カエルはどうやって水を飲んでいる?

アクアポリンは細胞膜の中にあるタンパ
ク質でできた穴で、まあ水の番人。そこ
を通って水が出たり入ったりしています。

カエルが水を飲んだの見たことある?と
、うちのスタッフに質問すると、そう言
えばそんなの、見たコトない、という答
えが返ってきます。それもそのはず、カ
エルはほとんど口から水を飲まないです
からねえ。

カエルの半身浴

アマガエルの足元に水を注いでやると、
なぜか徐々に水が減っていく。これはア
マガエルが下腹部にあるアクアポリンか
ら水を吸収しているからです。カエルは
半身浴をしますけど、浸かってない上の
方にはあまりアクアポリンが出てないん
ですよ。水に浸っている半身浴の部分に
沢山、アクアポリンがあるんです。そこ
からカラダの中に自然に水を取り込む。
両生類は水のある環境を上手に利用して
ますね。

ワタクシの故郷・府中市も河川のほとりにできた町なんですよ。(写真の上方が瀬戸内海・もっと奥が四国)

鳥類とか哺乳類はわざわざ水を探しに行
って、口からその探し当てた水を取り込
まなくてはなりません。飛行機に乗った
時、窓から下の景色を見ると、川の流れ
に沿って、見事に集落ができています。
哺乳類である人は水のそばに住まなくて
はいけないんですね。

ホモ・サピエンスは言葉を進化させて、他の種族を絶滅させたらしい(後半)

ホモ・サピエンスは『ワレワレにはライオンを倒したリーダーがいる。彼に従おう!エイエイオー!ワレワレは他の部族よりも強いぞ!』というふうに、ドンドン言葉を繋いで文脈が増えていき、それをみんなで一緒に共感するようになった。

         【続きです】

『気をつけろ、ワシだ!』というサバン
ナモンキーの鳴き声を録音して野生のサ
バンナモンキーに聴かせると全員いっせ
いに上を向くんです。全サバンナモンキ
ーは同じ共通言語がわかるんです。単文
に限られますが。

『気をつけろ、ワシだ!』というとサバンナモンキーはいっせいに上を向く。

じゃあ、サバンナモンキーとホモ・サピ
エンスは何が違ったのか?7万年前、ホ
モ・サピエンスに遺伝子の突然変異が起
こった。脳内配線が変ったんです。言葉
の使い方が変わっちゃった。

全サバンナモンキーは単文だけ理解できる

言葉自体はイルカでもサルでもイヌでも
ネコでもサバンナモンキーでも持ってる
んですが、ただその使い方がガラッと変
わった。これを『サピエンス全史』では
認知革命と呼んでいます。

ホモ・サピエンスにある日認知革命が起こった

例えば、サバンナモンキーは『気をつけ
ろ、ライオンだ!』って言うことは出来
るんだけど、『大丈夫だ!ライオンはもう
いない。』って言うことはできない。

サバンナモンキーは『気をつけろ、ライオンだ!』と言うことはできるが『大丈夫だ!ライオンはもういない。』ということはデキナイ。

でもボクらホモ・サピエンスは『ライオ
ンはもういない!』って言うことができ
るし、『朝いたけど、今はもういない!』
と言うこともできる。『川に、今ライオン
がいる』ということは『森は今、大丈夫
だ!』というふうに言うこともできる。

『川にライオンがいる!』=『森にはライオンがいないので大丈夫だ!』

このように、言葉を繋いでいって、論理
的な構造が築ける。おまけに『あいつは
ライオンを倒した!』っていう噂話もで
きる。ライオンを倒した者っていうのは
現場を見た者とか、近くにいた者しか
『あいつ、ライオンを倒した、スゲェ!』
って思えないんだけど、そうじゃなくて
『あいつ、ライオンを倒したらしいよ』
ってのを広めることもできる。

『あいつ、ライオンを倒したらしいよ』と噂話を広めることがデキル。(出演・マサイ族)

倒していないのに噂話で『あいつ、ライ
オンを倒したらしいよ』ってのを広める
ことができるし、倒していないのに『オ
レ、ライオンを倒した!』って言うこと
もできる。『あんなこと言ってるけど、
本当か?』って言うこともできる。

倒していないのに噂話で『あいつ、ライオンを倒したらしいぞ!』と言うこともデキル。

これがスゴイ変化なんですよ。更に大き
く変化して『ワレワレにはライオンを倒
したリーダーがいる。彼に従おう!エイ
エイオー!』『ライオンを倒したリーダ
ーがいる。ワレワレは、他の部族よりも
強い!』って言うんですよ。どんどん言
葉の使い方がか変わっちゃった。

『ワレワレにはライオンを倒したリーダーがいる。彼に従おう、エイエイオー!』

これを認知革命って言うんです。これを
ホモ・サピエンスだけが持ち、ネアンデ
ルタール人等を含む他の種族を絶滅させ
たんですよ。『サピエンス全史』による
とね。

       おしまい

ホモ・サピエンスは言葉を進化させて、他の種族を絶滅させたらしい(前半)

『ホモサピエンス全史』に書いてあった。

私たちホモ・サピエンスというのは、人
類の中でもホモ・ネアンデルタール人の
ように特に強くもなく、賢くもないんで
すよ。10万年前、ホモ・サピエンスの集
団が地中海にあるネアンデルタール人の
集落の縄張りを襲うという事件がありま
した。コレ、化石とか何かで発見されて
いるんですよ。結果はホモ・サピエンス
のボロ負け。あっという間にホモ・サピ
エンスは追い払われました。これが10万
年前。

10万年前、ホモ・サピエンスはネアンデルタール人の集落を襲ったが、アッと言う間に追い払われた。

ところが7万年前に同じネアンデルタール
人の集落でホモ・サピエンスの一団がネ
アンデルタール人の集落を襲ったんです
よ。今度は勝った。それどころか、中東
からアジアまでネアンデルタール人を次
々と追っ払った。この7万年前からホモ・
サピエンスの快進撃が始まったんです。
ついに地球上からネアンデルタール人と
いうボクらよりも強くて賢い連中を全部
追っ払ってしまった。

7万年前からホモ・サピエンスの快進撃が始まり、中東からアジアまでネアンデルタール人を追っ払った。

それはいいとして、火を発見してチョッ
トくらい行動範囲が広がったと言っても
そこから20万年間はパッとしなかった。
ではホモ・サピエンスに何が起こったの
か?脳が突然大きくなったのか?いやい
や脳は他の種族も大きかった。

ネアンデルタール人もホモ・サピエンスも殆どの人類種は火を使っていた。ではなぜ、サピエンスが勝ったのか?言葉なんですよ。

100万年前は殆んどの人類種は道具を使
っているんですよ。火を使い始めたのも
30万年前から。いろんな種族も火を使っ
ています。だからそれでもない。じゃあ
何だ?実は『言葉』なんですよ。

ホモ・サピエンスは言葉(噂・ウソ)を手に入れ、ネアンデルタール人ら他のホモ種を滅ぼした。

言葉は人間だけのものじゃありません。
ハチだって言葉を持っています。イルカ
もしゃべる。サバンナモンキーだって言
葉を持っています。『気をつけろ、ライオ
ンだ!』という言葉を持っているのと同
時に、『気をつけろ、ワシだ!』っていう
言葉も持っている。実はこの2つの鳴き声
が別なんですよ。

       【続く】

③言葉の魔術『木綿のハンカチーフ』

『木綿のハンカチーフ』を作詞した元はっぴーえんどの松本隆(向かって右端)

               【続きです】

                四番

そして最後の4番。ここに来て彼は君を
忘れてしまった。『ぼくは帰れない』な
どと大胆発言をしている。チョット、こ
の『ぼく』は冷たくないかい?地元にい
る『私』がちょっとカワイソウになる。

都会の生活が気に入って『僕はもう帰れない』

そして4番の後半がこの歌のクライマッ
クス。モノの代償よりも彼がそばにいて
くれることを切に願い、『贈り物』なん
か何も要らないと言い張って来た彼女が
突然、『最後のわがままよ』と前置きし
て、ついに相手にねだるのだ。そして欲
しいものは『涙拭く』ための『木綿のハ
ンカチーフ』だと言うのだ。とても切な
い幕切れでした。

四番『涙ふくハンカチーフください!』

その続きがあったら聴いてみたいのです
が、まあ、後はそれぞれ、皆さんの体験
に基づき御自由に想像して下さいだ。結
論を持って来ないのがイイ。日本人が得
意とする、結論を曖昧にする歌だ。
彼女が『東へと向かう列車』に飛び乗る
なり、『ぼく』が西に向かうなり、どうぞ
御自由に想像してちょうだいってことだ。

ちなみにこの歌には続きがあって、松本
隆・作詞の『赤いハイヒール』がそうだ
と言う人がいる。

続編が『赤いハイヒール』?

もしも5番を作れ、と言われたならワタ
クシならこう作る。『ぼく』は都会での暮
らしに疲れ果て、西へと向かう列車に飛
び乗り、故郷へ向かう。しかし『ぼく』
はそこで、数年前に結婚して、子供もい
る『彼女』が幸せそうに暮らしているの
を目撃する。そして彼女は『今の幸せを
壊したくないの』だと言う。

数年前に結婚した彼女には子供たちがいて、あなたのことは今でも好きだけど『今の幸せを壊したくないの!』だと言う。

そして彼は初めて、本当に大切なものは
目に見えるモノよりも、目に見えない
『真心』や『思いやりの心』だったのだ
と気ずく。そして寂しそうに都会へと帰
って行く。たぶん、こんな感じ。

『あなたがそばに居るだけでよかった』

ワタクシが作るとどうしてもテーマが、
サンタさんの目に見えない『真心』とか
『思いやり』とか『幸せを祈る気持ち』
にベクトルが向いてしまう。

ワタクシが作ると、どうしてもテーマがサンタさんみたいに『大切なものは目に見えないんだよ!』というふうになってしまう。

                            おしまい

②言葉の魔術『木綿のハンカチーフ』

      【続きです】

『木綿のハンカチーフ』。生まれて15回
目の夏、ワタクシが初めてノックアウト
された曲です。たった4分足らずの楽曲
が聴いている人を別世界へ招待してくれ
て、更に映画2時間分の物語が詰まって
いるんですよ。

『木綿のハンカチーフ』は遠距離恋愛の歌

作詞は松本隆。旅立つのは『ぼく』で、
地元に残るのは『私』。この両者のやり
取りで歌は始まる。コーラスごとに前半
は男性、後半は女性の気持ちを表してい
る。なので1番~4番まで4通ずつ、計8通
の手紙が交換されている。『モノと心、
どっちが大切?』ってのがテーマ。

『木綿のハンカチーフ』を歌う太田裕美

一番

一番。『ぼく』が都会に旅立って、新天地
での暮らしを始めるが、自分がいなくな
った代償として、『贈り物』を探そうとす
る。しかし『私』が望むのは昔みたいに
相手が『そば』に居てくれることだった。
このあと、実にキラー・ワードが飛び出
す。『都会の絵の具に染まらないで』と言
う表現。都会の流行に馴染み、あか抜け
ていく相手の様子は地元に残った彼女に
とって心の距離を拡げてしまう出来事。
それは望まない。

『都会の絵の具に染まらないでね。』

二番

二番は半年後のエピソード。都会の暮ら
しにも少し慣れて来た『ぼく』は行動半
径も広がり、相手への贈り物を見定める
。しかし『私』が欲しいのはモノではな
くて、あなたの『キス』なんだという、
はっきりした返事が届く。

『私はあなたに、ただそばに居て欲しいだけなの』

三番

三番はさらに時間が経過する。1~2年後
、いやもっとかもしれない。『ぼく』は
見間違うようなスーツ着た自分になって
いる。『スーツを着た、洗練されたボク
を見てくれ』と言っているくらいだから
自信もついたのだろう。たぶんワタクシ
もそうだったが、地元から都会にやって
来た時の『ボク』は長髪にジーンズとい
った感じだったと想像できる。立派な社
会人になったわけだ。

『スーツを着た、洗練されたボクの写真を見てくれ!』

しかしこの三番、『ぼく』の言い分は実に
辛口。地元にいる『私』に対して『口紅
もつけないままか?』などと、まるでそ
こは時間が止まった場所でもあるかのよ
うな言いぐさなのだ。

地元にいる私に対して『今も素顔で口紅をつけないままか?』と都会的価値観を押し付ける。

しかし『私』も負けてはいない。地元在
住の価値観で対抗する。『草に寝ころぶあ
なたの方が好きだった』と反論するのだ

彼女は『草に寝転ぶあなたの方が好き!』と反論する。

とはいえ、最後では『カラダに気をつけ
てね』と相手を気ずかう彼女だった。

     【またまた続く】

①言葉の魔術『木綿のハンカチーフ』

生まれて12回目の春頃から、邦楽はダサい、洋楽は素晴らしい!などと、生意気なことを思うようになっていた。

ワタクシがまだ音楽を聴き始めて間もな
い、生まれて15回目の夏、洋楽こそがス
ベテでした。ミッシェルポルナレフ・ビ
ートルズ・クィーン・アバなど彼らの音
楽があれば他に何も要らなかった。部屋
にはビートルズのポスターを貼り、ミッ
シェル・ポルナレフの曲を聴きまくり、
学校の勉強も、クラブ活動の卓球もそこ
そこやって、一方ではミュージック・ラ
イフといった洋楽関係の本ばかり読むな
ど、忙しい日々を送っていました。

ワタクシの部屋の壁にビートルズのポスターを貼っていた

最初の洋楽でノックアウトされた曲がミシェル・ポルナレフの『シェリーに口ずけ』でした

しかし、一歩自分の部屋を出ると、聞こ
えてくるのは歌謡曲やニュー・ミュージ
ックといった邦楽ばかり。とにかく洋楽
命だったワタクシにとって、邦楽は聞く
に値しないモノと決め込んでいた。今振
り返ると、カッコつけて音楽を聴いてい
た生意気な子供だったのです。

カッコつけて洋楽ばかり聴く生意気な子

当時のワタクシはステレオ・コンポすら
持ってなく、あったのは電蓄のレコード
プレーヤーと原始的なカセット・レコー
ダー、そしてAM・FMラジオ・ブラウン
管テレビだけでした。だから新曲の情報
源は自ずと身近なラジオやテレビ。

当時は最新であったが、今思えば原始的なカセット・レコーダーだった。

そこでDJが紹介してくれる新曲に興奮し
ながら、ダサい邦楽を自分の中に入れな
いように頑張っていた。ちょっと時代は
下るけど、特に小林克也の『ベストヒッ
トUSA』なんかは食い入るように見て、
そして録音をし、最新のアメリカの音楽
情報を仕入れていました。

小林克也の『ベストヒットUSA』などからアメリカの最新音楽情報を仕入れていました。

そんなある日、ワタクシを膝まずかせる
ような大名曲に出会ってしまったのであ
る。それが邦楽。作詞・松本隆、作曲・
筒美京平、歌・太田裕美の『木綿のハン
カチーフ』だった。

作曲・筒美京平、作詞・松本隆、歌・太田裕美

『来るな!来るな!』と防衛線を張って
いるのに、その楽曲の波動が勝手にワタ
クシのヒフを破って、カラダの奥深くま
で侵入して来たのだ。

『木綿のハンカチーフ』の楽曲の波動が勝手にワタクシのヒフを破って、勝手に侵入して来た

覚えやすいメロディーに彼女の舌ったら
ずなボーカル、そして何よりもストーリ
ー性の高い歌詞にワタクシはノックアウ
トされてしまったのでした。

洋楽狂いのワタクシもノックアウトされた

当時の邦楽の世界においては、常識破り
とも言える4番まである長い歌詞を使っ
て田舎と都会で遠距離恋愛をしながらも
、少しずつ心が離れていく男女の微秒な
心境の変化を、見事に歌うという対話形
式を取り入れているところがスゴイかっ
た。

往復書簡による遠距離恋愛

これぞ作詞家・松本隆が天才だと言われ
る所以なんですよ。ワタクシはこの楽曲
で木端微塵に打ちのめされてしまいまし
た。そして、松本隆の歌詞を研究するよ
うになったのです。研究と言ってもただ
歌を聴いているだけなのですが・・・。

       【続く】

③ある日、ミトコが突然家にやって来た。『オマエ、誰よ?』

ある日、突然ミトコが家にやって来た

ある日、細胞内小器官のミトコンドリア
が、ワレワレの祖先の古細胞アーキアの
中に入って来た話を物語風に話すとこう
なる。

ある日、突然ミトコが家にやって来た。

ある日、目覚めると、知らない人が家の
中を掃除していた。

(アキ)『オマエ、誰だ?』じっと睨んで

(ミトコ)『あなた、どうして家の中にば
     かりいて外に出ないの?』

(アキ)『外になんか出たくないんだ!』

無精で怠惰なボクは家事なんかしないし
、働いてもいないのだ。家事をしている
のが、ミトコンドリアの祖先(アルファ
プロテオバクテリア)。そして残念ながら
、この怠惰な男がワレワレの祖先の古細
菌(アーキア)という設定だ。

ミトコンドリアの祖先(アルファプロテオバクテリア)がある日、ワレワレの祖先(古細菌アーキア)の中に侵入して来た。

(ミトコ)『何もしない?何食べて生きて
              るの?さっ、お料理、作ろう
    かしら!』

(アキ)『おい、ちょっと、窓開けないで
        くれよ!酸素が入って来るじゃん!』

『おい、ちょっと、窓を開けないでくれ!酸素が入って来るじゃないか!』

ミトコはそんな言葉は聞き入れず、

『よ~し、酸素満タン!どうぞ、私の得
意料理ATPを食べて!食べたら元気がで
ますよ。』

ミトコが作ったATP料理

(アキ)『何コレ?なんか力が出て来たぞ
   !ねえ、ところで君、名前は?』

     (ミトコ) 『わたしの名前はミトコ。』

ミトコが来てから生活の全てが変った。
働く意欲が湧いて来たのだ。ボクは仕事
を探し始めた。『何と、このボクが外に
出かけるなんて!』

無精で怠惰なボクは家事もせずにゴロゴロしていたのに、ミトコが来てからというもの、生活の全てが変った。ボクは仕事を探し始めた。

こうして、ボクとミトコの奇妙な関係が
始まったのだ。それは恋愛関係とは違う
、まったく新しい関係だ。細胞内共生。
『よろしくお願いします!』私たちの祖
先の中に棲み始めたミトコ。

『ミトコ!家は?』

『ないの!』

ある時、ふとしたことからミトコの事情
を知ることととなる。ミトコの日記。

『今日は食べ物を横取りされた。悔しい
!』

『ウイルスに襲われた!安全な家が欲し
い!』

『誰もワタシを守ってくれない!』

ミトコの日記には『今日は食べ物を横取りされた。悔しい!』とか『ウイルスに襲われた。安全な家が欲しい!』とか『誰も私を守ってくれない!』と書いてあった。

何と過酷な人生なんだ!

『ミトコ、でも何で僕なんかの所に来た
んだい?』

『あなたにはアタシが必要で、アタシに
もあなたが必要だったのよ。』

『ありがとう、ミトコ!』

約20億年前、ミトコンドリアは古細菌アーキアの中に棲みついた。(細胞内共生)

あれから約20億年後、ボクは驚くべき進
化を遂げ、活動的で貪欲な人間になった。

『今日からはこのスケジュールで働いて
くれ!どうだ、できるか?』

『もちろん、できるわ!』

休まず、働き続けるミトコンドリアによ
って生き長らえている私たちの命。しか
し、働かせ過ぎると、突然、調子が悪く
なる。そしてミトコにも限界が訪れた。

休まず働き続けるミトコンドリア。しかし、働かせ過ぎると、突然調子が悪くなる。

『バタン!』

『ミトコ?どうしたんだ、ミトコ!』

働かせ過ぎて、ある日ミトコが倒れた。

『ん?何だ、この臭いは!くさっ!な、
生ゴミだ!』

ATPを作った際に出た生ゴミを一度も捨
てていなかったのだ。しかもコレはただ
のゴミではない。実はコレ、活性酸素。
ATPを作りだすのと同時に常に出て来る
有害物質。

『臭っさ!何これ?』ATPを作った時に出て来る活性酸素をミトコは1度も捨ててはいなかったのだ。

『ゴホッ、ゴホッ、苦しい!』

『ミトコ、大丈夫か?あっ、新しいミト
 コ!ええっ?』

『あたしが来たからにはもう大丈夫!
 ミトコンドリア融合!』

ミトコンドリア融合によって、再利用ができるのだ。

『き、君はミトコなのか?』

『そうよ、私もミトコ。あなたが働かせ
過ぎたからこんなことになったのよ!』

『ゴメン!君に無理させてしまって、許
してくれる?』

『うん!』

約20億年前から細胞内共生している2つの細胞

太古の昔から私たち生命を支えてきたミ
トコンドリア。
『私たちはお互い必要なんだね。』
『僕たちは一番古いお友達さ!』

②ミトコンドリアは助け合って、品質管理をする

ミトコンドリアを働かし過ぎると、ダウンする

      【続きです】

休まず働き続けるミトコンドリアによっ
て生き長らえる私たちの命。しかし、働
かせすぎれば当然調子が悪くなるんです
よ。ATPを作った時に出たゴミをミトコ
ンドリアが捨てないと大変なことになっ
ちゃう。ゴミと言ってもコレ、単なるゴ
ミではありません。実はコレ、活性酸素
。ATPを作り出すと同時にミトコンドリ
アが常に出している有害物質。

ミトコンドリアがATPを作る代わりに活性酸素というゴミを生み出す。

この活性酸素が私たちの健康に悪影響を
及ぼしているのだ。活性酸素が漏出する
と、タンパク質と脂質を傷つけてしまう
。それによって大切なミトコンドリアの
DNAが傷ついてしまう。すると突然変異
の原因になる。

ミトコンドリアのDNAが傷つくと、突然変異の原因になる。

するとカラダに何が起きるかと言うと、
例えば、筋肉であれば筋力の低下、ヒフ
であれば老化が進んでしまう。心臓なら
心筋梗塞を引き起こすリスクが高まる。

ミトコンドリアが傷つくと、ヒフの老化が加速する。

しかし、これを食い止める不思議な現象
も起きている。傷ついたミトコンドリア
に新しいミトコンドリアが融合して、元
気なミトコンドリアができるのだ。キノ
ウを失ったミトコンドリアと元気なミト
コンドリアが融合することで、キノウを
維持できると考えられる。ミトコンドリ
アは正常な機能を保つためにこうした品
質管理が行われているのだ。

傷ついたミトコンドリアと新しいミトコンドリアが融合して、元気なミトコンドリアができる

これはミトコンドリア同志の助け合い。
悪いヤツラを減らしているんじゃなくて
、少々、劣化していても活性のあるヤツ
らは全部残すという、助け合いをやって
いるんです。会社だったらホワイト。温
かいアットホームな人のつながりが劣化
したミトコンドリアをも大切にしてくれ
る。

会社員と同じように、少々劣化していても、活性のあるヤツラは全部残す。会社ならホワイト

何かこう、働けなくなりました、サヨウ
ナラではなく、チョット上手くいかない
人がいても、全員で全体でうまく乗り切
ろうというのが、ミトコンドリアのコス
トのかからないやり方。

チョット上手くいかない人がいても、全員でうまく乗り切ろうというのがミトコンドリアのやっているコストのかからないやり方。

ミトコンドリアが分裂して悪いヤツだけ
除けてしまえば、オートファジーという
機構があって、切り離された活性の落ち
たミトコンドリアを囲うような膜が現れ
、その切り離されたミトコンドリアを分
解して、再利用するのだ。

オートファジーという機構によって、切り離されて活性の落ちたミトコンドリアを囲うような膜が現れ、それを分解して再利用する。

古いモノをまとめて捨てるんじゃなくて
、使えるものは取っておいて、ホント、
ダメなものは消去しましょうネ、と言う
やり方。

使えるモノは取っておきましょうネ。ダメなものは消去しましょうネ。

まあ、80%のミトコンドリアのDNAが変
異しない限りミトコンドリアは正常に機
能が保たれるんですよ。品質管理!品質
管理!

       【続く】

①20億年前、ミトコンドリアはエネルギーをつくる発電所に専念できた

ミトコンドリアは細胞の中に棲むコトになった

細胞の中にあるミトコンドリア、中学生
の理科の教科書には『ミトコンドリアは
真核生物の細胞内にある小器官でエネル
ギーを作ってくれます』とか何とか書い
てありますけど、実はこのミトコンドリ
ア、もともと別の生き物だったんです。

ミトコンドリアは酸素と糖を受け取って、エネルギーを作り出す発電所。その際、二酸化炭素を出す。

それが突然、ワレワレの祖先の細胞の
中に入って来ちゃったんですよ。そして
、細胞という宿主と取り引きしたんです
よ。『オレがオマエを守ってやるから、
代わりにオマエは得意のエネルギーを作
るという発電所の仕事を担当しろよ』っ
てね。

ミトコンドリアは元々、別の生物だったのが、ある日突然、ワレワレの祖先の細胞の中に入って来た。

なぜ私たちの祖先がミトコンドリアを細
胞の中に取り込むようになったのか。両
者の出会いは約20億年も前のある日、突
然でした。
二酸化炭素で覆われていたかつての地球
が20億年以上前に急激に酸素濃度が上昇
した。このぷよぷよしたのが私たちの祖
先の古細菌アーキアという生物。それが
この時期にミトコンドリアの祖先と細胞
内共生を始めたんです。

二酸化炭素で覆われていた地球が約20億年以上前に急激に酸素が増えた。

それが上手くいったのはミトコンドリア
の作ったATPにその理由があるんです。
ATPはアデノシン三リン酸の略称。全生
物の共通通貨。ATPって生命活動に必要
なエネルギー分子。

ATPは生命活動に必要なエネルギー分子

実は私たちの祖先、古細菌アーキアにと
っての酸素は猛毒。私たちの祖先の古細
菌アーキアは酸素が大嫌いなんですよ。
で、ミトコンドリアの祖先が酸素を使っ
て消費してくれるっていうじゃありませ
んか。

古細菌アーキアとっては酸素が猛毒。反対にミトコンドリアは酸素が大好物。

ミトコンドリアの祖先は酸素が大好きで
すからねえ。酸素を使った呼吸を行うと
、発酵の約20倍の効率でATPを作ること
が出来るので、私たちの祖先の細胞アー
キアは、このミトコンドリアを獲得する
ことによって、莫大なエネルギーを作る
ことができたんです。

ワレワレの先祖の古細菌アーキアは酸素が大嫌い。ミトコンドリアの祖先は酸素が大好き。ここに両者の取引きが成立した。

私たちのカラダの中でATPを作る方法は2
つあって、1つはもともと祖先から受け継
いだやり方で、細胞の中で当を分解する
過程で生み出す『解糖系』。この時は酸素
を使わない。もう一方は、ミトコンドリ
アが酸素を使う場合で、ATPの20倍くら
いの効率で、ATPを作り出す。

ミトコンドリアの祖先が、ワレワレの祖先の細胞の中に大量に入って来た苦手な酸素を消費してくれる。おまけに大量なATP分子を作って大量なエネルギーを供給してくれた。

私たちの祖先古細菌アーキアはミトコン
ドリアと一緒になることで、一気に莫大
なエネルギーを使えるようになったんで
す。つまり、私たちの祖先は猛毒だった
酸素から身を守りつつ、進化を加速する
力を手に入れたんです。ミトコンドリア
がが無ければ、真核生物の誕生はあり得
ませんでした。

ミトコンドリアがワレワレの祖先の細胞の中に入って来なければ、20億年後の人間みたいな真核生物の誕生はあり得ませんでした。

実はミトコンドリアの側にも事情があっ
たようです。ミトコンドリアの祖先の
アルファプロテオバクテリアは、古細菌
に取り込まれる前に、自分自身で生きる
為にすべてを行っていました。しかし、
古細菌の中に入ってしまえば、過酷なカ
ンキョウのサバイバル能力は必要なくな
る。

古細菌という家に棲むことになったミトコンドリアはウイルスに襲われることが無くなった。

今までミトコンドリアは、「食べ物を横
取りされた!」とか「ウイルスに襲われ
た!」とかで『安全な家が欲しい、誰か
私を守って!』と思っていた。そこで、
古細菌の中に寄生すれば、糖の調達など
はミトコンドリア自身がする必要がない
し、ミトコンドリアはエネルギーの生産
に専念できる。つまり、めでたくWIN・
WINの関係が成立したのだ。

        【続く】

 

⑤IQの高い人は『何でも疑ってかかる』

IQの高い人(ニュートンはリンゴが木から落ちるの見て、地球が引っ張っていることに気ずいた)

IQの高い人は『何でも疑ってかかる傾
向がある。』それはクセみたいなもんで
す。ウラに何があるのか、何故それが信
じられているのかって部分まで突っ込ん
で考えようとする。もうこれは頑固なん
てもんじゃない。『知的な慎重さ』。何で
も鵜呑みにしないで、しっかり検証する
姿勢なんですよ。

『知的な慎重さ』何でも鵜呑みにせず、しっかり検証する姿勢を持つ。

だから周りからはやたらと『慎重で疑い
深い人』って思われるけど、本人の中で
はムジュンを見逃せないという強い知的
な欲求がある。だから『変わっている』
と言われる。それだけ世界を真剣に見て
いるってこと。

『変わってる人』

何か頭がイイって聞くと、何でもスラス
ラできる万能人って思ってたけど全然違
う。IQ高いってのは単に知識量が多いと
か、計算が早いとか、そういう話じゃな
い。深く考え過ぎちゃったり、細かすぎ
たり、一人が好きだったり、チョット変
わって見えるのも、その人なりの『世
界の見え方』なのだ。

一人が好きなのも、その人なりの『世界の見え方』なんです。

フツーと違うってことはウラを返せば、
『誰にも見えない何かに気ずいているこ
と』でもあるのです。ワレワレが見てい
るのと見え方の違う可能性がある。だか
ら『周りとは違うな!』と思う人がいた
ら、それは弱みじゃなくて、強みかもし
れません。

フツーと違うのは『誰にも見えない何かに気ずいている』のかもしれません。

そんなのを考えていたら、周りに何人か
思い当たる節がある。今、思い返せば、
過去にもそんなヤツがいました。『変な
ヤツだなあ!』と思っていたけど、実は
彼らはモノの見方、考え方のモノサシが
ワレワレのと違っていたのだ。同じモノ
を見ていても、彼らの頭ん中には違う世
界が広がっていたのかもしれません。

ブログ一覧