「はっぴーえんど」時代の松本隆
(向かって右端)
世界一受けたい授業というTV番組に作詞家
松本隆が出ていました。
松本隆といえば、80年代を圧巻した作詞家。
彼のエッセイ「微熱少年」の中で、以前彼は
こんなことを言っていた。
「風景とは自分のカラダを含んだ風景であり、
そのイミでは自分は淋しいから風景はこうだ
と描写することを、風景は淋しいからこうだ
と置き換えることも可能だ。」
まぁ、風景に心の中を描写してもらうのデス。
彼は番組の中で歌詞のつくり方をこう語った。
4つあった。
1つ目は、情景や心情が浮かぶように歌詞の
中に世の中に存在しない色を登場させる。
春色の汽車、映画色の街など。
2つ目は、マイナス言葉は使わない。
マイナス感情はものすごく力が強くて、歌に
すると力が強くなりすぎる。
「not」を全部取るとすごくポジティブになる。
例えば、サントリーコマーシャルソングの
「スウィート・メモリーズ」で「幸福?と聞か
ないで。嘘つくのは上手じゃない」。
これは「不幸」という言葉を使わずに表現
したもの。
3つ目は、「好き」や「愛してる」という言
葉を使わないで表現する。
しぐさや行動が“好き”という気持ちを表してい
たら、説得力がある。
例えば「なぜあなたが時計をチラッと見るた
び泣きそうな気分になるの」。
4つ目は歌詞の中に具体的な数字を入れる。
すると、男女のキョリがよりよく伝わる。
「なぜ知り合った日から半年過ぎてもあなた
って、手も握らない?」
なるほど、そうだったんですね。
松本隆氏の気持ちを汲み取りながら曲を聴く
ことにしよう。