植物は何でクスリを作るの?

院長室の窓から見えるグリーン

 

院長室に窓があって、窓を開けるとそこ
に、一生ケンメイ枝葉を広げたグリーン
があります。

このグリーンを見ていると、どこにも
出かけずによくそんな狭い所で頑張って
るなぁと思います。

46億年の地球の歴史を1年に換算してみ
ると、太陽エネルギーを使って光合成を
する原始生物は5月7日に誕生しました。

さらに植物は11月27日に陸に上がり、ワ
レワレ、ホモサピエンスが誕生したのは
ついこないだの12月31日の午後11時37分。

まぁ、大晦日のたった23分前です。

土に根を生やして動かないという生き方
を選択した植物は、いわばワレワレの
大先輩。

動かないことを選択した植物は、太陽エ
ネルギーと二酸化炭素と土の中にある無
機物を使って、有機物(糖やアミノ酸や
脂質)を自分でつくる光合成という能力
を身に付けました。

また、動けないので、外敵やカンキョウ
などのストレスなどから身を守るために
化学構造が複雑で多様な成分を作る化学
防衛キノウを発達させました。

例えば、強い薬理作用を持つアルカロイ
ド(窒素を含み、ほとんどの場合塩基性
を示す天然由来の有機化合物)。

多くのアルカロイドは、他の生物に対し
て有毒。

でも時々薬理作用を示すので、医薬品と
して使われています。

アヘンから採ったモルヒネとか、紫外線
などの環境ストレスを和らげてくれるフ
ラボノイドとか、最近では植物に由来す
る抗ガン剤、これはガン細胞の分裂を阻
害してくれますが、しかし困ったことに
正常細胞の分裂も阻害する。まぁ、老化
を早める。

こうして動かないことを選択した植物が
つくり出したモノが、クスリの源になる
のです。

まぁ、このように植物は決して人間に恵
みを与えようとしているワケじゃなくて
、自ら生き残り戦略の中でいろんな化学
成分を作り出し、それをワレワレが少し
だけおすそ分けしてもらっているダケな
んだろうなぁと思う。

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