歯ぐきの中も腸の中も、酸素のなかった原始地球と似た環境。


           マグマの海

 

地球上で細菌がいない場所はありません。

植物から、空気中、水中どこにでもいっ
ぱいいます。
雨粒の中にもイル。

それもそのハズ。
そもそも生命は、細菌からスタートした
のですから。

今から46億年前、誕生直後の地球はマグ
マの海に覆われ、大気中には窒素と二酸
化炭素が満ちあふれて、残念ながら酸素
はありませんでした。

数億年経ち、ようやく誕生した生命、そ
れが実は細菌でした。

ところが、その後27億年前、地球環境が
大きく変わり、後に植物になり光合成を
行うシアノバリテリアが誕生。

ついに地球上に酸素が増え始めたのです。

すると細菌たちは、主に2つのグループ
に分かれて進化してきました。

その2つが、酸素を好む好気性菌と酸素
に触れると死んでしまう嫌気性菌。

好気性菌たちは、酸素の豊富にある地上
にバァーッと広がった。

一方、嫌気性菌たちは酸素の届かない場
所で地味に生き延びていた。

どこかというと、海の底や岩石の中、さ
らに海底火山の火口付近。

ところが、嫌気性菌たちはある時、もう
一つ絶妙な場所を見つけたんです。

それが、動物の大腸の中。

ここは酸素が届かなくて、おまけに頼ま
なくてもいつでもエサが入ってくる。

もう、ホント楽。
引っ越ししなくていい。

嫌気性菌たちは原始地球と同じ環境を
見つけ、そこの住民になったのデス。

口の中でもムシ歯菌は酸素を好むので、
酸素のたくさんある歯の表面を見つけた
し、歯周病菌は酸素があるとイヤなので
酸素の比較的届かない歯ぐきの中を選ん
だ。

だから歯周病菌をある程度弱くするには
、歯ぐきの中に歯ブラシの毛先を入れて
酸素を送り込んでやることが必要なんで
す。

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