エサにあるものを混ぜたら、全部メスに変わった!

ホルモンの受容体

 

ホルモンが働く上で重要なのが、ホルモ
ンを受け取る受容体。

細胞にはいろんな受容体があって、その
形に合ったホルモンを受け取るという仕
組みがあるんデス。

近畿大学水産研究所で、チョウザメの
性別を全部メスにすることに成功しまし
た。

チョウザメの卵といえば、世界三大珍味
のキャビア。

全部メスだとたくさんキャビアが採れる
んです。「たくさん作りてぇ~!」

すべてのチョウザメをメスにしたエサっ
て何?

実は、大豆から抽出された大豆イソフラ
ボン。

大豆イソフラボンとチョウザメ

 

これを溶かして、エサによく混ぜて、
ふ化した直後からチョウザメに与えたん
です。

すると、8ケ月後、お腹の中から卵巣が
・・・。

全てのチョウザメが卵巣を持ち、つまり
性別がメスになっていたんです。

でも、何で?

そのカギは、その分子構造にあって、実
は大豆イソフラボンというのは、女性ホ
ルモンによく似た分子構造をしているん
です。

ホルモンの受容体はいつホルモンが来る
か来るかと待ち構えています。

そこに女性ホルモンに似た物質がやって
くると、待ってましたとばかり、ほぼ
無条件で結合してしまう。

まぁ、大豆イソフラボンをいわば性を
決定する女性ホルモンと錯覚し、メスへ
とカラダを作り替えたんです。

女性ホルモンと大豆イソフラボン

 

「えっ⁉たったそれだけ?大豆イソフラ
ボンを与えただけでメスになるの?」

魚って、実は割と簡単に性転換が起こり
やすい生き物なんですが、いろんな受容
体の中でも、女性ホルモンの受容体は
一番甘いんです。

ですから、大豆イソフラボンは女性ホル
モンに似ている?といっても実際見ると
たいして似てないと思うんですが、あの
程度のものでも反応してしまうんデス。

ちょっとした変異株でも勘違いして抗体
を作ってくれますし・・・。

 

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