ホモ・サピエンスは言葉を進化させて、他の種族を絶滅させたらしい(後半)

ホモ・サピエンスは『ワレワレにはライオンを倒したリーダーがいる。彼に従おう!エイエイオー!ワレワレは他の部族よりも強いぞ!』というふうに、ドンドン言葉を繋いで文脈が増えていき、それをみんなで一緒に共感するようになった。

         【続きです】

『気をつけろ、ワシだ!』というサバン
ナモンキーの鳴き声を録音して野生のサ
バンナモンキーに聴かせると全員いっせ
いに上を向くんです。全サバンナモンキ
ーは同じ共通言語がわかるんです。単文
に限られますが。

『気をつけろ、ワシだ!』というとサバンナモンキーはいっせいに上を向く。

じゃあ、サバンナモンキーとホモ・サピ
エンスは何が違ったのか?7万年前、ホ
モ・サピエンスに遺伝子の突然変異が起
こった。脳内配線が変ったんです。言葉
の使い方が変わっちゃった。

全サバンナモンキーは単文だけ理解できる

言葉自体はイルカでもサルでもイヌでも
ネコでもサバンナモンキーでも持ってる
んですが、ただその使い方がガラッと変
わった。これを『サピエンス全史』では
認知革命と呼んでいます。

ホモ・サピエンスにある日認知革命が起こった

例えば、サバンナモンキーは『気をつけ
ろ、ライオンだ!』って言うことは出来
るんだけど、『大丈夫だ!ライオンはもう
いない。』って言うことはできない。

サバンナモンキーは『気をつけろ、ライオンだ!』と言うことはできるが『大丈夫だ!ライオンはもういない。』ということはデキナイ。

でもボクらホモ・サピエンスは『ライオ
ンはもういない!』って言うことができ
るし、『朝いたけど、今はもういない!』
と言うこともできる。『川に、今ライオン
がいる』ということは『森は今、大丈夫
だ!』というふうに言うこともできる。

『川にライオンがいる!』=『森にはライオンがいないので大丈夫だ!』

このように、言葉を繋いでいって、論理
的な構造が築ける。おまけに『あいつは
ライオンを倒した!』っていう噂話もで
きる。ライオンを倒した者っていうのは
現場を見た者とか、近くにいた者しか
『あいつ、ライオンを倒した、スゲェ!』
って思えないんだけど、そうじゃなくて
『あいつ、ライオンを倒したらしいよ』
ってのを広めることもできる。

『あいつ、ライオンを倒したらしいよ』と噂話を広めることがデキル。(出演・マサイ族)

倒していないのに噂話で『あいつ、ライ
オンを倒したらしいよ』ってのを広める
ことができるし、倒していないのに『オ
レ、ライオンを倒した!』って言うこと
もできる。『あんなこと言ってるけど、
本当か?』って言うこともできる。

倒していないのに噂話で『あいつ、ライオンを倒したらしいぞ!』と言うこともデキル。

これがスゴイ変化なんですよ。更に大き
く変化して『ワレワレにはライオンを倒
したリーダーがいる。彼に従おう!エイ
エイオー!』『ライオンを倒したリーダ
ーがいる。ワレワレは、他の部族よりも
強い!』って言うんですよ。どんどん言
葉の使い方がか変わっちゃった。

『ワレワレにはライオンを倒したリーダーがいる。彼に従おう、エイエイオー!』

これを認知革命って言うんです。これを
ホモ・サピエンスだけが持ち、ネアンデ
ルタール人等を含む他の種族を絶滅させ
たんですよ。『サピエンス全史』による
とね。

       おしまい

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