安達ケ原の鬼婆の歯

安達ヶ原黒塚にある鬼婆

 

うちのスタッフにたまたま「安達ケ原の
オニババ」の話をしたら、「先生、それ
ブログに書いて下さい。」と言うもんだ
から、書いてみます。

最後にチョットだけ、歯に関係している
部分が出てきます。

「安達ケ原の鬼婆」の話は最初チョット

悲しい身の上話があってそれはカット。

時は奈良時代。

ある旅の僧が陸奥を旅していた。その僧
、道行くうちに日が暮れて途方に暮れて
いたところ、向こうになにやら明かりが
あるので一夜の宿を求めて行くと、そこ
で一人の老婆が「淋しいところで一人暮
らししているのよ。」と謡をうたってい
る。

そこで旅の僧は「一夜の宿を貸して
くれ」と扉を叩く。

最初は断られたんだけど、押し問答の
末、泊まることとなる。

老婆は男女の仲になった後、やさしい
気持ちになって「お寒いでしょうから、
山に行って柴を取ってきます。今、火を
おこしますから、ここで待っててネ。
デモ、奥の部屋だけは開けちゃあダメ
よ。」と言って去っていく。

で、「開けるな」と言われると、人間、
必ず開けたくなる。

開けてみたらそこには、男の腐乱死体が
軒の高さまで積み上げられている。

僧が肝をつぶして逃げ始めると、それに
気づいた老婆が白髪の鬼婆の姿になって
追っかけてくる。(口は目元まで裂け、
歯は犬歯の4本だけ。)

その後は典型的なパターンで、僧が身に
離さず持っていた観音様をオニババに
投げつけたら、観音様が矢を放ってオニ
ババに命中して、何とか逃げ延びたって
いう話。

まぁ、歯科で関係するのは、オニババの
犬歯が4本残っているというところだけ。

おそらく、他の歯は歯周病で抜け落ちて
しまったのでしょう。
根っこの長い糸切り歯だけが残った。

奈良時代の話なので、歯が抜けたら
抜けっ放し。

この鬼婆、ケモノと化しているので、
人肉を犬歯で突き刺し、そのまま飲み
込んでいたのだと思う。

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