どういうワケか、カメよりもウサギが
好きな親がたくさんいます。
そういう親に、絵本作家のあきびんごさ
んが「ウサギとカメ」の話をすると、
「それはウサギが油断して昼寝したから
だ。昼寝しなければウサギの方が勝った
」と言うようです。
ウサギも人気があるんですね。
でも、「昼寝のようなうっかりミスさえ
なければ・・・」と言いますが、ウサギ
の昼寝はうっかりミスではなくて、疲れ
果てて寝てしまったのだということに気
づいていないのデス。
このイソップの話を読んだウサギの親子
が、カメに挑戦することになりました。
「いいかい、坊や。油断して昼寝なんか
するんじゃないよ」「うん、わかった。
ボクは絶対に油断なんかしないから」
ヨーイ・ドンで子ウサギは飛び出します。
ぐんぐんカメを引き離しました。
このままいけば、昼寝さえしなければ
大丈夫です。
ところが、どうしたことか、子ウサギは
またまた山のふもとで昼寝してしまった
のです。
母ウサギはびっくり。
そしてカメは前と同じように、勝ちまし
た。
レースが終わって母ウサギはあきれて、
子ウサギにこう言いました。
「どうして昼寝したの?あれほど言った
のに。走り続けさえすれば勝ったでしょ
う。だいたい、あなたの方が力が上なん
だから」
すると子ウサギはこう言い返しました。
「走ってみてわかったんだよ。母さん!
カメの方がボクよりもずっと力が上で、
かないっこないって。ママは走り続けさ
えすればって言うけれど、ボクは途中で
ガソリンが切れたんだ。その時初めてわ
かったんだ。ゆっくりでも走り続けられ
るっていう能力のすごさを。ボクのジャ
ンプ力やスピードはそれに比べればたい
したことないんだ」
やはり、早くできるかどうかより、毎日
コツコツとやることが大事なようデス。