「生物と無生物のあいだ」のウイルスの話

はやぶさ2

 

以前に、JAXAの「はやぶさ2」が小
惑星「りゅうぐう」へ行き、岩石の破片
を採ることに成功しました。

これ、何かウイルスの増殖のやり方に
似てるなぁと思いました。

ところで、生物学者福岡伸一さんの書い
た「生物と無生物のあいだ」という本が
あります。

そこにウイルスの話が載っていました。

それによると、ウイルスってのは大腸菌
をラグビーボールとすれば、パチンコ玉
くらいの大きさで、見た目は優れた幾何
学的美しさをもっていて、あるものは正
二十面体、あるものはマユ状のユニット
がらせん状になった構造体、あるものは
無人火星探査機のようなメカニカルの
構成、同じ種類のウイルスは全く同じ形
で、そこには大小や個性といったものが
一切ない。

ウイルスは栄養をとることもないし、
呼吸もしない。
CO2も出さなければ、老廃物も排泄
しない。

つまり、一切生物のような代謝を行わな
いのだ。

ここからがオモシロイ。

ウイルスは惑星に不時着するようにその
メカニカルな粒子を宿主となる細胞の表
面に付着させる。

その接着点から細胞の内部に向かって
自分のDNAを注入する。

宿主細胞は何も知らずにその外来DNAを
自分の一部だと勘違いして複製を行う一
方、DNA情報を元にせっせとウイルスの
部材をつくり出す。

細胞内でそれが再構成されて次々とウイ
ルスが生産される。

それら新たに作り出されたウイルスは、
間もなく細胞膜をハカイして一斉に外に
飛び出す。

で、福岡さんは「ウイルスは生物と無生
物のあいだを揺れ動く何者かである」と
結んでいた。

まぁ、ウイルスが生物であろうが無生物
であろうが、世の中たいして変わりませ
んが、無生物から生物ができた可能性が
あると考えると、なんともロマンのある
話だなぁと思いました。

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