上の総入れ歯をつくる時、ノドの上の方に
あたる場所を伸ばし過ぎると、食べ物を上
手に呑み込むことができません。
モノを呑み込むことを「嚥下(エンゲ)」と
いうのですが、このエンゲには順番がある
のです。
まず下アゴを動かさない。
そして、「さぁ、呑み込むぞ」という準備を
する。
この時、舌が参加するワケです。
ここからは自動的に進行します。
まず舌は縮まって、口の中で食べ物を後方に
押す。
それと同時に、ノドチンコのあるあたり(軟
口蓋といいます)が上に跳ね上がります。
その跳ね上がった軟口蓋が、後ろにある咽頭
の後壁に密着することになります。
これは何のためかというと、軟口蓋が上がる
ことで鼻の中の空間と口の中の空間が遮断さ
れるのです。
これをひとつ間違えると、ソバが鼻から出て
くることになります。
ソバが軟口蓋の上に廻ってしまい、それが
鼻からでてくるのです。
ワタクシも以前、呑み込もうとした瞬間にク
シャミをしてしまい、鼻からソバが出たこと
があります。
デート中にこんなことが起こったら、百年の
恋も醒めてしまいます。
ご用心、ご用心。