ワンコイン悦楽堂

竹信くんのイメージ

 

恐るべき読書量を誇る作家、高橋源一郎
さんって方がいます。

彼に、竹信悦夫くんという中学時代(兵
庫の私立N中)の同級生がいて、彼の
部屋に遊びに行った時のことが『ワンコ
イン悦楽堂』(竹信悦夫著)という本の
、源一郎氏の書いたあとがき付近の対談
のところに書いてあった。

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中2の終わりになって尊師(竹信くんの
こと)の家に遊びに行ったんですよ。
今でも覚えているのは、竹信くんの本棚
に谷川雁の『影の越境をめぐって』
『原点が存在する』『工作者宣言』が
あったんです。

中学生ってこういうのを読まなきゃいけ
ないんだと。今考えてみれば、間違って
いますけど。それでね。そこにある本の
タイトルをね、僕は話をしながらチラチ
ラと見て暗記して、帰って本屋へ行って
探す。『原点が存在する』だな、アンリ
・ルフェーヴルだな、とか。しかも尊師
は何もおっしゃらない。「ルフェーヴル
はおもしろいなぁ」くらい。で、僕は
「そうか、読まなきゃ」の繰り返し。
永遠に追いつけないなと、その時思った。
だって、竹信クンのあの大きな本棚に
詰まっている本、あの中に知ってる本が
1冊もなかったんだもん。そびえ立つ
本棚をバックに話す竹信クンには、後光
が差しているように見えましたよ。

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まぁ、竹信くんの書棚の中でどれだけ彼
がホントウに読破していたのかは永遠の
謎ですが、「後光が差して」見えたとい
う高橋源一郎さんの教化されやすい体質
が、結果的に恐るべき読書量を誇る作家
、高橋源一郎を生み出したようデス。

小学生までは親のエイキョウを受けるも
のですが、中学生にもなれば、計り知れ
ない程、友達や先輩、先生方のエイキョ
ウを受けるんですね。

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