昔、学生時代、解剖実習というのがあっ
て、その時「鼻涙管」というのが目の下
の方にあったのを覚えています。
何で「目涙管」じゃないんだろうと
思っていました。
仕組みを考えたらやはり「鼻涙管」なん
です。
目の表面は、いつも結膜から分泌される
粘液と、涙腺から出る涙の皮膜によって
保護されています。
つまり、目にゴミが入るとこの皮膜が
ゴミをつかまえてしまう仕組み。
そして、まばたきすると新しい涙に
チェンジ。
古い涙はゴミや粘膜と一緒に、目頭に
ある涙のうという所に流されます。
世の中には「目から鼻へ抜ける」という
言葉がありますが、実際はこの涙のうか
ら鼻腔へ鼻涙管という管が抜けていて、
古い涙はそこを通って鼻腔へ向かう。
そして鼻腔内の壁の粘液やゴミと混じり
あって、最後は鼻クソになるのです。
泣くと鼻水が出ますが、これも同じ原理。
涙が鼻涙管を通って鼻の中に流れ込み、
鼻水になるってコト。
小説で「瞳に涙を浮かべた」なんて描か
れていたら、美しい情景を想像しますが、
「鼻から鼻水をたらした」などと描写
したならば、編集長から「書き直せ!」
と叱られそうです。