ワンコイン悦楽堂の竹信君のこと

尊師(竹信くん)のイメージ

恐るべき読書量を誇る作家、高橋源一郎
さんって方がいます。
彼に、竹信悦夫くんという中学時代(兵
庫の私立N中)の同級生がいて、彼の
部屋に遊びに行った時のことが『ワンコ
イン悦楽堂』(竹信悦夫著)という本の
、源一郎氏の書いたあとがき付近の対談
のところに書いてあった。

読書量が半端じゃない、高橋源一郎氏

    *******

中2の終わりになって尊師(竹信くんの
こと)の家に遊びに行ったんですよ。
今でも覚えているのは、竹信くんの本棚
に谷川雁の『影の越境をめぐって』
『原点が存在する』『工作者宣言』が
あったんです。

竹信君の書棚には知っている本が1冊もなかった

中学生ってこういうのを読まなきゃいけ
ないんだと。今考えてみれば、間違って
いますけど。それでね。そこにある本の
タイトルをね、僕は竹信君と話をしなが
らチラチラと見て暗記して、帰って本屋
へ行って探す。『原点が存在する』だな、
アンリ・ルフェーヴルだな、とか。

しかも尊師の竹信君は何もおっしゃらな
い。「ルフェーヴルはおもしろいなぁ」
くらい。で、僕は「そうか、読まなきゃ
追いつけないぞ!」の繰り返し。
永遠に追いつけないなと、その時思った。
だって、竹信クンのあの大きな本棚に
詰まっている本、あの中に知ってる本が
1冊もなかったんだもん。そびえ立つ
本棚をバックに話す竹信クンには、後光
が差しているように見えましたよ。

尊師・竹信君のうしろに後光が差して見えた。

    *******

まぁ、竹信くんの書棚の中でどれだけ彼
がホントウに読破していたのかは永遠の
謎ですが、「後光が差して」見えたとい
う高橋源一郎さんの教化されやすい体質
が、結果的に恐るべき読書量を誇る作家
、高橋源一郎を生み出したようデス。

中学生くらいになれば、親よりも友達、先生、先輩の影響を受ける。(写真は若きビルゲイツ)

小学生までは親のエイキョウを受けるも
のですが、中学生ともなれば、計り知れ
ない程、友達や先輩、先生方のエイキョ
ウを受けるんですよ。世間から学ぶんで
すよ。もう親の出る幕はありません。
絵本作家の『あきびんご』さんも同じ様
なことを話していた。

       おしまい 

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