わけのわからないオッサン

       師匠と弟子

 

ワタクシが社会人になった頃は、まわり
の大人って、私の知らないことをすべて
知っているはずだと思っていました。

何も言わないけれど知っているハズ
だと。
年上だし、社会経験も豊富だし。

でもワタクシも社会人の経験が長くなる
と、別に「大人」になったからといって
いきなり賢くなるとか、世の中の仕組み
がわかるようになるとか、そんなことは
ありませんでした。

とりあえずわかるのは、自分のバカさ
加減だけ。

何かその辺のどこにでもいる「わけのわ
からないオッサン」になってしまった。

「わけのわからないオッサン」と言えば
夏目漱石の「こころ」という本があって
、ここにもそんなオッサンが出てくる。

この話は「私」という語り手が「先生」
と呼ばれる、あまりパッとしない無職の
中年男性と知り合いになった。

そしてその人を師匠と仰いでその家に通
い始めるそのうちに、自分の実の親より
も大切な人のように思うようになって
きた。

そんな矢先、その先生、「私はあなたに
『先生』と呼ばれるようなたいした人間
ではありません」ということをクドクド
書いた遺書を残して自殺してしまって、
ハイ終わり・・・という、これもなんだ
かわけのわからない物語。

きっと文豪の漱石先生、こういう『オッ
サン』たちを若い人たちには見つけても
らって、その人を導き手をして人間的
成長を遂げて下さい、ではサヨウナラと
書いて話をさっさと切り上げてしまった
のだ。

これではふつうの中学生や高校生に話が
わかるハズがない。

師匠は教えなくても弟子は勝手に学ぶ
もの。
まぁ、師匠は誰でもイイってわけだ。

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