「逃げる時は、ボロが一番じゃ!」(「おんな太閤記」より)

逃げる支度をする女たち

 

BSで日曜日の朝やっている「おんな太閤
記」は、豊臣秀吉の天下取りを佐久間良
子演じる妻「ねね」の視点からとらえた
物語。

男たちの戦う姿より、待っている女たち
がどう考え、どう行動したかにスポット
が当てられています。

このような歴史物は史実に基づいて忠実
に描かれますが、スキマの部分は脚本家
の腕の見せ所。

そのスキマは空想が多いのですが、空想
の中に時々ビックリするような真実が
混じっていることがあります。

ワタクシの大好きなセリフが1つあって
、それはどんなのかというと、本能寺の
変で信長が破れた時に、城に残った秀吉
(藤吉郎)のおっかさんが女たちにしゃ
べった言葉。

「信長様が殺されたら、藤吉郎の首が
飛んだも同然じゃ。さぁ、今すぐ逃げる
ぞ。落ち着いたら中村に戻って百姓をし
ようぞ。中村には田や畑もある。昔に
戻ったと思えばよいことじゃ。(中略)
そのようなモノを背負って逃げられると
でも思っておるのか。命がのうてはモノ
など何の役にも立たぬわ。逃げる時は
ボロが一番じゃ。間違うても絹なんか身
にまとうな。怪しまれるだけじゃ。」

秀吉のおっかさんにしゃべらせた橋田壽
賀子の一連のこの言葉、ワタクシ頭の中
で何度も何度も再生しました。

確かに、本能寺の変の明智光秀も関ヶ原
の戦いの石田三成も、逃げる時にはボロ
を着ていたぞ。

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