プロ棋士の直感は、古い脳でつくられる。

大脳基底核

 

歯の治療をしている時に、咬むと痛い、
レントゲンを撮ると何も疑わしいモノは
写っていない、ポケットもない、でも
患者さんは痛いと言う。

そんな時、直感が働く。
「割れてるかも」。

冠を除去して実際目で見てみると、やは
り割れていた。

レントゲンでも頬舌的な方向からヒビが
入っていると、レントゲンには写りませ
ん。

そんな時、消去法で“キレツ”が上がって
くる。

まぁ、直感のようなものです。

先日、将棋の田中寅彦九段と理化学研究
所で脳の研究をしている田中啓治さんが
こんな話をしていました。

思考というのはフツー、大脳皮質で働く。

でもプロの棋士の場合はまず脳の深い所
にある大脳基底に浮かんできて、例えば
「8六銀」、「7王歩」、「3六銀」、
「6五金」などの手から厳選された「3
六銀」だけが選ばれて、それが大脳皮質
に上がってくる。

で、それを打つ。

それを直感というらしいのですが、7割
は正しいらしい。

ちなみに、大脳基底核って、昔々のカン
ブリア紀に生物に備わっていた古い脳。
いちばん最適な行動を選択します。

田中九段がこんなことを言っていた。

棋士の感性から言わせてもらうと、アマ
チュアの方は算数をやっているような感
じ。

プロは音楽か美術をやっているような感
覚があって、次の一手に行きつく。

で、プロの棋士は毎回正解を思いついて
しまう。

寅さんの話はまだまだ続く。

子どもの頃から詰め将棋をやっていて、
盤面をまず見てパッと目をつぶる。

回数を重ねると、詰む手が気持ちよく
なる。

正解に近い手は気持ちのよい手。
詰まない手は、気持ちが悪い手。

直感力って、脳の深い所にある大脳基底
核といわれる部位、まさかそこが活動し
ているとは思わなかった。

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