水をカラダの中に貯め込むために、死んだヒフを使うんです

ヒトの皮膚

カラダの60%が水ですが、どうやって
その水を保っているかと言うと、死ん
だアレを使うんです。私たちの祖先が
陸上に進出したのは約3億6000万年
前。その時から生き物のカラダの隅々
に十分な水を貯える戦略が必要になっ
たんです。そして意外なものを利用し
たんですよ。それが死んだ細胞。

水を保つのに、角質層という死んだ細胞を使う

それを機能的に使う。空気の環境の中で
も水分が蒸発しないようにしたり、紫外
線から身を守ったりと言う機能を獲得し
たのが、セキツイ動物。コレ、死んだ細
胞を使っています。それがヒフ。

脊椎動物は死んだ細胞(核の無くなった角質層というヒフ)を水を蒸発させないように利用したり、紫外線から身を守ったりするのに使った。

水中の中で生きるオタマジャクシと水と
陸上とで生きるカエルのヒフを比べてみ
ると、カエルのヒフの方には一番外側に
薄っすらした層がある。これが死んだ細
胞。角質層と呼ばれるもの。角質層とは
細胞の核がなくなった死んだ細胞のこと
です。

哺乳類は進化する際にヒフの角質層を厚くしていった。

その角質層は私たちヒトのヒフでは何層
にも重なり、厚くなっています。死んだ
細胞が残っていると、炎症が起ったりす
るので、そんな細胞を失くすようなメカ
ニズムが本来ある。ところが、ヒフの表
面は非常な特殊なことをしています。水
中で生活するのに必要のない角質層を両
生類から哺乳類に進化する際に、厚くし
ていった。

水中で生活するのに必要のない角質層を、両生類から哺乳類に進化する際に、厚くしていった

死んだ細胞を捨てずに利用するという工
夫で空気や紫外線からカラダの水を守る
ようにしたのだ。スゴイですね、生物っ
て言うヤツは。

要らなくなったゴミみたいなものでも、
いつか何かの役に立つだろうと、大事に
取っておいたんですよ、何億年も。だっ
て魚のエラも何億年後には人のアゴに進
化しましたからねえ。

魚のエラも何億年後にはヒトのアゴに進化した

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