キリスト教の聖書には、「神様がヒトを
つくりました」と書いてあります。
では神様は誰がつくったんだろう。
多分、どこかの誰かが頭の中で神様を
創ったのだ。
実験発生学というのがあります。
今は発生生物学というらしいのですが、
実験発生学の祖と呼ばれるハンス・シュ
ペーマンという人がいて、彼の実験材料
はイモリ。
やがて発生学の材料の主流はニワトリに
なる。
その次の材料はマウスになった。
技術が進歩したので、子宮から胎児を
取り出して操作するのが随分簡単になっ
たから、というのがまぁ、公式的な説明。
でも今ならワタクシもそうは思いません。
歯学部の動物実験で「歯槽のうろうを
つくる」ってのがあって、ワタクシのい
た教室でよくやっていました。
最初はラットで歯周病をつくる。
次にブタでつくる。
そして、最後にサル。
ワタクシの担当はサルでした。
だんだん進化の階層を上がっていって、
それは最上段のヒトの歯周病研究につな
がるからです。
だから、イモリ、ニワトリ、マウスとい
う風に時代とともに実験材料は明らかに
進化の階段を上に上がっている。
やはり、一番上にいるのは、ヒト。
ただそれを言わないだけのこと。
発生生物学は、ヒトに強い引力がかかっ
ています。
そしてヒトに吸い寄せられていく。
それをやれば病気の治療に使えると、
医学者はそう言います。
でも、それだけ?
「何でヒトは羊でクローンを創ったん
だろう?羊の次は人間か?」
最近はそんなことをよく考えます。