あまり考えることのないヒフ感覚の話

アイソレーション・タンク

 

右手の皮フ感覚が無くなれば、自分の
手は動くものの、その手がどういう状態
なのかわからなくなってしまう。

脳の中に視床という部分がありますけど
、そこに何か障害が起きると、感覚だけ
が抜けてしまう。

だから動かすことはできるけど、感じる
ことができない。

自分の手じゃないと感じる。

ある患者なんですけど、右手の皮フ感覚
がなくなった。

それで歯のブラッシングがうまくできな
くなった。

そこで自分の目で自分の右手を確認する
ようにして、なおかつ左手で右手を触る
ようにした。

すると、右手の存在を左手と目が教えて
くれた。

右手で失ったものをその2つがカバーし
てくれたのだ。

フツーの人にはフツーにブラッシングし
ているように見えるけど、実は苦労して
いる。

ところで、健康なヒトでもそのヒフ感覚
をかなり減らすという実験があるんです。

アイソレーションタンクといって、脳生
理学者が発明したんですけど、まぁ、感
覚を遮断する装置。

まずお風呂の湯船に密度の高い、塩水の
ような比重の重い水を入れておいて、湯
の温度をヒト肌くらいにしておく。

そしてそこに、真っ裸であおむけに浮く。
最後に、音も光も遮断する。

すると物理的にヒフ感覚、つまり「自分
」と「自分でない」ところの境界がなく
なってしまう。

そして、自分のカラダから自我が消えて
しまうらしい。

自分と自分でないももの境目がわからな
くなると、自分がいるかどうかも危うく
なる。

だから自分がここにいるよ、っておしえ
てくれるのがヒフ感覚なのだ。

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