世の中では、脱炭素、脱炭素と言われて
います。環境に優しいEV車に大手自動
車メーカーがこぞって躍起になる中、
トヨタはEV車の将来性を探り、独自の
路線をとっていました。それがEV車に
たいして力を注がない戦略。
これには、『トヨタは環境問題を一切考
慮していない!』とか『時代遅れだ!』
といった厳しい意見が寄せられ、怠慢な
企業と言われ続けました。
でもね、トヨタがEV車市場に対して、
消極的だった背景に、ある重要な戦略が
隠されていたんですよ。
それはEV車の一極投資を避け、次世代
の全固体電池、水素燃料電池の開発に加
え、HⅤ車やガソリン車などへの均等な
開発投資を行うというものなんです。
つまり、脱炭素の取り組みを多角な切り
口で進めるという、まあよくある全方位
戦略です。そりゃそうです。トヨタほど
の大企業ですもん、一か八かに賭けるわ
けにはいきませんからね。下請け、いっ
ぱいいるもん。
ガソリン車、HⅤ車という『母屋』の横
にEV車という『離れ』をチョット作っ
てみた。
結果、販売台数世界一の座にはトヨタが
いました。『EV車が市場を圧巻するこ
とはありえない。』まあ、『EV需要の
先』を見越した戦略だったんですよ。
急速に盛り上がったEV市場で唯一冷静
であったトヨタ。
メルセデスもアウディもハマった。今後
はその先見の明と柔軟な対応力でEV市
場での逆転劇を是非、見てみたいもので
す。