ムシ歯の正体

今日は、久しぶりムシ歯の話。口の中の
口腔常在菌って、見つかっているだけで
800種類。で、その99%は無害の常在菌
。で、残りの1%が悪玉菌。その悪玉菌の
代表がムシ歯菌と歯周病菌。

悪玉菌のムシ歯菌と歯周病菌が1%(オガワメモ)

ところで、口の中に頑丈な城を築くスゴ
イ菌がいるんですよ。それがムシ歯菌。
そのムシ歯菌、20世紀にミュータンス菌
と名ずけられた。実は、このミュータン
ス菌、口の中では変わり者。ほとんどの
菌は歯ぐき、舌などの粘膜を中心に潜ん
でいますが、このミュータンス菌だけは
ツルツルの硬い歯の表面に生息するとい
う、まあ極めて特殊な口腔細菌。
集団生活をしています。力を合わせて。

ツルツルな歯の表面

歯の表面はツルツルの大地。エナメル質
で出来ています。普通の細菌はココに定
着することも、繁殖することも出来ませ
ん。ところが、ミュータンス菌は違うや
り方を考えた。石垣を築き、その中に隠
れるという、とんでもないやり方を考え
たんです。

ミュータンス菌の出した代謝物のグルカ
ン、実は、コレ歯みがきをサボった時に
付くあの白いネバネバの歯垢なんですが
、これを使って石垣を作る。では、どう
やって石垣を作るのか?

石垣の上に城を築きミュータンス菌が酸を出す

ミュータンス菌は粘着性の優れたグルカ
ンを出して土台を作る。上積が出来ると
ミュータンス菌は自ら死んで、グルカン
と結合して強固な石垣を作ります。する
と、その上に巨大な住み家のお城築きま
す。そこを根城にして、ミュータンス菌
が増えていくのだ。グルカンの粘着性に
よって貼りつき、お城の中で誰にも邪魔
されずにミュータンス菌の出す酸で歯を
溶かしてしまうのだ。これがムシ歯の正
体。

石垣のあたりは残念ながら取れません

ちょとやそっと、歯ブラシで磨いたとこ
ろで、この天守閣のあたりまでは取れる
んですが、石垣のあたりは全然取れませ
ん。するとムシ歯がドンドン進行して行
く。もう削らないとダメ。

ミュータンス菌に10種類の糖類を与えて
、どれだけ石垣を作れるか研究した人が
いて、何と、ミュータンス菌は10種類中
、9種類の糖を利用して石垣を作ったん
です。他の口腔内細菌はせいぜい1~2種
類。だからムシ歯の元になっているミュ
ータンス菌は口の中に入って来たエサの
9割はムシ歯の材料に出来るんですよ。
ああ、怖い、怖い!

 

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