クリスマスシーズンになるといつも、
松任谷由実(ユーミン)の楽曲、『恋人が
サンタクロース』が街に流れます。この
曲、クリスマスという家族で過ごす宗教
行事を、恋人たちの儀式に変えてしまっ
た。そして若者がみんな飛びついた。
『中流の上の家庭』に育ったの女の子を
思わせるような歌詞。ワタクシ、この曲
の中でギタリスト・松原正樹が鳴くよう
に弾くギターの響きが好きなんです。
夜になると、サンタが家にやって来ると
言うフレーズは、子供の頃信じてたサン
タさんの話によく似ています。この楽詞
をワタクシなりに勝手に解釈してみた。
その子の家には来なかったサンタクロー
スが、隣のお姉さんの家にやって来た。
夜8時にやって来たサンタクロースと一
緒にどこかへ行ってしまったお姉さんは
今も遠い街で暮らしているのだろうか。
子供の頃には分からなかったお姉さんの
話が今になって分かるようになった。わ
たしもそんな年齢になった。隣のお姉さ
んがそうだったように、『私』のところ
にもいつかサンタクロースがやって来て
遠い街へ連れ去ってくれるのだろうか?
ただの恋人から人生を共にする相手へと
変わる夜こそクリスマスであり、サンタ
クロースのプレゼントがプロポーズなの
かもしれません。そう考えれば、お姉さ
んがそれっきり帰って来ないことも理解
できる。
サンタクロースが住むのが『雪の街』だ
としたら、大切な恋人を自分の故郷へと
連れて行く、とってもロマンティックな
お話。
聴く人によって、いくらでも想像を膨ら
ませることの出来る、奥行の深い歌詞で
すが、その歌詞にとてもセンスを感じま
す。
まあ、歌というものは好き勝手に解釈で
きて、答えがありませんからねえ。自分
の体験に合わせて解釈すればいい。
そして、気になる結末が描かれていない
ことこそが、長年愛され続ける理由なの
かもしれません。
ちなみにワタクシ、若い頃、『恋人が』
じゃなくて、『恋人は』じゃねえか?と
ずっと悩んでいて、じゃあ、あのサンタ
は誰だろう?と考えていたのですが、
ある日、ふと、恋人がサンタクロースだ
ったんじゃないか?と気付きました。
やはり『恋人は』じゃなくて『恋人が
が正しいのデス。
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