松本隆著で、「秘密の花園」という本が
あります。
新潮文庫から出ています。
というか、出ていました。
80編の詩とショートストーリー5本。
この本の存在は少し前から知っていたの
ですが、最近やっと読んでみたいという
気になりました。
声と姿を武器とする松田聖子を通して、
作詞家松本隆が生み出した言葉の世界に
触れてみたいということで・・・。
でもその本、すでに絶版。
古本屋を探していたのですが無くて、
ずっと買えませんでした。
どうしてあの時買っておかなかったのか
と、後悔。
「あの時」って、随分前で、1984年頃。
それが先日、やっと買えました。
ヤフオクで。
便利になったものです。
探せば日本中のどこかにアル。
プレミアがついて、当時の値段の約5倍。
値段じゃなくて、価値で買った。
松本隆の詩を拝聴していると、勝手に
風景が浮かんでくる。
ここでいう風景とは、自分のカラダを含
んだ風景で、「自分は淋しいから風景は
こうだ」と描写することを「風景は淋し
いから自分はこうだ」と置き換えること
も可能なワケで、乱暴に言えば「風景の
心理描写」。
まぁ、風景の中へ隠し絵のように人間関
係をはめ込んで、そこに詞をのせた。
ところで、彼の「微熱少年」というエッ
セイ集があって、ここで松本隆は面白い
ことを白状していた。
「歌い手が可愛いヒロインである場合、
ぼくは『あなた』を自分に想定して詞を
書くという悪癖がある。それによって
彼女は悲劇的なことに、TVでラジオで
朝となく夜となく、ボク個人のために
歌ってくれるというワケである」と。
さて、ブログタイトルの上の写真は、レ
コードアルバム「ユートピア」の表紙。
何やら水の中からチョコンと顔を出して
いる。
何かコレと似たようなアルバムのジャケ
ット写真を見たことがあります。
何だっけなぁと記憶の糸を手繰ってみた
ら、それがこれまた古いのですが、ジョ
ージ・ハリスンとオリビア・ニュートン
・ジョンでした(上の写真)。