柔らかくなった膜がミトコンドリアを取り込んだ。

大腸菌

 

膜の話デス。

40億年前に生命が誕生したのですが、
その頃の単細胞生物は外側に硬い膜
(細胞壁)を持っていて、内側に柔ら
かい膜(細胞膜)を持っていました。

例えば、今もまだいる大腸菌は、原始の
姿に似ています。

外側に硬い膜を持っているのは、大切な
生命の設計図(DNA)がハダカのまま
おさまっていて、コレを守るためでした。

20億年位前に大きな事件が起きて、単細
胞はそれに耐えるために大きな進化を遂
げました。

実は、硬い皮を柔らかくしたんです。

シアノバクテリアという光合成を行う
バクテリアがいるんですが、このバクテ
リア、太陽のエネルギーを使って酸素を
出すんです。

そして、このシアノバクテリアが大繁栄
して、海の中の酸素濃度が上がりました。

それは彼らにとってはイイこと。

でも、当時の生物にとって酸素は毒。
酸化は非常にキケンなこと。

そんな中、たまたま柔らかい細胞膜を
持っていた私たちの祖先に、ある偶然
が起きました。

酸素呼吸を行うアルファプロテオバクテ
リアというのがいて、そういうものを、
柔らかい膜を持つ祖先の細胞がたまたま
取り込んだ。

すると、酸素呼吸をしちゃって危険な
酸素をカラダの外に追い出しちゃった。

「こりゃあ、いい!」

で、ある時、細胞の外で暮らしていた別
の生き物のミトコンドリアがワレワレの
祖先の細胞の中に偶然入ってきた。

ミトコンドリア

 

ミトコンドリアの得意技は、酸素を糖と
一緒に取り込んでエネルギーを作り出す
こと。

「コレ、使えるんじゃねぇか?」

ワレワレの祖先の細胞は、危険な酸素を
処理してくれる上にエネルギーを作り出
してくれるこのミトコンドリアを、祖先
の細胞の中にしまい込んでしまいました。

ワタシたちの祖先のピンチを救った膜の
柔らかさが、酸素という毒を利用するこ
とで進化の大転換を可能にしたのです。

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