胞にも
アクアポリンが発現しています。

さあ、ヒフの傷を治すぞ!

動く時って、水を前から飲んで後ろから
出す。駆動力があるんですよ。まあ、分
かりやすく言えば、浸透圧エンジン。
その浸透圧エンジンを使って、細胞は行
きたい所に動く。行きたい方向が決まっ
たら、アクアポリンは細胞の周り全体や
、細胞の中に存在することが多いんです
が、こちらに動くな!って思った時には
一斉に、動く方向の先端にアクアポリン
が移動する。まあ、穴が動くんですよ。
穴自体を移動させる、スゴイことをやっ
てるんですよ。

浸透圧エンジン

ワタクシ、傷が治るときには細胞が増え
て、傷が埋まる、って思っていましたが
、細胞が増えるんじゃなくて、細胞が移
動して、傷が修復されるんですよ。動き
始めた細胞たちは、後ろに控えている細
胞たちに、増えてくれって言うシグナル
を送っている。動きながら、更に後ろに
控えている細胞たちに、『ヨロシク!』っ
て言う感じで増殖も促す。

『こちらに動くな!』って思った時には、一斉に動く方向の先端にアクアポリンの穴を移動させる

まあ、新人細胞も行きますが、古参の細
胞も行きますってことですな。

       おしまい

 

アクアポリン・細胞は自分が動く時、水を使う(中)

細胞が動く

     【続きです】

例えば、ヒフの細胞が傷ついた時、その
傷を埋めるために、正常なところから傷
を塞ごうとして、細胞が動くんですよ。
細胞が動くということは、細胞が傷つい
た部分を覆うように動くこと。この動き
を生みだしているのがアクアポリン。細
胞の片側からアクアポリンを通して水を
入れ、反対側から出すことで、細胞を動
かす動力源としている。

細胞の片側からアクアポリンを通して水を入れ、反対側から出すことで、細胞を動かす。

例えば、左へ動こうとする時、左側を平
にしながら水を取り込み、それを後ろか
ら出すために、狭い場所に潜り込むよう
に動く。形を変えながら動く。
まあ、これは水を取り込んでジェット。
『バアッ!』と出して動く。しかも1秒間
に30億個の水が出入りする。たぶんそれ
が一番ムダのないやり方。ワレワレ全て
の細胞がこういうことをしている。

細胞が左に動こうとする時には、左側を平にしながら水を取り込み、それを狭い後ろから、『バァッ!』と出す。

アクアポリンというのは、細胞膜に貫通
するように埋まっているタンパク質で、
非常に狭い穴があいています。例えば、
最初に見つかったアクアポリン1という
のは、その穴の大きさが3Å(オングスロ
ーム)だと言われています。

*1Å=100億m分の1。

アクアポリン1の穴の大きさは3Å。それに対して水の大きさは2,8Å。ギリギリ水が通れる穴

水ってのはH2Oでこれの端から端まで
2,8Å。つまりアクアポリンの穴ってのは
水しか通せない大きさで、ギリギリ水が
通れる穴なんですよ。水素結合を壁と上
手く作ることで、水は通れるけど、水以
外は通れないような構造なんです。

       【続く】

アクアポリン(水の穴)・細胞は自分が動く時、水を使う(上)

どこにでもある水の話です。ヒトのカラ
ダにある水の3分の2は細胞の中の水。
細胞は水で満たされているんです。細胞
核の中でDNAが動くことができるのも水
があるから。

ところで、アクアポリン(水の穴)という
言葉があって、まあ、これは細胞を操る
水の門番みたいなもの。このアクアポリ
ンを見つけたのが、アメリカの化学者ピ
ーター・アクレ博士。その発見で2003年
、ノーベル化学賞を受賞しました。

アクアポリンは水だけが通れます。

アクアポリンはどんなものかと言うと、
コレ、細胞膜に存在して、膜に組み込ま
れているタンパク質。それが水分子H2O
を選択的に通す穴を形成しているんです
まあ、アクアポリンは細胞膜に存在する
扉のようなタンパク質。細胞の中に水を
取り込んだり、水を出したりすることで
、細胞の水の量を調節しているんです。

アクアポリンは細胞膜に組み込まれているタンパク質(オガワ工房)

水分子だけが通れる小さな穴があり、そ
こを1秒間に30億の水分子が通過してい
るんですよ。アクアポリンは、ほぼどこ
にでもあって、進化の過程でもバクテリ
ア(細菌)のころからあるんです。植物の
中にもたくさんあります。地球上の生物
のほとんどにあります。

アクアポリンは水分子だけが通れる小さな穴

例えば、このアクアポリン、ケガを治す
時にも重要な働きをするらしいんですよ

       【続く】

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