
『鴨っぷる』
【続きです】
つぎの京都あるある話は『鴨っぷる』を
羨望する京都の大学生。
『鴨っぷる』って、京都を流れる大きな
鴨川の河原に何故か等間隔に座り、楽し
そうにお喋りしている若いカップルたち
のこと。実は他県から観光で来ている人
達が多いらしい。昔、テレビで何かそん
なことを言っていた。

鴨川の河原に何故か等間隔に座る『鴨っぷる』
まだ大学生じゃないワタクシも四条河原
町の三省堂書店の帰り道、橋の上から
『いいなあ~』と眺めていましたが、鴨
川のカップルたちは京都在住ではなかっ
たのだ。

鴨川デルタ
だいたい、大学付近を流れる鴨川(北大路
橋付近や鴨川デルタ)では、写真部やサッ
カー部などの大学の活動で使われていた
り、楽器を弾いている初々しい学生がい
たり、持ち寄ったお菓子でピクニックし
ている学生や純粋に川遊びをしている学
生がいたりと、学生の日常生活を切り取
った世界が生まれているんですよ。

鴨川の河原では楽器を弾いたりする
『鴨っぷる』が最も多く発生する祇園付
近の鴨川にはそのような学生は滅多にい
ません。というか、そもそも学生は昼間
からそんな所にはいきません。
京都流で言えば、あそこにいるのは洛外
の人、つまり『よそ者』です。

ブブ漬け
もう一つの京都あるあるは『ブブ漬け』
です。何か忘れたけど、用があって、あ
るお宅にお邪魔しました。結構長くいて
、すると奥からバアさんが出て来て、
『ブブ漬けでもどうどす?』と言うもん
だから、ワタクシ丁度、お腹減っていて
『いっただきま~す!』

『ブブ漬けでもどうどす?』
と言うと、確かにブブ漬け出て来たんだ
けど、何かちょっと、バアさんの視線、
冷たかった。

『帰らずに、食べていきおったわ!図々しい。空気が読めんのか!』
京都を離れてあるテレビ番組を見ていた
ら、『ブブ漬けでもどうどす?』と、こ
こでもバアさんが出て来て、客は時計を
見て、『ああ、もうこんな時間や、帰り
ますワ!』と言って、そそくさと帰って
行った。

空気を読んで、『ああ、もうこんな時間や、帰りますワ!』
京都の『ブブ漬けでもどうどす?』は
『もうこんな時間やで。時計見れや、い
つまで居るんや、このタコ、はよ帰らん
かい!』と言う意味らしいのです。
もうまるで京都妖怪地図の世界。ああ怖
わっ!でもこれが京都流。

まるで『京都妖怪地図』
まあ、京都って、1000年以上に渡って天
皇を巡る争いが続いて、戦禍になった街
。自分たちを守る為に京都の貴族たちは
和歌を詠んで、額面通りに受け取るんじ
ゃなくて、『ウラの意味を察してよ、そし
て直接言わない文化』が育ったんでしょ
うね。

京都の貴族たちは和歌を詠んだ

天皇のいる京都は絶えず争いが起きた
まあ、言葉を変えれば、『空気を読む文
化』。京都はおしとやかで上品、少し悪
い言い方をすれば、『嫌みが上手』。
これが、ワタクシにとって、最強の京都
あるある話。
おしまい。
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