『藤井聡太、強すぎでしょう。』
将棋ファンの中で『藤井曲線』
と呼ばれているものがあって、
コレ、どっちが有利かっていうのが
50%、50%から始まって、
これが少し藤井聡太に傾くと、
そのまま、ずーっと差を広げて
いっちゃう、ってヤツ。
藤井聡太は途中でミスらない。
コンピューター並に正確。
一番いい手をピシピシ打ってくるから
ドンドン差が開いちゃう。
みんな人間なんで、どこかでミス
っちゃって評価が逆転するってことが
よくあるんですが、
藤井聡太だけは1回差がつくと
そのままずっと差を広げちゃう。
これを対戦相手側から考察してみます。
では始めます。心して聞いてください。
『このままでは負けてしまうぞ。』
指しにくさ、更には不利を感じ始めた
棋士たちからすれば、藤井を相手に
『終盤勝負』という発想はしない。
相手は詰め将棋でも断トツの力を持ち、
自玉、相手玉の安全度を瞬時に見極める
強者。
リードしているならまだしも、遅れを
取っている終盤はノーチャンス。
ならば多少の無理は承知でも大きく変化
してリスクを取ってでも行くしかない。
こう考えて対戦者は、将棋ソフトが示す
最善手ではなく評価を大きく落とす別の
手を選択する。
将棋ソフトの評価を見ながら観戦して
いるファンからすれば、
『何だ、悪手じゃねえか!』
と指摘したくもなるが、
実際に指している棋士はそんなの
百も承知。
それでも、今の道を歩いていては
勝ち目がない。ここは一発、
伸るか反るか、一か八かの大勝負じゃ。
という心理になってしまう。
まあ、テニスでいう勝負所で奇襲する
ポーチみたいなモンですな。
ここまで追い込んでしまう所に
藤井聡太の強さがあるのです。