昔、「ダイ・ハード」という、ブルース
・ウィリス主演の映画がありました。
その中に、ビルが占領されていることを
、ビルの中に閉じ込められたウィリス扮
する刑事が外に知らせたいのに、なかな
か気づいてもらえないという場面があり
ました。
警官がビルまで来たのに、「異常なし」
といって帰ろうとする。
仕方なくブルース・ウィリスは、そのビ
ルの上の方の階から、自分が撃ち殺した
ばかりの死体を投げ落とすんです。
死体はパトカーの上にドカンと落ちて
くる。
死体がパトカーの上に落ちてくることで
文脈が切り替わるんです。
死体が出現すると、人間はその死体の
出現を説明するストーリーを1個考えな
いといけなくなる。
「この死体のことは後回しにして・・」
なんて、誰も考えない。
最優先事項になります。
まぁ、世間の文脈というのは、生きた人
の間にあるものです。
そこに死んだ人が出現したら、文脈がガ
ラリと変わって違うものになります。
だから死体というものは武器になる。
それに、自分と同じ種の死体が目の前に
転がってきたら、人は自分の身に危険が
迫っていることを本能で察します。
ワタクシが無人島に行ったとして、そこ
で血のしたたる腕の1本でも上から降っ
てきたら、近くに肉食恐竜か何かがいて
、次は自分が襲われる番かもしれないと
考えますもの。