
松田正北大薬学部免疫学の教授(た~君)
先日、北海道新聞をパラパラ見ていたら
、第79回道新文化賞の学術部門で『サイ
トカイン』の一種、インターロキシン6
(IL-6)の作用を解き明かした偉い人の記
事が出ていました。

『ほ~、サイトカインか・・』『あれっ
!?この名前、何かどこかで見たコトあ
るなあ・・・。』じっくり見ていたら、
『た~君だ!』
『た~ちゃんだ!』
『た~坊だ!』。

『た~ちゃんだ!』
た~君はわたくしの同郷・広島県府中市
出身で、北海道に来ている数少ない小学
生時代のクラスメイトの一人。高校は違
うのですが、彼は、北大理Ⅲ系(当時)に
進学しました。私が遅れて入学した時、
同郷の幼ななじみということで、彼のア
パートに会いに行ったことを覚えていま
す。もう30年も40年も前の話です。
『た~君』は今、北大薬学部免疫学の教
授をしています。

ちなみに『サイトカイン』ってのは、病
原菌の侵入など、体内の異変に応じて身
を守る免疫細胞が情報を伝え合う物質の
こと。

サイトカイン
話は戻って、やはり、世の中の役に立つ
研究をしている人は一味違うなあ、とこ
ういう人を見て思う。彼は『散髪屋の
せがれ』で、いつも父親に刈り上げられ
ていた。

刈り上げ『ター君』
小さい頃、家に遊びに行った時、家の中
にカブトムシやクワガタムシ、それに気
持ち悪りぃーイモリなんかもいました。
『あいつは気持ち悪りぃのばっか飼っと
るわ!』という噂どおりの男でした。

た~君は『散髪屋』の息子
た~君は小さい頃から虫に、昆虫に興味
を持っていて、そういうヤツって勉強で
きるんですよ。おまけに散髪屋のおやじ
さんには馴染み客から町の情報が毎日入
って来る。『あそこの塾がいい』だの
『あの先生がいい』だの『あの高校はあ
あだ、こうだ!』とか、まあその辺によ
くある話です。

散髪屋は馴染みの客からいろんな情報をもらう
で、虫や昆虫が好きな好奇心旺盛な子は
、まず名前を覚える。学術名とか。英語
名とか。漢字を覚える。カラダの仕組み
を知るようになる。同じような仲間を知
る。その仲間はどこから来たのか。する
と進化論に興味を持つようになる。

ダーウィンの『進化論』
環境によってカラダが変って来たことを
知るようになる。すると地球という環境
に興味を示すようになる。地球は宇宙の
中の一つに過ぎないことを知る。じゃあ
地球はどうやって出来たかを知りたくな
る。じゃあ宇宙はどうやって出来たかに
興味を持つようになる。

虫に興味を持つことが、宇宙を知ることに繋がる
次々と興味の輪が広がって行く。『何で
?どうして?何で、何で?・・・』と考
えるクセがつく。
そういう子は放っといても、国語・算数
・理科・社会・英語なんかをたった一匹
の虫を通じて出来るようになるんですよ
。あげくの果てには、この子は頭がいい
と言われるようになる。考えない子は思
考がストップする。

頭がいいと言われるようになる
だから親御さんたち、息子に向かって、
『ホンマ、虫ばかり集めよって!ホンマ
、虫を集める暇があったら、勉強せえ!
』なんて言わない方がいいですよ。せっ
かく思考回路が繋がり始めたんですから
。それにしても虫好きだった少年が『サ
イトカイン』の作用を突き止めるように
なるとはねえ・・・。

昔の『た~ちゃん』
『た~ちゃん!』、昔はへの字顔だった
のに、今は穏やかないい顔になった。
ただ一つだけ言えることは、『た~坊』
は散髪屋を継がずに、人類の役に立つ科
学者になったってことだ。

今の『た~君』