子どもの頃、テレビで「黄金バット」
というアニメがあって、ガイコツなんで
すが、これが正義の味方なんです。
そこに「ナゾー」という悪の結社のボス
がいて、アイサツ代わりや感情が特に
高ぶった時に、「ロォ~ンブロォ~ゾォ
~」と呪文のようなものを唱えていまし
た。
何だコレ?変な呪文!と、子ども心なが
らずっと思っていました。
大人になってある本を読んでいたら、
「ロンブローゾ」という人の名前が出て
きました。
「コレ、あの変な呪文じゃねぇか?」と
思って調べてみたら、「ロンブローゾ」
というのはイタリアの精神科医の名前で
、正式にはチェーザレ・ロンブローゾと
いう「犯罪人類学の創始者」「犯罪学の
父」らしい。
150年くらい前の人です。
ナゾーは四ツ目のミミズクの覆面に、左
手が機械の鉤爪。
下半身はたしか円盤の中という変テコな
キャラクターで、どこにでも現れるナゾ
ータワーを根城としてました。
これも、何でこんな変テコな姿してんだ
ろうとずっと思っていました。
どうやらこの人、ナチス・ドイツの手先
として様々な実験を行っていた科学者の
エーリッヒ・ナゾーという人らしく、終
戦期に瀕死の重傷を負って今の姿になっ
たらしい。
歴史がてんこ盛りの深い話だったのです。
ところで、敵役のナゾーは、正義の味方
の黄金バットの頭がドクロなので「犯罪
学の父」をひっかけて、「ロォ~ンブロ
ォ~ゾォ~」と雄叫びをあげたのだ。
だとしたら、何ともイキな演出だと思う。