腸が使える時には腸を使え!

胃ろう

 

ワレワレ歯医者の仕事はだいたい、口の
中で食物を細かくできるキノウを回復す
るところまで。

そして、飲み込めないのを飲み込めるよ
うにするのは、耳鼻咽喉科の仕事。

すると、細かくなった食物を胃や腸へ
送り込み、栄養分が吸収されます。

何かの病気や顎の骨折などでモノが咬め
なくなれば、鼻から長いカテーテルを入
れて先端を胃に置く方法や、お腹に穴を
開け胃ろうをつくって直接胃に栄養剤を
注入したりします。

まぁこれを、経管栄養(経腸栄養)と
いうのですが、昔、病棟実習でよく見ま
した。

これらは血管に栄養剤を点滴する方法に
比べたら、実は口から飲食しているのに
近いんです。

咬んで飲み込むという作業をショート・
カットしているだけですから。

ところで、長い間栄養剤を血管の静脈内
に点滴したら、腸を使わなくなるために
腸の粘膜が萎縮してしまい、使い物にな
らなくなります。

例えば、宇宙飛行士は重力のない所で
仕事をしますから、筋肉をほとんど使い
ません。

だから筋力が落ちる。

人体というのはかくも簡単にサボリ癖が
ついてしまうんです。

で、医療現場では「腸が使える時には腸
を使え」という格言があります。

可能な限り、静脈ではなく胃や腸などの
消化管に栄養剤を注入せよ、そしてサボ
らずに働かせよ、という意味なんデス。

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