「目のカメラ」でカシャカシャと
撮影したけれど・・・
内田樹さんって、日本の思想家です。
ある日突然、特殊な能力がやってきて、
ある日突然去っていった話をしていま
した。
********************************
ある日、気がついたら、文字や図表を
図像として、まるで写真を撮るように
記憶できるようになっていた。
教科書や参考書をじっと見つめて、
カシャカシャと『目のカメラで撮影』
すると、そのページが視覚像として
記憶される。
読んだ記憶のない世界史の教科書の
欄外の注や、数字まで出てきちゃうん
ですから。
「これはしめた!」もう受験勉強なんか
全然する必要がない。
アルバムをめくればいいワケですから。
もうそれからは、勉強らしい勉強もしな
いで、口笛を吹きながら高校受験に臨ん
で、当然のように合格した。
そうして高校に入って最初の中間試験が
6月にあった。もちろん勉強なんか全然
していない。授業は聞いてましたけど。
予習も復習もしないで、ただ教科書を
開き、試験のハンイのページをカシャ、
カシャと撮影して、「よっしゃ!これで
全部頭に入った」と意気揚々と教室に
入った。
試験問題が配られたので、「ではアルバ
ムをば・・・」とめくろうとしたら、
・・・・・何も写っていなかった。
ある日突然やってきて、ある日突然
去っていってしまったのです。
************************************
まぁ、中3の受験のストレスでかなり
心理的に危ない状況の時に、その能力が
ポンと出てきて、「もう大丈夫」となっ
たら、その能力はスッと消えていった、
というコトです。
まあ、これはおそらくサバン症候群と
呼ばれるもので、発達障害を持ちながら
も、ある特定分野に驚異的な能力を持つ
症状なんでしょうね。
ワタクシも何かそのような特殊能力を持
っていないか、思い出しながら探してみ
たのですが、残念ながら思いつかない。
友達に訊いても、親から聞いても極めて
フツーと言われていたので、やはり自分
はフツーなのだ。
そういう特殊能力を持っていたら、世の
中の景色は変わって見えるんだろうね。