スゴイぞ!腎ゾウ!

ラクダは荷物を運んだごほうびに、塩をもらいます。

 

疲れた時のサケ茶漬け、あれ、おいしい
ですね。

アレ、中に塩が入っています。

生命が誕生した40億年前には、塩の元に
なったナトリウムはすでに海の中に含ま
れていました。

生物は海で塩の魔力に取りつかれた。

塩自体にエネルギーはないのですが、塩
は細胞の扉を開ける「カギ」になったり
「運び屋」になったりするので、Naが
細胞内に入る時、一緒に他の栄養分を連
れてくる。

こういうのを昔、生理学で習いました。

確かナトリウムチャンネルだとかナトリ
ウムポンプだとか言ってたなぁ。

で、今からおよそ4億年前、私たちの
祖先は陸上へ進出。

「水のない世界」への進出は、まぁ「塩
なき世界」への大冒険。

魚なら周りは海水なので塩だらけ、陸上
に上がった生物にとって塩の補給は一番
大事。

陸上では、塩を手に入れるため生き物た
ちは必死に獲物を捕食しています。

肉食動物は内臓や血液から塩分を取り、
草食動物や雑食動物は大地に含まれるわ
ずかな塩を得る。

土や岩からでも塩分をとる。

汗とか血液とかはしょっぱい。
だから犬は顔や腕をペロペロなめるのか。
愛情表現だと思っていた。

でもそれだけじゃ塩は足りません。

で、陸に上がった生物は腎臓でナトリウ
ムを再吸収する仕組みをつくった。

腎ゾウはもともと余分な物質を捨てる
臓器。

魚は余った塩を腎臓を通して外に捨てて
います。

海の中は塩だらけですからねぇ。

デモ、塩が少ない陸上で生活するワタク
シたちはそうはいかない。

塩を捨ててしまえば、その分また苦労し
て補充しなければなりませんもの。

で、陸上生物は腎臓で塩をリサイクルす
る能力をも手に入れた。

「塩を捨てる臓器から塩を取り戻す臓器
へ」と進化させたのだ。

魚の腎ゾウと陸上生物の腎ゾウは真逆の
ことをやっている。

もしこのキノウがなければ、ワレワレは
1日1500gの塩が必要。

でもこのキノウのあるお陰で、1日わず
か2gの塩を補充するだけで生きてゆける。

スゴイぞ!腎ゾウ。

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