「遥かなる山の呼び声」列車のシーン
山田洋次監督の“民子三部作”ってのが
あります。
1つが「家族」。2つ目が「故郷」。
3つ目が「遥かなる山の呼び声」。
3作品とも、倍賞千恵子演じる“民子”が
出てきます。
ワタクシは、3作品目の「遥かなる山の
呼び声」がいちばん好きです。
名作です。
何度も見ました。
高倉健、倍賞千恵子のW主演、ハナ肇が
バイプレイヤー。
ハナ肇さんが亡くなった日、追悼特別
企画でこの映画が放映されたのを覚えて
います。
先日もBSでやっていた。
初めて見るまでは、きっとアメリカの
映画「シェーン」の日本版だろうと思って
いました。
「シェーン」はアメリカのフロンティアの
時代、ある男が未亡人と息子のいる家に
フラッとやってきて、仕事をさせてくれと
言う。
未亡人の奥さんはその男を警戒し、何や
かんやあったけど、息子がすっかりその
男になつき、未亡人の気持ちが変わって
いった。
ある日、母と息子が事件に巻き込まれた時、
男は命がけで救ってくれた。
しかし男は去ってゆく。
そして息子が、「シェーン、カムバック!」
で物語は終わり。
ここで皆さん、涙を誘われます。
「遥かなる山の叫び声」も「シェーン」
同様、これで上がりかと思っていたら、
おっとどっこい、そうは問屋がおろさない。
人生すごろく、話にはまだまだその先があった。
刑事と、手錠をはめられている高倉健の
斜め向かいの席にハナと倍賞が座ると、
(倍賞)「虻田(ハナ肇)さんがいろいろと」
(ハナ肇)「ああ、あのバカが親切に面倒をみて
くれてるわけだ。よかった、よかった。」
と言った瞬間、ハナは涙が止まらなくなり、
顔を覆い隠す。高倉健の目にも涙が・・・。
この最後の列車のシーンでハナが風間
民子(倍賞)の気持ちを芝居風に伝えるという、
驚きの結末が待っていた。
山田洋次監督のいきな計らいか。
真冬の網走行きの列車、凍りつくほど
寒いのに、何だろう、この暖かさは。
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