ムシバ菌は現代でも厄介な存在。そのム
シバ菌に宿敵とも言えるライバルがいる
んです。それが歯周病菌。我々は大まか
に、ジンジバリウス菌と呼んでいます。
ムシバ菌は糖質をエサにして、歯垢を作
り口の中を酸性にして、歯を溶かします
。まあ、酸性に強い細菌だ。
逆に、歯周病菌は酸に弱く、その住み家
に空気が入って来ない歯ぐきの中、タン
パク質をエサに、口の中をアルカリ性に
寄せる。
つまり、歯周病菌の勢力が強いとムシバ
菌が住みずらくなる。まさに犬猿の仲。
実は、野生の動物はムシバ菌はほとんど
いませんが、歯周病菌には悩まされてい
ます。しかも、歯周病菌が増えすぎると
体内に侵入し、数々の疾患を引き起こす
ことがわかって来ました。
糖尿病、肝炎、アルツハイマー病、リウ
マチ、切迫流産など。
実は,この歯周病菌はムシバ菌よりも厄介
な大悪党。
とすると、こんな仮説が考えられる。
ワレワレの祖先はあえてムシバ菌になる
ことを選び、歯周病菌を抑えていたので
は?
口に入って来るエサに糖質が少なければ
それをエサにしているムシバ菌は増えま
せん。逆に、口の中がタンパク質ばかり
だと、歯周病菌はプロテアーゼというタ
ンパク分解酵素をバンバン出して来るの
で、分解するんですよ。歯ぐきの歯肉と
か、その下の骨とか。なので食事ゼロで
も彼らは生きていける。周りがエサばか
りですからねえ。
細菌というものはどの菌もそうなんです
が、中性の領域が一番生きやすいんです
。これがタンパク質がリッチだと、タン
パクを分解するとアンモニアであるとか
そういったアルカリ性物質が出て来てし
まうので、歯周病菌のジンジバリウス菌
が優勢になる。
逆に、口の中に糖質、炭水化物があると
それを分解するので、分解して出て来た
乳酸によって弱酸性、酸性の方に傾いて
来る。すると、ムシバ菌のミュータンス
菌が出てくる。
で、この酸性領域だと、歯垢って呼ばれ
る状態で、歯の汚れが存在する。これが
アルカリ性領域に入るとカルシウムが沈
着していきますので、歯の汚れが歯石に
なる。歯垢ではなく歯石になって、底の
方に酸素が入って来ないのでジンジバリ
ウス菌が生きていくのに有利なカンキョ
ウになる。
理屈っぽい話になってしまった。ふう。
もしかして、歯周病を防ぐ為にムシバ菌
が出来たんじゃないだろうか?