
『大気の川』
世界人口の半分が1年間のうち、1ヶ月
は深刻な水不足に悩まされています。
瀬戸内気候の小雨地方で育ったワタク
シの小さい頃は、夏の何日間は断水し
ていました。水が足りないんですよ。
だから、降った雨は池に貯めた。
『溜め池』と言います。

香川県の溜め池
北海道に来て素晴らしいと思ったのは、
水に何の苦労もしないということです。
だって冬の間、雪と言う形で水を山に貯
蔵しているんですもの。春になったら、
勝手に流れて来るその水を使う。

北海道は水を雪の形で山の上に貯蔵している
ところで、ゲリラ豪雨と言って、極端な
雨が突然降るコトがあります。ゲリラ豪
雨のような極端な雨、コレ、地球温暖化
に伴って、大気中の水蒸気が増えて、大
量の水蒸気が集まった『大気の川』とい
う現象。

ゲリラ豪雨も『大気の川』の現象の1つ。
『大気の川』って、いったい何のこと?
図を見ると、色が濃いほど水蒸気が多い
ことを示しています。赤道付近は水蒸気
量は多いのですが、注目すべきはそこか
ら南や北へ大きく流れている部分。こう
した水蒸気の流れを『大気の川』って言
うんですよ。

色が濃いほど水蒸気が多い。赤道付近は水蒸気の量が多い。そこから南や北へ大きく流れている部分。こうした水蒸気の流れを『大気の川』と言う。(オガワ工房)
『大気の川』は日本にも大きな影響を与
えているんです。それが6~7月にかけて
発生する梅雨前線、これも『大気の川』
の1つ。上空に『大気の川』が流れ込ん
で来る場所では、大量の雨が降りやすく
なるんです。『大気の川』からずっと水蒸
気を提供しているので、線状降水帯にな
りやすい。

上空に『大気の川』が流れ込んで来ると、水蒸気がたくさん線状に集まるので、線状降水帯になりやすい。
地球温暖化の気温上昇で『大気の川』の
発生頻度と水蒸気量も増えています。そ
れは全球的な(地球規模の)上昇傾向です。
アメリカの研究チームによれば、平均気
温が2度上昇したら、『大気の川』の発生
頻度は1,3倍に増えるらしい。

『大気の川』
水蒸気のバランスが崩れると、ある地域
では大雨が増え、一部の地域では乾いて
しまうという不均衡が生じます。温暖化
にしろ、水源破壊にしろ、地球上の水の
量は変わってないんですよ。極端なだけ
です。水蒸気を知ることで災害の原因や
傾向を知ることが出来るんです。