吉原遊廓では『ありんす言葉』を使う

吉原遊女は『ありんす言葉』を使う

江戸吉原遊女の日常生活の話です。吉原
では農家の貧しい娘を買って来る。ブロ
ーカーは買った娘を吉原に引き渡す。
そして『ありんす』と言う言葉などを学
ばせる。吉原のことを外の人は『ありん
す国』と呼ぶ人もいる。どこの農村から
連れて来られたか知らない、いろんな場
所から、いろんな事情をかかえて来た女
の子が吉原にいます。

吉原ではスタートラインは皆同じ。遊女
たちの出身地を隠すために、あえて遊郭
方言の『ありんす言葉』を作って、それ
を女の子が小ちゃい頃、先輩遊女が教え
込むんですよ。

『ありんす=あります、~です』
『おいでなんし(いらっしゃい)』、
『わっち=わたし』
『主=あなた様』
『あがり=お茶』
『馴染み=慣れ親しんだ人』。

NHK大河『べらぼう』高級遊女の花魁・花の井

高級遊女は3回来ないとコトをしない。
初回(目も合わさない)、
2回目(裏を返す、同じ女郎を指名する)
3回目(馴染み)

馴染みになったらコトにおよぶ。

17歳頃になると、正式に遊女となって、
ここから正式にお客を待つ。ところで、
遊女たちの運命は次の3パターン。

江戸時代後期の吉原

①身請け。コレ、客としてやって来た、
メチャメチャ金持ちの人がいて、その遊
女の生涯の稼ぎを全部負担して結婚。こ
れがあると何年目であろうと吉原を脱出
できる。でもこれはごくごく一部。NHK
大河『べらぼう』にでて来る花魁・花の
井は全盲の高利貸し・鳥山検校に
1億4000万円で身請けされた。

1億4000万円で身請け

②死亡。無縁仏として、近くの浄閑寺に
葬られた。吉原の遊女を継ぎから次へと
葬るから投げ込み寺とも言われたとか。
この頃の吉原遊女の平均年齢が22歳。

③年季明け。10年勤めあげれば、吉原を
出ることもできるし残ることもできる。
実家が引き取ってくれないこともある。
幕府非公認の遊郭・岡場所の私娼になる
こともあった。

まあ、こんな感じでありんす。

足抜け(脱走)しようとするとひどい目にあう。

ところでね、昭和の金持ち奥様の口癖と
いうイメージの強い『~ざます』も元は
と言えば、遊女の言葉なんですよ。

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